表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

世界の匂い

作者: 生姜寧也

 政府がもうマスクしなくても良いよって。

 じゃあ外してみようかなって。



 外してみたら、世の中には沢山の匂いで溢れかえってたのを思い出した。



 雨の日のアスファルト。

 人工物なのにどこか自然の匂いがして。

 工事の時のドロドロの状態はクサいけど、雨に濡れると良い匂い。

 年経れば、自然は人が作った物まで抱擁してしまう。懐の広さ。



 夜中に通る公園の樹木。

 寝息ですらあんなにも瑞々しい。

 肺の中ぜんぶに満たしたくなる。 

 特にこの時期は、生命を謳歌できる夏を待つ、濃厚な新緑の匂い。

 人間で言うと16歳くらい?



 昼間の繁華街。

 カレー屋、ラーメン屋、牛丼屋。

 マスク越しより遙かに濃厚な飽食への誘い。

 忘れてた。コロナの前は、昼休みにノープランで街に出て鼻に聞いてみるとか。

 飯食ったハズなのに、クレープ屋の前を通ったら匂いに釣られてとか。

 そんなことやってたっけ。



 じゃあ今度は夜の繁華街。

 すれちがう水商売のお姉ちゃん、お兄ちゃん。

 あんなに香水すごかったっけ?

 毎日あれだけつけてたら、それだけでメッチャお金かかりそう。

 大変だね。



 耐え難いのは駅のトイレ。

 小便器から外れて爺さんが撒き散らす黄色い液体。

 もはや全弾はずれてね? なんでそんなことになるの?

 アンモニア臭は可愛い方で、朝の通勤時間帯は個室の全てからアビスの香り。

 流石にマスクつけたよね。

 四年くらい前までこれを我慢できてた自分、すごくない?



 嫌な匂いも良い匂いも。

 とにかく久しく忘れてた。

 五感ぜんぶで、制限なしに感じる世界は。

 自然は良い匂いが多くて、

 人間は大体クサかった。


 

なろうを始める際、なるべくジャンルの食わず嫌いをせず、色々書いてみようと決めていたので、今回不慣れながら挑戦してみました。詩は生まれて初めて書いたので、巧拙はおろか、これが詩と呼んで良い物になっているかどうかも分からないですけど。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