-Epilogue-
松岡千秋です。
よろしくお願い致します。
-Epilogue-
「クイーン、私だ。」
「あら、遅かったわね?
……少し痩せたんじゃない?」
「声だけでわかるのか?」
「私と貴方の仲でしょ?さすがにわかるわよ。
……で?いまはどこに?」
「それはまだ秘密にしておこう。
それより、日本は……」
「ええ、どこも大変よ。まんまとしてやられた。
……でも悪い事ばかりじゃないわ。
私が"癇癪"を起こす手間が省けたもの。」
「ふむ、やはり君のご機嫌はちゃんと取っておいた方がよさそうだ。」
「失礼ね?貴方にはそんな"気"は起こさないわ。」
「君はやはり……いや、言うのは野暮か。」
「そうでもないわ。若い世代にあやかるのも年寄りの特権よ。」
「それについては言葉を伏せよう。」
「私、クイーンは……
形の無い、正義の為に。」
「形の無い正義、か。
無形だからこそ、とは?」
「そんなこと、思わないわね。
……私はいつまでも「檻の中の女王」でいるつもりはないの。
カイコの言うように、一国の正しさの為に生きるのも悪くないわ。
でもね?私は"日本だけ"を正しく導こうとは思わないの。
日本は、世界は、人類は。大戦を機に道しるべを失った。
……生まれたばかりの赤ん坊も同然にね。」
「ふむ……」
「例え憎まれようとも、子供の為に尽くすのが親の役目でしょ?」
「世界の母、か。
冗談でないなら君の冠した名に相応しい強欲さだ。」
「今更ね。正しさの為ならシツケだってするわ。
人は"過ち"を糧に生きていくんだから。
……彼らの言った自由は滅びた。
同意は出来なかったけど理解はした。
今のままでは、終末時計はまた進んでしまう。」
「進んでヴィランを演じると?誰にも知られずに?
……理由のない悪なんてまるでグリム童話だ。」
「あら、お似合いでしょ?だって私は女王だもの。
少しくらい傲慢なくらいがちょうどいいんじゃなくて?」
「ふむ、君には敵わないな。
カイコは一国の敵だが、君は世界の敵だ。
……進む道が容易じゃないことは?」
「愚問ね。それに童話なんて優しいものじゃないわ。」
「ああ、そうだったね。」
「私たちのチームは"死神"なんだから。」
「平等なのは"死"だけ、か。」
「いやね、私なりの皮肉よ。
……人が正しく生きることこそ、平等に与えられるべきなの。」
「死だけでなく、生も平等に……」
「正しく生きるには辛いわね。」
「お互いにな。」
「……こうして連絡をしてきたということは、任せていいのね?」
「ああ、そういうことだ。」
「よろしくお願いね?
……白ウサギさん。」
-END-
『蚕は金糸を編む』はこちらで完結となります。
読んで頂いた方はありがとうございました。
気が向けば続きを書いていきたいと思います。
ありがとうございました。




