72話
はっ?今妖精って言われた気がする。
~ガイア「えっと、今妖精女王って言いました?」
~ラフレシア(はい、ラフレシアと申します。)
~ガイア「何で妖精女王様が?」
~ライガ「自分が助けといて知らないとか、どんだけだよ。」
~ガイア「声に導かれただけだからなー。」
~ラフレシア(その声は私です。私は世界樹と一体化していましたので、あと少しで、一緒に枯れていました。)
~ガイア「ええーーーー!そんなことになってたんですか?」
~ラフレシア(はい、世界樹が枯れるのを防ぐために、私の魔力を注いで癒しも行っていたんですが、全然追い付きませんでした。それで最終手段として、私自身を捧げたのです。)
~ガイア「一歩間違えば死んでいたかもしれないのに?」
~ラフレシア(それでも、妖精を守るためには必要なことでした。)
~ガイア「じゃあ、俺からは言うことは無いです。」
~ラフレシア(改めて、お礼を言わせてください。ありがとうございました。)
~ガイア「やれることをしただけなので。お礼は結構です。」
~ハロルド「ガイアは、もしかして怒ってるのか?」
~ガイア「そうかもしれない、俺からしてみれば生け贄を捧げて延命使用としたって事はわかるだが、生け贄自体が俺には理解も出来ないし納得も出来ない!」
~ラフレシア(、、、そうですよね。でも、妖精は、世界樹より生まれる存在、その母なる世界樹が枯れてしまったら滅びるしか無かったんです。)
~ガイア「そちらの事情もあるでしょう。でも、それで生かされても、って俺が言ってもしょうがないですね。まあ、運良く生きてるんですから」
~ライガ「なんか、何時もより冷たいな。」
~ガイア「そんなことはないと思うが、こればかりは気持ちの問題だな。」
~ハロルド「なんにせよ、ガイアが目覚めたのなら旅を続けるんだろ?」
~ガイア「勿論、その為に頑張ってきたんだから。」
~ライガ「ん?寝てただけだろ?」
~ガイア「いや?天界に行ってたよ?」
~ライガ、ハロルド「「はーーーーーー?」」
~ガイア「いや、何か思ったより力を使いすぎてしまったんだって、だからそれを補う為にちょっと修行してきた。」
~ライガ「へーって言うと思ってるの!言うわけないじゃん、何してんの、力を使いすぎたって、やっぱり危ないことしたんじゃないか!」
~ガイア「俺もこんなことになるとは思わなかったんだよ?だから不可抗力じゃないかな?」
~ハロルド「普通は途中でやめると思うぞ?力を使いきるなんて怖いことはしない!」
~ガイア「えっと、俺の見方誰もいないじゃないか!」
~ライガ「日頃の行いだね。」
~ガイア「そうですね、悪かったよ。」
~ハロルド「やけに素直だな。」
~ライガ「何か裏がありそう。」
~ガイア「今回はしっかり反省してるよ?それに魔法も勉強してきたし。」
~ライガ「へーーーーー。」
まだまだ、ライガはご立腹のようだな。何とか機嫌が直るといいなー。と現実逃避したくなる。
~ハロルド「今回は、甘んじて怒られるんだな。」
とハロルドにも言われてしまった。
~ガイア「そう言えばここって、世界樹があった所じゃないよな?何処なんだ?」
~ラフレシア(ここは世界樹の結界内にある妖精国です。外の世界からは見えない結界が張ってあります。)
~ライガ「話を逸らしたな!」
~ガイア「どこか知りたかったんだよ?」
~ハロルド「それにしても、体調は大事ないのか?」
~ガイア「もう大丈夫だよ。いつでも旅に出れるから。」
~ライガ「じゃあもう出発するのか?」
~ガイア「そうだな、特にここに居なきゃ行けない理由無いし!」
~ラフレシア(えっ!もう少しゆっくりしていただいても構わないですよ。)
~ハロルド「まあ、起きたばかりだし。もう少しゆっくりしてもいいんじゃないか?」
~ラフレシア(そうですよ、恩人を直ぐに返したら妖精たちに怒られます。)
~ガイア「うーん、俺としては、早めに出たいな。」
~ラフレシア(あの、まだ怒っておられるのですか?)
~ガイア「考え方の違いだと思いますよ?まだこの世界に来て間もないですし。そんなに気にしないで下さい。」
~ラフレシア(そうですか、もし、次に訪れる時には、もう少し仲良くなれたらいいと思ってます。)
~ガイア「そうですね。出会いが悪かったかもしれないですね。」
~ラフレシア(次にここに来てくれる時には沢山の仲間が生まれているでしょう。なので是非また、こちらにいらして下さい。)
~ガイア「そうですね。いつかまた、その時には笑って話せるようにしますね。」
~ラフレシア(はい。)
冷たいな、と自分でも思ってしまうが、生け贄は、どうあっても受け入れることが出来ないし、それしか方法がなかったのだろうともわかっているが、それでも、気持ちが受け入れられないのだった。
それは、残されたものがどんな気持ちで過ごしていくか、自分の事を重ねてしまっているかもしれない。
俺の両親は、幼いときに車の事故で2人とも亡くなっているからだ。しかもその事故で両親は、俺を守るために、亡くなっている。そんな両親を思うと、世界樹が母と言うなら子供にそんなことして欲しいと、思うわけがないと思ってしまったのだ。
そんなことを伝える気はないが、どうか、気がついて欲しいと思ってしまう、残されたものの気持ちを。
この世界の仕組みを知らない俺が言っても説得力何てないだろうがな。
こうして、目覚めて早々に妖精国を出ることになった。




