101 お風呂
ヒロとロロナが起き上がれるようになって3日目、隆二は盥に水を入れて電子レンジスキルで温めていた。
今まで沸かすことばかり考えていたが、電子レンジスキルで温められると気が付いたのだ。
リビングで行っているが、下は土間なので構わないだろう。
「ヒロさん、ロロナさん、準備ができたからこっちにおいで」
二人に服を脱がせて、盥に入ってもらう。
あばら骨が浮いていて、見ていられないからだをしていた。
60cm程度の大きさで深さは40㎝ほどしかない。半分までぬるめの湯を入れてある。それを2つ用意してある。もう一つは少し熱めだ。
「ここに浸かってごらん。」
「うん」
「うわぁ、温かい。」
「水浴びは体力がいるからね。今日は風呂にした。しっかり温まりなさい。」
二人が湯につかっている間に、隆二は空の桶を4つ置いた。それからベッドの板を拭いて、Tシャツと下着を用意した。
「少し湯を抜くぞ。」
隆二は、桶に盥から湯を抜き腰ほどまで減らした。
「まずはロロナさんからだ。今から石鹸で体をゴシゴシと洗うぞ。」
「うん」
隆二は、ロロナの手足、背中と洗うと前と下は自分で洗うように教えた。
「頭を洗うぞ、目に入ったら痛いから目を閉じていなさい。いいというまで我慢できるかな?」
「うん、わかった。」
「よし、今から湯をかけるから口を閉じて鼻をつまもうか。」
ロロナが言われた通りにするのを待って、隆二は湯をかけた。石鹸を洗い流した。
「ロロナさん、目をあけていいよ」
「うん」
「よし、きれいになったな。向こうの盥に入って温まったら、出ていいよ。そこにタオルがあるからそれで拭きなさい。」
「うん」
ロロナが終わるとヒロの背中や腕も同じように洗う。
照れくさそうなのは、洗ってもらった経験がないのか年頃だからか?スポンジを渡して前と下を洗うように言うと、教えた通りにやるからかわいい。
頭も同じように洗ってから湯で流した。
ヒロもロロナの入っている盥で温まってもらう。
自分から上がる気配はない。
「ロロナさん、もう上がろうね。」
立ち上がらせて頭を拭くとざっくりと体を拭いた。抱き上げて足も拭くと、抱き上げてベッドへと連れていく。
「ロロナさん、着替えを用意しておいたから着なさい。着替えたらこのサンダルを履いてテーブルにおいで。」
「うん」
ヒロのところへ戻る。ヒロには盥の横へサンダルを置いた。
「これは家の中で履くといい。」
「うん、すごいかっこいい。」
「ヒロさんもベッドに服を用意してあるから、着替えておいで。」
「うん、わかった。」
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