7話
部屋まで戻ると、狭い部屋なのでベットが2つと椅子が2つしか無いので1脚椅子を借りてきた。
「で、何ですか?改めてお話なんて?」
「いやー、魔力測定や属性鑑定の時、ギルドマスターの態度が悪かったので、もしかしたら、ギルドにもうこられないかと?思いまして!」
ライガを見て、俺そんなに態度に出てた?と顔をした?、うんうん、とうなずいていた。わー、バレバレだったのかと恥ずかしくなったが、俺は悪くないと思うと思い直した。
「それだけで、ここに見えたんですか?」
「それもありましたが、今日買取り屋に行かれましたよね?」
と聞かれて、はい、行きましたが?
「実はですね、その魔石に関することなんですが、沢山魔石を卸されたと聞きまして、魔石を回収のクエストを受けて頂けないかなと思ってたんですが、今日ギルドに顔を出して頂けていたら、そのお話をしたかったんですが、こられなかったので、もしかしたら避けているのかな?と思ったのです。」
「はあ、それはご苦労様です。ですが、クエストは、受ける受けないは、こっちの自由ですよね?」
「ええ、勿論です。ですが登録されてすぐは、ある程度クエストを受けて昇格しないと、カードが無効になってしまうんですよ。」
チラッとライガを見ると、ごめん、忘れてた。
「えっと、どうしたらいいんですかね?」
「取り敢えず、クエストを受けて頂いた方が良いと言うことと、ギルドマスターのことは気にしないでください!あなたに関わらせませんので!」
「え!そんなこと出来るんですか?」
「ええ、私こう見えても副ギルドマスターなんですよ。」
「ええー!何で受付なんてやってるんですか!」
「いやー、新人でいい人がいないか見る為なのもあるんです。」
「ああー!それは、納得です。」
「で、どうされますか?私としてはガイアさんなら、魔石クエスト行けると思うんですけど。」
「まぁ、受けなくてはいけないんですよね?じゃあやります。」
「ありがとうございます。こちらとしても魔石がとれなくて全然片付かない案件だったんです。なので、クエストを受けていただけるならランクアップの対象とさせていただきます。」
「ちなみに、ギルドのランクってどんな感じなんでしょう?」
「ああ、すみませんでした。そちらの説明も出来ていなかったので、説明させて頂きます。まずランクですが登録した方は、青銅、銅、鋼、鉄、シルバー、ゴールド、白銀の順となっています。青銅と銅の冒険者は、2ヶ月間、定期的にクエストを受けないと、やり直しになってしまうんです。」
「ガイアさんは、今青銅ランクなので、このクエストを受けていただけると言うことなので、クエスト終了出来たら鋼ランクになっていただけます。」
「それは、破格の対応ですよね、いいんですかね?」
「ええ、今回はギルドの不手際になりますので、これを謝罪として受け取っていただけると、ありがたいです。」
「わかりました、こちらこそ、大人げなくてすみませんでした。」
「いえいえ、あのギルドマスターが言葉が悪いのがいけないんです。不快な思いをさせてしまいすみません。」
ライガが「クエストの内容ですが、なんの魔石でもいいんですか?」と質問した。
「ええ、ですが、特殊依頼なので、大きめの魔石が必要なんです。」
すると、ライガをチラッと見て、耳打ちしてみた、あの魔石っていいのか?出しても?すると返事がわからん!と反ってきた。
おいー!まぁ一緒に出せば問題ないだろうと、考えて、今は出さないことにした。
「魔石ってどれぐらいの量が要るんですか?」
「個数は、多ければと言うことだったので20個とさせて頂きます。成功報酬は、魔石に応じて変わるので、今はまだ、伝えられないですが、かなりの高額クエストになっていると思います。」
「期限は、どれぐらいですかね?」
「量が多いので2週間で、行けそうですかね?」
「大丈夫だと思います。」
「では、明日ギルドに来ていただいて、クエストを受ける手続きをして頂きたいのですが、あ、勿論ギルマスには部屋にこもって頂きますので!」
「ありがたいです。では、朝伺います。」
では、明日ギルドにて、これにて失礼させて頂きます。とサブマスターは、帰っていった。
「いやー俺そんなにバレバレだったのか?」「まあ、顔に出てるからね。」と、取り敢えず晩飯を食べることにしたので、食堂に移動した。
