25話
~合流~
宿についたシュトライザとライガは、受付でガイアと言う人物が、来たか確認をした。
「はい。宿泊されるとのことでお部屋に入られましたよ。」
2人はホッとして、自分達の部屋もお願いしてガイアの部屋を訪れた。
ノックもソコソコに扉を開けて部屋に入った。
「おお、2人ともお帰り!」
「「はぁーーーー、」」
「えっ!何で帰ってきてすぐにため息つくの?」
「もういいよ。で、ちゃんと宿覚えてたんだね。」
「あ、当たり前だろ!」
「何で慌ててるんだ?」
「どうせ名前忘れたんだろ?」
ライガは何で気が付いたんだ!絶対認めないけどな!
「そ、そんなわけないだろ?名前ぐらい覚えてるよ。失礼な!」
「ハイハイ、そうですか。で、王都観光してきたのか?」
「ただ歩いただけ。」
「はっ?」
「どこ観光したらいいか聞くの忘れて、、、。」
段々声が小さくなっていった。
「あっそ!」
「なんだよ!冷たいな!」
「こっちはガイアのせいで疲れたんだよ。」
「あ、はい。すみません。」
「まぁまぁ、しばらくはここで過ごさなきゃいけなくなったから、一緒に王都観光したらいいぞ!」
「やはりオークションになったんですか?」
「ああ、状態がかなりいいからな!開催をお願いしてきた。」
「本当に名前は出さないんだな?」
「ええ。そのつもりです。」
「そうか、じゃあそのようにしてもらう。」
「すみません。我が儘言って。」
「いや。これぐらいはギルマスとしてやらせてもらう。」
「もう少しガイアは自重を覚えるといいと思うよ?」
「はい。」
「やけに素直だな。」とライガに言われて、「そりゃーさすがに悪いと思ってるからな!」
「威張って言うな!」
また、シュンと小さくなっていた。
シュトライザさんが空気を変えてくれた。
「明日から観光出来そうな場所を探しとくよ。」
わー!ありがとうございます。ライガは甘やかしちゃダメですよ。って言ってるが、スルーしたもんね。
「今日は旅の疲れをゆっくり取ってくれ!」
「「はい。」」
その日はさすがに旅の疲れが出たのかご飯を食べる前に寝落ちしてしまった2人だった。
翌朝、お腹が空いて早くに目が覚めてしまった2人だった。
「ライガもう起きたの?」
グーっとお腹が鳴る音が聞こえた。
「ああ!俺も腹が減って目が覚めてしまった。」
まだ食事が取れそうな時間じゃないからなー、あ、前に買い置きしといたサンドイッチがあるな!それでも食べるかとライガにも出してあげた。
「ありがと!」
「どういたしまして。」
そういえば、昨日はちゃんと聞けなかったがギルドはどうだったんだ?
町とは大分違ってかなり大きかったよ!それにここのギルマスと、シュトライザさんは昔の冒険者仲間なんだって。
へー。そうなんだな。そんな会話をして朝を迎えると、シュトライザさんが朝食の誘いに来てくれた。
朝食の時に今日の予定を言われたので、この後、出発するのが楽しみになった。なんと王都には劇場やらショップやら色々揃っているらしい。
どこから回るかって、そりゃー武器屋だな!それから各お店を見て回ることになっている。
まず武器屋なのは剣を持ってない俺と、ボロボロになったライガの剣を新調するためだ。
俺のせいだしな。ミスリル持ってるから作って貰うってのもいいなんて考えながら店についた。
「お邪魔しまーす。」と店に入ると、誰も居ない。
「ん?すいませーん!」ん?反応なし?
シュトライザさんとライガを見ると、ライガは不思議そうに思っているのに、シュトライザさんは笑いをこらえている。
ん?どう言うこと?
