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10 誠実

 隆二は、水浴びをしてさっぱりとした後、またもやピタT1枚になっていた。洗濯物は枝に掛けられ、風にそよいでいる。

 一息ついて、スマホを開いた。結構収納したはずだ。

 インベントリの「木」のフォルダを開いてみると、木のアイコンがいくつも並んでいた。


 「ん?」

 

 アイコンをタップすると、『杉⑧』と表示された。

 

 「おぉ?」


 次々とタップしていくと『檜⑨』『ポプラ⑤』『りゅうの木①』『春木②』『夏木①』『冬木①』『じょうの木』と表示された。全部で28本もの木を収納していたらしい。この穴を埋めたのだから、それは広場もかなり削られるだろう。

 収納した木を出してみると、根が複雑に絡んだ状態だったり、広がったりと様々だった。杉とヒノキ、それにポプラの木の3種類が多くを占めていた。

 それにしても、季節の名前の木は珍しいな…秋がないが秋もあるのだろうか?


 「草」フォルダも見てみると、草も20種類以上の多岐に渡っていたので、植えなおした草と見比べてすべてあることは確認した。


 それとは別に、木々の近くに大きな葉を見つけたので数枚を採取しインベントリへ入れていた。アイコンから当たりをつけて『バナの葉③』を1枚取り出すと、思った通りの物だった。

 バナの葉というものらしく、横幅30㎝ほどもある楕円形の葉だった。なんとなく軽くタップした。


 『バナの葉:鮮度優②、バナの葉は、食品を包む。肉は3日ほど食べられる状態を維持できる。』

 「おぉ!?」

 

 説明が出てきた。しかも、鮮度もわかるのか。鑑定がないと思っていたが、インベントリに入れれば簡単でも鑑定のようなことができる。これはかなり使えるし、生存率も上がるのでは?

 隆二は、アイコンを一つずつ開いて、内容を確認していった。

 

 そうしていると、ふと『箱』に入れた物の説明は気が付かなかっただけだろうか?という疑問が浮かび上がった。


 マイスマホを開いて、見てみる。


 『コンテナ』


 というのは変わらない。

 『コンテナ(誠実)』と『アイスボックス(誠実)②』が増えていた。

 誠実?と思ったが、あのりんごの事だろう。

 あのりんごは誠実というのか?読み方は、「せいじつ」だろうか?それとも、「まことのみ」だろうか?

 よくわからないが、「まことのみ」ということにしておこう。

 

 まことのみをタップすると『まことのみの入ったコンテナ』という説明が出てきた。

 うん、知っているよ。聞きたいのはそこじゃない。

 

 スナックや乾き物の入ったコンテナを『箱』から取り出した。

 スマホの『インベントリ』を閉じてから、スマートウォッチの『インベントリ』を開いた。

 

 「リリー、「菓子・ツマミ」のフォルダを作って」

 『かしこまりましたにゃん♪』

 「リリー、「菓子・ツマミ」のフォルダにこのコンテナの中身を入れて」

 

 コンテナの中身が光を帯びた。

 

 『これを入れていいのかにゃ?』

 「YES」

『かしこまりましたにゃん♪』


 『インベントリ』はMPを消費しないが、『箱』は取り出しの都度、MPを消費する。それなら、痛みやすい物以外はインベントリに入れたほうがいいだろう。

 

 次に、『箱』を開いて『アイスボックス(誠実)』を2つとも取り出し、今空いたばかりのコンテナに入れなおして収納すると『コンテナ(誠実)②』になった。

 入りきれなかった誠実が7つほど目の前に残っている。

 それらを『インベントリ』へ入れ、説明を開いた。


 『誠実:鮮度優⑦、誠なる木になる実。転移者が食すと、言語能力4種取得可。アオマッペが食すと採取者の言語に対する読解能力を得る、〇▽●◇□●▲〇。転移者は言語取得後に7回まで、アオマッペは3回までに限り完全回復する。』


 りんごじゃないのは名前で分かっていたが、気軽に使っていいものではなさそうだ。

 アオマッペ?どういう意味か分からないが…転移者との対であるなら、この世界の人ということだろうか?

 〇▽●◇□●▲〇が読み取れないので、怖い気もする。


 転移者の言語能力4種取得可も気になる。

 隆二は、マイスマホの『評価』を開いた。

 

 いつもHPとMPしか気にしていなかったので、改めてすべてを確認した。

 


名前 加藤 隆二

 年齢  28(18)

 性別  男

 HP  1423/1500

 MP  4350/5000

 言語  異世界言語(聞く)、異世界言語(話す)、異世界言語(読む)

 家族   ---

 スキル マイスマホ、コンビニ(宅配・車・スマホ)、電子レンジ

 称号  世界を渡りし者



 「おぉ!」

 

 異世界言語が3種増えている。これで、ここの人たちとの会話はできるし、読むこともできるのか。書くことはできないようだから、もう一つ食べると得られるのか?

 隆二は、誠実を1個取り出して食べてからもう一度確認した。




名前 加藤 隆二

 年齢  28(18)

 性別  男

 HP  1423/1500

 MP  4350/5000

 言語  異世界言語(聞く)、異世界言語(話す)、異世界言語(読む)、異世界言語(書く)

 家族   ---

 スキル マイスマホ、コンビニ(宅配・車・スマホ)、電子レンジ

 称号  世界を渡りし者



 「よし」


 無事に異世界言語(書く)も取得できた。

 この後は、7回まで完全回復してくれるという。つまり…腹がすいたからと食べてはいけないらしい。仕方がないから取っておくことにしよう。


 隆二は、『インベントリ』に入れていた誠実を取り出して『箱』へ移した。


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