あのー、まだ食事大丈夫ですかね?、はい、お話をされる前にお客様から、遅くなっても食事を出してほしいと、お願いされてましたので、ご用意出来ます。うわー、すごい人だなサブマスターは。と改めて思った。美味しく食事も食べられたし、明日早めにギルドに顔を出そうと誓った。
ライガは、どうするんだ?魔石取りに行くっていっても危険だと思うが?俺は邪魔になりたくないから、取り敢えず町で待ってるよ。と言っていた。それなら結構遠出して魔石集めてくるかな?と決めた。明日も早いから早く寝ようと言うことになったのでさっとクリーンを自分にかけて風呂は、諦めた。
朝、ちゃんと早起きして、朝食を早めに食べギルドへと向かった。
ギルドの中に入ると、入り口でサブマスターさんが待っていた。
「おはようございます。朝早く来ていただいてありがとうございます。では、こちらへどうぞ。」
「おはようございます。宜しくお願いします。」
「では、早速ですが、こちらの用紙を読んでいただきたいです。こちらに、クエストに関しての契約と署名を頂きたいので、わからないことがありましたら、仰ってください。」
「はい、では、読ませていただきます。」
契約内容は、魔石を大きめのものを至急20個用意する事、大きくなくても20個集めてこればクエスト成功とする。と書いてある。
「あのー、期限2週間っていってませんでしたか?」
「ああ、それは気にしないでください。無理な要求はギルドがきちんと処理しますので。」
「はあ、じゃあ、署名しますね。」
ガイアと記入をすると契約書が光って筒状になった。
「これ魔法ですか?」
「魔法と言われればそうですね。」
「契約の魔法がこの書類に直接かけてあるんです。」
「へー、そんなこともできるんですね。」
では、以上で、手続きは終了しました。ご足労ありがとうございます。
いえいえ、こちらこそ、ではなるべく早く持ってきますね。とギルドをあとにした。
そのとき、サブギルドマスターは、そんなに軽く持ってこれるんでしょうか?まあ、私の勘に狂いは無いでしょう。と囁いていた。
そして、町に戻ったガイアとライガはクエストに必要そうなものを買おうと思っていた。ガイアは食事関係を見に行こうと、ライガはアイテムを見に行こうと早めに別れたため広場で待ち合わせになった。
side_ガイア
うーん、すぐに戻ってこれないときの為に、ご飯は多めに持っておきたいな。といいながら食材を見に市場に向かった。
おおー、市場になると活気があるな。なんか出来てるもん売ってないかな?キョロキョロしながら歩いていると、ドン!と腰辺りに衝撃があった。ぶつかってたおれた子供が体当たりをしてきたようだ。
「おい、あんた!そいつ捕まえてくれ!」
「え!俺?そいつってこいつか?」
「ああ、そいつ俺の店のもん盗みやがったんだ。」
子供の横に落ちている果物らしきものが2.3個散らばっている。
「おい、お前がとったのか?」と子供に声をかけると、キッ!と睨み付けて逃げたそうとして俺に腕を捕まれ断念した。
うーん明らかに痩せ細った子供を見て手を緩めてほら、逃げろと小声で言ったら、はっ!て顔をされたが逃げることにしたようだ。ダッシュで、子供が逃げていったのを見て。
「兄さん何でちゃんと捕まえてくれなかったんだ!」
「そんなこと言われてもこっちも被害者だぞ!」ぶつかられて、いきなり捕まえろって言われても無理だろう?と主張したら。
「そう?だよな、すまなかった。毎回ああいう子供が盗みにくるんだよ!」
「それは、大変かも知れないが、相手は子供だろう?」
「子供だろうが商売邪魔され、物盗ったら犯罪だろう!」
そうだな、まぁ今回は被害なくてよかったじゃないかと果物を手渡した。
ああ、すまんな。だがこれじゃあ品物としては価値が無いな。なら、俺が買い取るよ。と言うと、いいのかい?悪いねー!と笑顔になった。まあ、困ったときはお互い様だから。と軽く挨拶をしてお別れした。
さてと、何処に行ったちびっ子は!まぁ魔法で探せるんだけどね。といい笑顔でサーチの魔法を使った。やっぱりスラムっぽいものがあるのかな?と思いながら、ちびっ子がいるであろう場所に向かった。
町の外れに近づくにつれて建物が減り、人も少なくなってきた。
一軒?と言えるかわからないぐらいの建物の中にちびっ子は居るみたいだな!よーし!「お邪魔しまーす!」と元気よく扉を開けた!
