表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/12

第4話 干渉者(インターフェア)

NULLの存在は、空の中で徐々に“孤独な力”ではなくなっていく。


そして、姿を見せ始めた“もう一人”──

世界は静かに変わり始めていた。


翌朝。

登校途中の白河空は、ふと背中に寒気を覚えた。


振り向く。誰もいない。だが、その“無”が、妙に気になる。


(まただ……最近、誰かに見られてるような感覚が消えない)


学校に着いても、空の違和感は晴れなかった。


クラスでは、女子の間である噂が広まっていた。


「また、スマホに変な通知きたんだよね」

「“消したい人はいるか?”って。なにあれ、ホラーすぎ」


空の胸が強く脈打った。


(まさか……俺以外に、NULLのことを知っている人間が?)


昼休み。空のスマホにも通知が届く。差出人不明。本文なし。


表示されたのは、ただ一文。


【次は、君の番だ】


空気が変わる。教室の音が遠のいていく。

背筋に汗が伝い、喉が詰まる。


ふと、教室の後方に視線を感じた。


そこに、見慣れない生徒が立っていた。


黒髪、無表情。誰とも話していない。


だが──空と目が合った瞬間、そいつは微笑んだ。


ゆっくりと、右手を上げる。


そこには、空と同じ黒い指輪があった。


放課後。空は、その生徒がひとりで昇降口に向かうのを確認し、後を追った。


校舎の裏手。人気のない場所で、ついに言葉をかける。


「……お前、誰だ」


男は振り向かず、ただ言った。


「俺は、先に“NULL”を知っていた。ただ、それだけだよ」


空は警戒しながら、足を止める。


「なんの目的でこの力を使ってる」


「君と違って、俺には消したいやつがたくさんいる」


男はそう言って笑い、ポケットから何かを取り出した。


携帯。画面には、次に消すべきターゲットの名前が浮かんでいた。


そこには──


【白河 空】


空の指がわずかに震えた。


男は一歩だけ前に出て、囁くように言った。


「君は、今日、存在しなくなる」


空の前に現れた、もう一人の指輪保持者


NULLを力として使いこなす彼の目的は、空を“世界から消す”ことだった。


次回、第5話「NULL対NULL」。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