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隆二は、町中に1軒の家を借りた。
1階は土間で台所があり、2階は板張りで2部屋あった。
すぐに隆二は改築を依頼し、1階も竈周りを除いて板張りにしてもらう。そのため床面が30㎝上がった。
隆二は農作業を行ってから、30分ほどかけてスライムの核抜きをした。スライムにかぶせる箱にも工夫が施され、刺さった核を抜きやすいように針の根本に板がついた。それを押し下げると核が抜けるので、使用前にまた根本へと戻すのだ。
木箱を増やした結果、毎日100匹ほどの水色スライムまたは青色スライムを使えるようになっていた。
混乱しないように、干すための枠に色を付けることにした。
女性を10人ほど雇い、その取りまとめをシアンに頼んだ。
最初は隆二も一緒にその家、工場へと通うことにする。
工場へ行くと、建物の前に女性たちが集まっていた。
相変わらず骨に近い細さの女性ばかりだ。
「みなさん初めまして、隆二です。これから建物を案内するので、ここの樽の水で手を洗ってください。」
手を水洗いしてから玄関を入ってもらう。
すぐ脇にある小部屋へ入ってもらった。
「ここがロッカールームです。鍵のついたロッカーを人数分用意しました。模様がついていて鍵にも同じ模様がついています。ここで着替えをしてもらうことになりますが、狭いので外へ戻りましょう。」
ガヤガヤとロッカーを見て鍵と扉の模様を見てうなずいていた。
外に出ると、女性たちに髪ゴムを配った。
「いいですか、これで髪を結わえてください。使い方を見せるのでおひとり前へ来てください。」
ガリガリの女性たちの中から1人の少女が出てきた。
「椅子に座ってください。髪を梳かしますよ。」
普段手櫛なのだろう。櫛を通すと引っかかるが、なんとか梳かした。櫛でまとめて1本にすると根本にゴムをかけて縛りそのあとで髪を折りたたんでゴムで縛る。
「こんな風に髪をまとめてください。櫛はお一人ずつ渡しますが、持ち帰らずここで使うだけにしてください。」
女性たちから笑い声が起きる。
ロティに忠告されたおかげで助かった。男性が女性に櫛を送るというのは、プロポーズになるらしい。なので、ここで使うためのものだと強調するのが大事らしい。
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