「ここの店主はな、変わり者で、店にはほとんど居ないんだ。」
「はっ?じゃあどこにいるの?」
「作業場だな!」
「店には開けてるのに?」
「戸締まりなんてしないんだろうな!」
何て、不用心なんだ?と考えていると。いつもは見習いが店番をしているはずなんだがな?どこ行ったんだ?キョロキョロしながら奥に進んでいった。
すると、倉庫っぽいところで倒れている人を発見した。
「ちょ!おい!大丈夫か?」
「あ、あ、は、ハラが」
「ハラがどうした!」
「ハラが、減った。」
「「はっ?」」
「そいつが店主だ!」
「「はっ?」」
シュトライザさんがなんともないような言い方をして、店主だといった人を見ると、確かに、髪はボサボサだが、結構年齢が、いっている人だった。取り敢えず空間ボックスからサンドイッチを取り出して渡した。
すると、すごい勢いで食べ終わっていた。
「おい!ゴン爺!久しぶりだな!」
「おっ?その声はシュトライザか?」
「ボケもせず覚えてたか!」
「ワシを年寄り扱いするな!」
「どうせ、作業に没頭して何日間か食べてないだけだろ!」
「しょうがないだろ!いいものが出来そうだったんじゃ!」
「そんなこと言って、変なものばかり作って客も居ないじゃないか?」
「余計なお世話じゃ!お主はなにしに来たんだ!冷やかしなら帰れ!」
「客連れてきてやったのに、ひどい言い様だな!」
「誰が客なんだ?」ジロジロ見られて居心地悪いぞ?
「こんな若僧に俺の武器は早いんじゃないか?」
「いや!かなりのもんだと思うぞ!」
「へー、珍しいなお前さんがそんなこと言うなんて!」
「えっと?」
「ガイアあの事話していいか?」小さな声でドラゴンのことだ!と言われたので、信用に値するなら良いですよ!と伝えた。
「なんじゃ!ひそひそ喋りよって!」
「すまんな、こんなジジイだが仕事は信用出来るんだ。」
「シュトライザさんが言うなら信じますよ。」
「こいつはな!1人でドラゴンも狩れるような奴なんだよ!」
「はっ?そんな奴いるわけないだろ?」
「それがな、こいつは常識では計り知れない非常識な奴なんだ!」
結構ひどくないですかね?シュトライザさん!そこまで言わなくてもいいじゃないですか!
「本当なのか?」
「ああ!実際に見せることも出来るぞ!」
「本当か!」
ガイアに視線でいいかと聞いてきているようなので、頷いた。
シュトライザさんが持っているマジックバックからドラゴンを取り出す。
「うおー!これは本物じゃないか!」
ドラゴンの偽物がいるのか?と疑問に思っていると。シュトライザさんが頷いていた。マジか!手の込んだことする人もいるんだなって、考えていると!
「これをワシに売ってくれんか!」
「はっ?」
「いや、これはオークションに出ることになってる。」
「何でもっと早くに来てくれなかったんだ!オークション何て出したらワシが買えないじゃないか!」
「そんなこと言われてもなぁ、で、武器は作ってくれるのか?」
「ドラゴンを倒せるぐらいの腕なら作ってやらんこともない。」
「そんなこと言って、どうせ作ってやりたいんだろ?」
「うるさい!ワシの考えを読むな!」
「あのー?」
「なんじゃ!」
「すいません。話してる最中に、もしよければなんですが、これで剣とか作れますかね?」
「あ?」とガイアが取り出したのはミスリルの原石だった。
「オオオオオオオオオオおお、お前、それなんだか知っているのか!」
「ミスリルの原石です。」
「こんな貴重なものをどこで手に入れた!」
「イヤー?たまたま手にはいったので?」
「はっ?たまたまで、こんな良いものが手にはいるわけなかろう!」
そんなこと言ってもなー?本当にたまたま見つかっただけだしなー。
「こいつは常識は通じないぞ?」
「いやいや、通じるし!」
「ワシにこれで剣を作れと言うのか?」
「ダメでしょうか?」
「だ、ダメなわけなかろう!鍛冶師の腕が鳴るわ!」
もう石しか目に入ってないようで、顔を近付けてスリスリしそうな感じで眺めてる。こっちを見ようともしない。ダメな人認定できるぞ!
「こうなったら、もう出来上がるまでは止まらないぞ!」ほっとけと言われたので、石は置いて店を後にした。




