40話
あれから、お風呂で疲れを取り、荷ほどきも終わって、リビングみたいな所で話をすることになった。
「近々ロックウェルから連絡が来ると思うんだが、俺的には誰を紹介して来るか、ちょっと検討がついてな!」
「ええー!そうなんですか?」
「俺はこの町に落ち着いたから、余り連絡をとっていなかったんだが、元俺の冒険者仲間だと思う。」
「それを今俺に言うって事は何かあるってことですか?」
「種族的な事だな、まあ、お前は気にしなさそうだけど、ここの国では余り人族以外居ないと思わないか?」
「確かに!まだ俺は自分以外だと、他見てない!」
「何故だと思う?」
「全然わかんない!」
「はは!そうだと思ったが気持ちの良いぐらい即答したな。」
「逆にライガは解るか?」
「俺は親父から聞いた事がある。昔大きな争いが起きたとき、余りにも力の違いを受け入れられなかった人族は人族以外排除したって、でも、かなり昔の事だって。」
「まあ、概ねあってるな、だが、決定的になったのは、力を持っていることを恐れたから、また、力があるにも関わらず自分達の味方になってくれた者を騙し、無理やり力を奪う等の行為があったからなんだ。それをされたものたちが、この国を捨てていった。」
「へー、そんな黒歴史があったのか。」
「まあ、今は昔ほどでは無いが、未だに力を怖がる人族や、他の種族を下に見て痛め付けるような奴等もいる。」
「だが、人族以外は皆誇り高い種族でな!力の弱い人族を力で制圧したり、蔑んだり等もしてないのだよ。それがいかに凄いことか解るか?」
「ああ!それは向こうの世界でもあったことだ!」
「そうか、でお前は力で圧倒することが出来るが、そんなことをしないと俺は思ってる。」
「もちろんしないよ?だって俺は助けてもらってる身だ!この世界ではすぐに死にそうだし、」
「いや、ガイアは死なないと思う!」
ライガを見ると、目を反らされた。
「俺の昔の仲間はな獣人のハーフなんだ。」
「へー、何の獣人なの?」
「狼だな!」
「カッコ良さそうだな!」
「そんな反応をするのはガイア位だぞ?」
「そうなの?」
「ああ、獣人は昔この国には沢山居たんだよ、だが、種族が違うから徐々にその力の差を恐れて、態度や種族的なトラブルが絶えなくなってな、終いには従属させられたりしたんだよ。」
「それは酷いな!ん?でも今全く見ないってことは?」
「ああ獣人との戦争が起こって、人族はあっさり負けたんだ!」
「力の差、か?」
「ああ、それもあるが、他の種族も獣人に力を貸したのさ!」
「ああ、そう言うことか!他の種族を見下したりするから見捨てられたんだな。」
「そんなところだ。だがこの国以外はそうではないんだ。ちゃんと他の種族と交流をしている。それにここまで徹底的に排除されてる国は珍しいんだ。」
「じゃあ、やっぱりあのおっさんもっと懲らしめるべきだったな!最低じゃん!」
「あのおっさん呼ばわり出来るガイアが凄いがな!」
チラッと見るとまたライガは目を反らした。
「この国に入れる者は限られてるんだ!王族を通せば交流と言うか、力の関係上どうしても、入国させなきゃいけないことがあるからな!だが、一般の俺たちはほぼ会う事はない!まあ、断れないから入国させてるって大きな声で言えないんだろう。」
「そんな下らない理由なら今からあのおっさん脅した方が皆のためになりそうだな!」
「いや、それは止めてくれ!」
「この国でも、獣人は見かけてるが、変身して隠れて入国してるんだよ。お前みたいに!」
「へー、全然気にしてなかった。」
「まあ、普通はわからないからな。」
「お前がこれから旅に出るのに必要な知識と経験を考えれば一番適任者なんだよ。そいつは!責任感もあるしな!」
「へー、俺獣人会ってみたいな!」
「まぁ、実際そいつかわからんが、ロックウェルならそいつと連絡をとってるからな!こちらの事情も話せる相手といったら限られるだろ。」
「すみません。」
「謝るな!だが、もしそいつが旅に同行してくれるなら、俺は何にも心配がなくなる!」
「シュトライザさんがそんなに信用している相手なら、俺も安心できます。」
「そう言ってくれると有難い!」
話が長くなってしまったが、いつ連絡が来るかまだわからんからな、暫くはこの町にいて欲しいとお願いされた。勿論断る理由もないので、のんびり過ごさせてもらいます。と伝えた。
その間はこの家を自由に使っていいといってくれたので、ありがた使わせてもらうことにした。本当に有難い。
翌日、ゆっくり目を覚ました俺は、王都で買ってきた食材を使って、また、料理を作り置きしとこうと、野菜とか肉とか調味料などを確認することから始まった。
ライガはと言うと、シュトライザさんと一緒にギルドに行ってしまったのだ。俺一人残されたが、何処にも行くなとお達しがあった為、今日はのんびり食材と戯れていようと決めた。
「んー、そういえば、何故種族にこだわりがあるんだろうな?助け合って生きて行けるなら、それでもいい気がするんだが。まぁ、人間何処でも一緒って事かな!人種差別俺には縁がないが。」
本当に、家の親の育て方が良かったんだよな。人と違って当たり前と言われて育ったし、同じ人がいたら怖いだろって父も言っていたな!としみじみ考えていた。
人と違うから個性が出るんだ!なんて、よく言われたよ。
「まぁだから、今この生活にも馴染めてるのかも知れないな!」
もう会えない親に感謝を込めて、ありがとうって送った。届くかな?まあ、届かなくても言うけど。




