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 昼になるとシドは帰っていく。

 隆二は、シドに間引きした野菜を持たせていた。

 種は貴重なので3粒セットで植えたりはしない。土地があくのは構わないけれど、種は貴重なので無駄になるのは極限まで減らしたい。それでも植えた後にずれることがある。近くに生えてしまう事があり、間引きを0にはできていない。


 栽培セットの種は全種類播いていたので、新たな種はないかと探していた。

 アイテムリストを見ていると、家庭菜園の雑誌に少量の種が付いていることがあった。キャベツや大根、ニンジンや玉葱などだったが、病害虫に強く育てやすいらしい。

 雑誌のおまけというかおそらくは宣伝のための種なので、1冊に10粒程度しかついていない。1粒あたりが高いので、大量には買えず1畝ずつ分しか手に入れられなかった。これは種取りにして今年1つずつ味見のみにし、来年沢山つくって食べようと決めた。


 

 「ふ~結構間引きするのな…もったいない…」

 「そうだけど、間引きしないと育たないから仕方がないよ。」

 「そうだな」

 「間引きしたのもスープになって売れるから、無駄になるわけじゃないよ。」

 「そうだね。俺にも持たせてくれるし」

 「1畝に200粒以上を播いているから、こうなるよ。小松菜はいいけど蕪は膨らめないからそのスペースがないとね」

 「ああ、その通りだ。だが、多いな…」

 「蕪と小松菜はそれぞれ8畝ずつありますから…。」

 「そうだな…多い…」

 「あっ今日は、ミニトマトの脇芽取りをします。」

 「わかった。」

 「脇芽は切り口を水に浸けて根だしさせて植えます。」

 「それ植えてどうするんだ?」

 「育てます。」

 「なぜ?」

 「ミニトマトができるから」

 「は?」

 「脇芽も苗になります。」

 「そうなのか!?」

 「ミニトマトはそれができる。」

 「それはいいな。1本あったらかなり収穫できるってことだろ?」

 「それはそうだけど、トマトは肥料食いだからね。何度か肥料を補充してやらないと」

 「そうなのか、肥料って厠の土なのはわかったが…どのくらい播けばいい?」

 「ん~その、本体というか肥しの部分なら1か所の土が木箱20個分くらいあるみたいだから…


 川側の土地は、2区画だと思ったら4区画だった。すでに統合されていたので柵が2区画になっていただけだったのだ。1440aが2面と60aと50aがあるので合わせて1550aになる。1.5haの追加になるので、十分に広い。人力では無理があったのだ。

 このままシドが来なければ適当に耕して、雑に蒔き収穫するしかないかと思っていた。


 隆二のスキルでは、丸ごとの収穫はできるけど実だけというのはできない。根こそぎでいい作物などほとんどないので、インベントリ収納では無理なのだ。


 今は作物がないから何を作っても売れるだろうけど、できるなら腹に溜まる物がいいだろう。だから芋、薩摩芋に南瓜を多めにしていた。

 小麦を播けない以上はこれしかない。

 米も考えたが、栽培セットの必要MPが多いので大量に仕入れるのは難しい。米は買い、今育てている物を種籾にして増やしていく方が現実的だった。

 それ以上の土地には、鳥のエサとして売られている雑穀を蒔いた。

 雑穀でも、何か使い道はあるだろう。


 

 さつまいもとじゃがいもは多めに買い、芽が出るように温かい場所へ放置している。2週間もあれば、植えられるようになるだろう。さつまいもは弦を取り水に浸けて根を出すのに少し時間がかかる。

 できるようなら、新たに60aを耕してもいいだろう。

 



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