148話
創造神様の話は何となくだけど、予想できた範囲だった。
※※※※※~1500年前~※※※※※
天地創造を司る創造神は、下界で起きている戦争、争いに嘆いていた。この世界には、様々な種族が住んでいる、人族、獣人、ドワーフ、エルフ、妖精、魔族、種族は違えど、神からすれば見な同じかわいい我が子。
ある時から、魔族が均等を保っていた力関係を崩し、力を持ったものが生まれた、それが魔王と呼ばれるものになった。それだけならばよかったが、魔族が他の種族に争いを仕掛け始めたのだ。
最初はエルフ、エルフは魔族が力を付ける前から争いを嫌い、住んでいた土地を離れたにも関わらず、追い詰め少なくなったエルフは隠れるように消えていった。
それで勢いづいた魔族はドワーフ、妖精族が住んでいる神獣の森に目を付けた、神獣の森には世界樹があり、マナが溢れていると知ったからだ。だが神獣の森を守護するため、周りを囲むように獣人国、人族の国が東西を挟み作られていた。
魔族は、魔界と呼ばれる荒廃した土地になった自分達の土地を、何とかしたかっただけかもしれないが、どうにもならず他の土地に移り住もうとしていただけかも知れなかったのだが、一番の荒廃の原因はエルフが土地を離れたことだとは気が付かなかったのだろう。
世界は各種族が納めることで、その土地の祝福が受けられる。
それが世界の理だったのだが、それを知っているのは神のみだ。だが、神も黙ってみているだけではなかった。世界の均衡をたもつため神獣のを地上にやり、様々な守りの力を与えた。
又、神々の御使いとして、我らの声を届けて貰った。だが、多分この時からだ、魔族に付いた神が手を貸し出したのは。
闇を司る神【グァントゥース】
自分の守護する眷属のために魔族に肩入れし過ぎていると気がついたのは、更に争いが1000年位たってからだった。ついに魔王が討ち取られ魔族が滅びの危機に陥ったからだ。
魔族との戦いが始まり、世界樹が枯れ始め、もう世界を維持するのは難しいと神々との話し合いで結論が出てしまった。そう、神々は地上を見放したのだ。
だが、神とて心がないわけではない、創造神が司るドワーフだけはどうしても助けたかった。世界樹の恩恵を一番受けていたのはドワーフと妖精なのだから。
そこでとった手が世界と切り離すことだったのだが、そこに漬け込まれてしまった。自分の甘さを今になって突き付けられた。
グァントゥースは結界を張る時に居たのだから、この時に関わったのはグァントゥースと創造神を含みあと四人の神が関わっていた。
結界を張ると共に魔王が討ち取られた時に核を抜いたのだろう、それを中心に土地に結界を張ってしまった。結界を張ってそのまま姿を隠したグァントゥース、ガイアが結界を解いた時に思い出した。我らは同じ神から裏切られたと言うことだ。
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ここまでを聞いて、やっぱりと思った。そして、もう一個思ったことがあった。
神々は地上を見放しそのあとは?
滅びるのを待つ気だったのか?
この二点、あと当時の神獣はどこ行った?位だな。
~ガイア「質問しても良いですか?」
創造神は話し終わって、自分の甘さを深刻に受け取っているように意気消沈していた。
~創造神(なんじゃ?)
~ガイア「神々は地上を見放し、そのあとはどうする気だったのかなって。」
~創造神(滅んだら新たに作り直すだけじゃ。)
~ガイア「じゃあ次の質問です。神獣はどこに行ったんです?」
~創造神(ん?シャインか?)
~ガイア「え?当時の神獣ですよ?」
~創造神(シャインだぞ?)
