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スマホを持って異世界に行ったのに、検索ができない  作者:
第二章

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 「うわ~ここに住むの?」

 「そうだよ。ここで仕事をして生活していくんだ。」

 「そっか、それなら僕も手伝う。」

 「うん、私も」

 「ありがとう。馴れるまで大変だろうけど一緒に頑張ろう。」


 

 トントン。

 ドアを叩く音に出ていくと、ヒサラさんがいた。



 「今入口を閉めたからね。道具の洗い方を教えるよ。」

 「ありがとうございます。」


 レイラは子供たちと一緒にヒサラから道具の洗い方を教わる。



 「ふぅ…ここでこうやって置けば乾くからね。さあ、汗を流してこようじゃないか。」

 


 ヒサラさん一家と水浴びをした。その時に昨日の石鹸と同じものを4つ受け取った。その1つで今日も体を洗う。

 共同調理場へ向かうと、テーブルが置かれていた。



 「あたしらの食事は、客と同じものなのさ。大人も子供も同じ量だから、あとは家族でうまくやりくりしておくれ。」

 「はぁ…」

 「朝食はね、ちょっと見慣れない物を用意するから楽しみにしておいで」

 「朝もいただけるの?」

 「もちろんだよ。仕事前にしっかりと食べないとね。それとこれは明日の朝までの湯冷ましだよ。」

 「ありがとうございます。あの…このスープって卵が入っていなくても美味しいですね。」

 「そうだろう。スープバーを使っているからね。」

 「スープバーですか?」

 「ああ、肉や野菜の美味しい味を固めた物だよ。滋養によいものが入っているのさ。」

 「そうですか。どうりで…」

 「うん?」

 「昨日、こちらでスープを飲んでから、体が軽くて動ける気がします。」

 「そうなのかい?それなら毎日食べていれば元気になるね。」

 「はい!」



 食後に湯冷ましの入った薬缶を受け取り、家へ帰った。カウンターの奥に乾いた道具を重ねて仕舞う。薬缶は、1Fの小部屋のテーブルに置いた。テーブルのところには竹のコップが3つ置かれている。

 この建物はカウンターのところに金箱があり、足元には洗濯石鹸の樽が積まれている。同じ広さの隣の小部屋は板張りになっていて一段高い。足の短い丸テーブルが置かれていた。

 これは、床に座って使える高さなのだろう。子供が小さいのでその方が気楽ではあった。でも、それなら、靴を脱いで上がるほうがよさそうだ。子供たちもそのほうが自由に動ける。

 レイラは水を入れた盥を用意した。子供たちが上がる前に足を洗わせた。自分も足を洗って板の間に上がる。

 階段を上ると、左右に板張りの部屋がある。階段のところには腰高までの手すりがあり、落ちないように作られていた。

 部屋には何もないのでガランとしていた。持ってきた荷物から木の枕を取り出した。

親子3人で横になって手足を伸ばしても十分に広い。今朝まで肩身が狭い思いをしていたのに、突然小屋を1つ借りて働ける身分になれるなんて夢みたいだ。

 

 

 「おかあさん、昨日も今日も美味しいの食べられてすごいね。」

 「そうだね。ここでずっと生活できるように頑張るね」

 「うん」

 「川は危ないから近寄るんじゃないよ。」

 「うん」

 「明日またおいしいの…たべ…」



 レイラ親子は、移り住んだ小屋であっという間に眠ってしまった。





読んでくださりありがとうございます。

評価をいただけると嬉しいです。


今日の更新はここまでです。

明日の更新は19時頃から、明後日まで3話ずつ更新します。

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