29話
それからの問答は、全てバレバレの物だったためガイアはお説教タイムを我慢するしかなかったのだった。
「ごめんなさい。もうかってには出掛けません。すみませんでした。」
「そうしてくれ。本当に!」
とシュトライザさんも疲れているようだった。
「で、ギルドはどうだったんですか?」
「ドラゴンを見せろと言うやつがギルド乗り込んできていたよ。」
「えー?どんだけドラゴン見たいんですか?」
「そうじゃなくて、ドラゴンを倒した奴を見たかったんだと思うぞ?」
「へ?何で?」
「自分に取り込みたいとか、その他にもあるんだろうな。」
「えー!絶対関わりたくないな!」
「そうだろうと思ってね、ドラゴンだけ置いてギルマスに追い出してもらって、時間を置いてから出てきたから遅くなったんだ。」
「すみませんでした。」と土下座した。
「そんな中ガイアは出掛けようとしてたんだろ?ひどいよな!」
「はい。本当に申し訳ございません。」
「もういいけど。」
「みんなに迷惑かけてるのはわかってるんだが、今回王都は厄介事に巻き込まれるかもって言われてるから、どうしても隠したいんだよ。」
「「は?誰に?」」
「え?神様から言われた。」
ガイア、そこに正座ね!
ええー!何で?
何でちゃんと説明しないの?神様から言われてるなら、本当に何かあっても可笑しくないだろ!
いやー、なにも起きてないのに心配かけられないだろ?
説明が何時も足りないんだよ。とさっきも怒られたのに更にお説教を言われる嵌めになった。
「ガイア何か、まだ伝えてないことは無いのか!隠すなよ!」
「ええー!もうないと思うよ、あ、もし何かあったら神様の名前出せって言ってた。王様は存在を知ってるらしいから?」
「「は?」」
「正確には王様がちょっかいかけてくるかもってことらしいんだけど?」
「はぁあああああ?」そんな大事なこと先に言えよ!
2人に王様が絡みそうなことはないかと聞いたらオークションは基本貴族や王族が関わってくる。それに今回はドラゴンだぞ?間違いなく王族が出てくると思うぞ!
ええー!聞いてないよ。
ガイアがちゃんと言わないからだろ!
あのー?今さらやめるとかって?
出来るわけ無いだろ!
もう、言うの忘れてたのは謝るけど、どうにもならないならやっぱり、表には出ないようにするよ。で、危なくなったらソレントに帰ればいいだろ?
そんなわけにもいかんだろうが!王族が出てきたら、俺たちでは太刀打ちできないぞ?
ええー!俺を差し出しちゃうの?
お前は神が守ってくれるかもしれんが俺たちは違うぞ!
守ってくれてないよー!暇だから構ってるだけだろうし!
いや!神は暇ではないだろう?
本人が面白がって見てるんだから、間違いなく暇でしょう!
どっちにしても、命に関わるなら俺が出るよ。神にはそれぐらい手伝ってもらいたいし!
神に手伝ってもらうとか、あり得ないと思うぞ?
それぐらいしてもらってもいいだろ?
気が重くなる会話が続いて、疲れてきたのか、2人はぐったりしてる。慰労もかねてお風呂を進めたらお断りされた!ひどい!
疲れだって取れるのに!しょうがないからヒールをかけて回復するかなーってやったら。びっくりされた。
普通こんな使い方しないから!と。怒られてばかりの日だった。
翌朝、寝付きが悪かったのか、全然すっきりしなかったが、朝食には間に合ったガイアだった。
食堂にライガと向かうと、シュトライザさんがもう来ていた。
「遅かったな!先に済ませたぞ?」
「ちょっと寝付きが悪かったので、寝坊しましたよ。」
「まあまあ、日頃の行いでしょ!」
「そうだけどさー」
まだまだいじけているガイアだったったが朝食を食べ始めると元気が戻って来たようだ。
「あ、ギルドから連絡が来たんだ!開催日は2日後になったぞ」
「そうなんだ。俺は出られないから頼むよ?」
「ああ。取り敢えず何かあったときには助けてくれよ?」
「わかってるよ。念話使えるようにしてみるから。」
「念話?」
「頭のなかで思ってくれれば繋げるように考えてるんだ。」
「へー。それは便利そうだな!」
「まだ、やってないから2日間で出来るようにしますね。」
「了解。」
「今日も取り敢えず部屋に籠っててくれよ?」
「はい。」
「今日は俺も着いてるから寂しくないだろ?」
「子供か!」
「子供みたいな行動するからだよ!」
ライガに言われたら終わりだな!とシュトライザさんが突っ込んできた。
そんな突っ込み要らないですよ!と部屋に戻りながらブツブツ文句をいっている。
部屋に戻ると、ライガに実験台になってもらうため、部屋に入ったが、ライガにはトイレに入ってもらった。
嫌がらせではないよ?部屋はワンルーム位だから洗面台とトイレが一緒になっているから。
そこしかないんだよ。と自分に言い訳をしているがちょっと嬉しそうだ。
気を取り直して!魔法で通話するって言うのはどうやれば分かりやすいかなー?と考えながら、一回目、念話発動対象ライガ!
(おーい?聞こえてるか?)
「うお!何?ガイアの声が頭のなかで聞こえるんだけど」と声を出して言っている。
(ライガ、頭で考えてくれれば会話が出来る筈だから声出さないで?)
「わかった。」声出てるじゃん!(ガイア?聞こえてるか?)
(オオ!ちゃんと聞こえるよ!)
(これ何か変な感じだな!声が頭のなかで聞こえる感じだからかな?)
(まぁ違和感は慣れてもらうしかないな。取り敢えずこっちに戻っていいぞ!)
(はーい!)
念話解除。
ふー、やはりなれないと疲れるな。魔力はそんなにかからないけど精神が疲れるって言うのかな?
戻ってきたライガは「これ、すごいね。何処でも喋れるの?」
「俺が感知できる人には出来ると思うぞ?」
「へー、感知って判別出来るんだ。」
「うん、マップとかでも切り替えることがてきるからな。探したいものを探知することが出来るが俺の知らないものは細かくは出来ないかもしれないな。」
「そっか!これで何かあったらガイアに助けを求められるな!」
「何もないのがいいんだけどな。」
「そういえばシュトライザさんは?部屋に戻ってるのか?」
「いや?さっき一回戻ってギルドに顔出すって言ってたからギルドじゃないかな?」
「そっか。」
「何で?」
「いや、いきなり念話繋げたらライガ見たいに声出しちゃうかも出し、試しといた方がいいかと思ったんだけどね。」
「戻ってきたら部屋に来るでしょ?きっと。」
「そうだな。それまで、なにするかなー?」
「変なことはしないでよ!」
「わかってるよ。」
あ、買い物したものを整理するかな?あ、部屋で調理とか試したら怒られちゃうかな?
こんなとこで、作ろうとしないでよ。
やっぱりダメか?じゃあシュトライザさんが戻ってきたらちょっと出掛けませんかって伝えてみよう。