~ガイア「え?」
シュバルツ(神獣は、世界樹が枯れたら存在を維持出来ませんから、天界に戻って卵になってましたよ。)
~ガイア「ええー!そうだったんですか?じゃあ、シャインは昔の事を覚えているんですか?」
~シュバルツ(卵に戻った時点で記憶は無いよ。)
~ガイア「そうなんだ。」
うーん、神獣は不思議な存在だな。でも、神々は世界を作り直すって簡単に言うけど、やはり納得が行かない、もう少し何とか出来たんじゃないかとか、考えてしまう。簡単には結論なんて出るもんじゃない。
~シュバルツ(僕は、ガイアが考えてることは解るよ、僕は転生を司る神なんだから、世界の再生には僕も関わってる。争いでなくなった魂を、僕はこの世界に戻しているんだから。)
そうだった。一番辛いのは義父さんかもしれない。
~ガイア「っ!」
~シュバルツ(いいんだよ。僕はこの世界が滅びればいいなんて思ってないし、今生きている皆僕の子供みたいなもんだからね。死んでもらいたくなんて無いよ。)
それはそうだよね、折角転生させてもすぐに死んでしまう何て、どれだけ辛いんだろうか、言葉には表すことは出来ない。
そして、創造神様も、気が付いたのか、更に眉間のシワが濃くなった。
~シュバルツ(でもね、ガイア、君がこの世界に来てくれてから、本当に楽しくなったんだよ?本当の意味で子供を持つことが出来た。親と言うのはこんなに、素晴らしい経験が出来るんだと思ったんだから。)
~ガイア「それは、俺も同じですから、今になって親が出来る何て、どれだけ嬉しかったか!」
~シュバルツ(ふふふ、そう言ってくれるガイアでよかったよ。で、創造神よこれからどうするのです。)
とピシャリと冷たく言いはなった。
~創造神(わかっておる、ワシらがしでかしたことじゃ!流石に全てガイアに押し付けるわけなかろう、だが、地上降りた邪神をどうやって探すか等は全く検討もつかんわい。)
ガイア「そもそも地上に降りると邪神になってしまうんですか?」
~シュバルツ(そんなわけ無いでしょ、奴は禁忌を世界の理に触れたから神の力を失ったんだよ。)
~ガイア「そうなんだ!禁忌って神々が記憶を失くした事?」
~創造神(そもそも、同じ神に力を使うのは禁忌なんじゃよ。)
シュバルツ(奴は名前も変えているだろうから気配が読めないんだよ。そして魔族をけしかけてるのは間違いなく奴だ!)
うーん、これからの事を考えればどちらにしても魔族とは、 揉めそうだな。さて、地上にある魔族の核をまずは捜さないとな。まずはそれからかな?
~ガイア「まあ、俺は変わらずに出来ることをするだけなんで、出来れば俺の回りの人ぐらいは護りたいと思ってる只の人だしね。」
~シュバルツ(ウンウン、只の人では無いけど、ガイアは、出来ることをやればいいよ。無理に首突っ込まなくていいからね。)
~創造神(転生神よ、それは些か無理が無いか?ワシとしてはもう少し、、)
と言った辺りでシュバルツが創造神の会話をぶった切った。
~シュバルツ(は?何いってるんですか、ガイアに押し付けないってさっき仰いましたよね?神が嘘つくなんて有り得ませんよね?地上に手だし出来なくても聖獣が地上に居たら多少は力を貸すことが出来るんですからしっかり仕事してください!)
わーー!義父さんめっちゃ怒ってる。親バカだからね。しょうがないんだよ。まあ、止めないけどね、自分のことで怒ってくれる人がいるなんて嬉しいし!
シャインには力を貸すことが出来るのか、それはいいこと聞いたな!シャインが強くなるぶんには全く問題がない。(こちらも親バカ発言なのは気が付いていない。)
まずは、魔王の核を探し出し結界を施さないとな。そして空間に放り込んでしまおう。
うーん、こっちが怪我しないように前もって打てる手は打ってしまおう。獣人国にも警戒を促すのと、面倒だけど人国にも声をかけないといけないだろうなー!
~シュバルツ(ガイアが今考えていることは創造神にお願いするから、ガイアは、魔王の核を回収しちゃってね。)
~創造神(え?ワシが何するの?)
と可愛く言ってるがそんな事があるわけはなく、厄介事は神が引き受けてくれるようだ。よかった!
~ガイア「じゃあ、そろそろ皆も心配するかもしれないから帰るよ。」
~シュバルツ(ごめんね、変なことに巻き込んでしまって。)
と、本当に心からの謝罪なのがよくわかってるから。ガイアは、
~ガイア「ついでに出来ることをするだけだから!義父さんは気にしないでね。次はシアにも会いに来るからって伝えておいてね。」
~シュバルツ(シアの事は気にしなくていいよ。きっとわかってると思うから。僕には何時でも会いに来ていいからね!)
と笑顔で言われたので、笑顔で返し天界をあとにした。