「うわー!何だよ!何でここがわかった?」
「何でって?それを答える義務は無いな。」
「何だよ、俺のこと逃がしたくせに!結局、捕まえに来たのか!」
「いや?捕まえるつもりはないぞ?」
「はっ!じゃあ何でここにいるんだ!」と後ろにいるさらに小さな子をかばっている。
俺がその子に目を向けると、「な、何で妹を見るんだ!何処にもつれていかせないぞ!」
と、お兄ちゃんが頑張って妹を守るなんて、俺が悪者か?まぁ、そう見えるわな!
「そんなつもりは無い!それより、その子、病気か?」
「っ!本当だったら、栄養のある果物を食べさせてやりたかったんだ!」
「ああ、俺はそれを持ってきてやったんだぞ?」
「はっ!何で!」
「腹減ってるのかと思ってな。」
「施しならいらない!」
「なぜ、俺が知らんやつに施さなければならないんだ?落としたものだから持ってきただけだ!」
「本当は盗んだものって知ってるんだろ?」
「ああ、知ってるぞ!」「じゃあ何で!」
「何で盗まなきゃ行けなかったのか、ちゃんと理由があったんだろ?なら俺はこれを落としたものとして、届けただけだ!」
するとちびっ子が涙を流していた。「あ、ありがとう。」果物を受けとると、すぐに妹に、すぐ兄ちゃんが剥いてやるからな、と声をかけ、果物を妹に食べさせようとしていた。
「おい、すりつぶして食べやすくしてやれ。その方が食べやすいだろうから。」
するとちびっ子は、スプーンを使い果物潰していたが、なかなか潰れなかったようだ。「ほれ、貸してみろ?潰してやる。」
と果物を受け取り魔法で、すりつぶしてみた。それをちびっ子に返し妹に与えているなか、俺は妹に鑑定をかけてみた。すると、衰弱、栄養失調、肺炎、と出ていた。これはヤバイだろう!取り敢えずヒールをかけて様子を見ようとしたんだが、発動と共に子供が光に包まれた。すると妹が「あれ?兄ちゃん?私体が楽になった。」といって起き上がった。「はっ!起きて大丈夫なのか?」
「うん、何か苦しくなくなったの!」
すると、ちびっ子が妹を抱き締めて泣き崩れた。よかった、よかった。って繰り返していた。
「お兄ちゃん、お兄ちゃんが治してくれたの?」
「いや?俺はなにもしてないぞ?そこのちびっ子が頑張って、果物を食べさせたからだろ?」
「いや、さすがに俺でも気がつく、ありがとう、そして迷惑かけてごめんなさい。」
そういって謝ってきた子供を前に何も言うことなんか無い、優しく頭を撫でて、妹を守るなんて偉いぞって声をかけた。
すると、照れたのか手を弾いて、妹をなんだから、当たり前だろ!って言い切った。いいお兄ちゃんだ!
「じゃあ、俺の用事は終わったからまたな!」
「え、ちょっと待ってよ、何にもお礼なんて出来ないけど、すごいことしてもらったんだ。何か返したい。何でも言ってくれ。」
うーん、子供にお礼を求めるなんてあり得ない!「ああ、じゃあ名前教えてくれ。」名前?何故見たいな顔をされたが、「ケインだ!妹はリリーだ!」そうか、「じゃあな!」え、ちょっとって声が聞こえたがそのまま立ち去った。
まぁ本来の予定にはなかったが、子供だけで暮らすなんて、かなり苦労しただろうに、と思い市場で野菜を仕入れて肉も少し混ぜて扉の所に、置いてきた。少しは、栄養を取らないとちゃんと治らないからな!
さあ、俺のぶんもちゃんと買わないとな!って気合い入れて市場で、物を買いまくって行ったのだった。