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「体調がよくないときに無理に来ないように。朝、腹痛や下痢、発熱がないか確認する。黙って作業に入ったらその期間に作ったものを捨てねばならなくなる。」
「ひっ」
「そうなった場合、それらの弁済をしてもらうので必ず休むこと。休む時には理由も含めて近所の人にお願いをして、こちらに知らせてください。」
「はい、わかりました。」
「無断欠席が続いたら、そのまま解雇します。ロッカーに入っているものも処分します。知らせてくれていた場合は猶予します。体調が戻った時に来てくれればよいでしょう。」
「はい」
「では、作業の分担の見方の説明をします。この板を張っている下がその仕事をする人です。この板の仕事は、クラゲを切り分けて枠に入れていきます。それが終わったら、包丁とまな板を洗い、台の拭き掃除をします。」
「こちらの作業は、朝はまず水樽に井戸水を汲みます。水樽は手洗い場と流し、それから外の入り口の3か所です。常に水樽2つ分ずつの予備があるようにしましょう。それが終わったら、出来上がった枠を2階へ運び台に乗せます。それも終わったら部屋の窓をこのように閉めてから鍵を閉めます。もうひとつの部屋の鍵をあけて広げてある台の枠を棚へ入れます。次の日の準備です。こちらは2人いればいいでしょう。」
「はい」
「次にこちらの作業ですが…こちらは前の日の服と鍵を持って川へ行きます。川には小屋がありそこに桶と脱水機があるのでそれらを出して、洗濯をして戻ってきてから庭に干します。それから乾くまでの間は料理をしてもらいます。皆で食べる昼食を作ってもらいます。出来上がったら休憩して、みんなで食事をします。休憩を終えたら二階へ行き、乾いたものを粉にしてもらいます。粉にするものは箱に入れてあるものを使います。」
「はい!あの…昼食ってなんですか?」
「はい。昼に食事をすることです。簡単に作れる物を用意します。」
ものすごい歓声が上がり、隆二は驚いた。
「それと、役目はありますが、人間見落としなどありますから、いつでもここが美しいままになるように、皆さんで協力して掃除などしてください。」
「はい!」
「あのっ」
「はい。なんでしょうか?」
「お給料からその昼食代はひかれますか?」
「引きません。お給料は別です。帰る時に小銀貨3枚をお渡しします。」
わっと歓声が沸く。
「帰るときに、服を着替えてもらいます。脱いだ服はかごへ入れること。できるだけこまめに水浴びを行うようにしてください。体を清潔に保つことは大切です。」
「はい」
「あのっ旦那様があの枯れ死病の時のバーを売っているなら、買って帰ることはできますか?」
「私もっ、粥やスープなど買って帰ることはできますか?」
「皆さん、ここで買いたいのですか?屋台街へ行けば買えますよ。」
「できるなら、ここで買えたら助かります。」
「ギルドは朝早くから並んでも買えるかどうかです。」
「なるほどわかりました。では、毎日は難しいですが毎週金曜日に用意しましょう。」
大歓声になった。
「ロッカーはどこを使ってもいいですが、固定です。ロッカーのカギは足首に巻きましょう。こちらにもゴムをつけてあります。2か所通せば邪魔にはなりません。」
「はい」
「今日は、お昼ご飯を食べ終えたら、着替えをして皆さんで洗濯に向かいます。今日は全員で行って小屋の場所などを覚えましょう。」
隆二は、インベントリから取り出した鍋を火にかけていたので、それを皆に食べてもらう。卵入りの薄い雑炊だった。
隆二は初日の終わり、女性たちにせがまれてカスタードバーや押し麦などある程度日持ちする食料を売り、手が出ないだろうけど生きていくのに必要な塩…スライム塩を紅茶のパックの空袋に入れて配布した。
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