漫才『 デートの練習がしたい 』
ボケ「 あー、デートしたいわー。完璧なデートしたいわー 」
ツッコミ「 なんだいきなり、デートよりまず相手を探すのが先だろ 」
ボケ「 だめだめ、相手を見つけてからだと遅いんだよ。俺は最初から完璧なデートをして相手を喜ばせたいわけ。そのためには事前に練習しておかないと 」
ツッコミ「 なら俺が彼女役やるわ 」
ボケ「 よろしく 」
ツッコミ「 『 ごっめーん、待った? 』」
ボケ「 いや、大丈夫だよ。まだチャイム鳴ってないから 」
ツッコミ「 小学生かよ! なんのチャイムだよ。今
休み時間か!? 」
ボケ「 じゃ、まず映画でも観に行こうか 」
ツッコミ「 あ、そのまま進めるのね。了解。⋯⋯『 映画かー、今ってどんなのやってるんだろう。楽しみだね 』 」
ボケ「 ごめん、もう前売り券買ってあるから、今から何観るか選べないんだよ 」
ツッコミ「 『 そうなんだ。全然大丈夫だよ 』 」
ボケ「 前売り券じゃないと、おまけのおもちゃが貰えないからさ 」
ツッコミ「 小学生かよ! ⋯⋯おまけにおもちゃついてくるような映画って絶対子供向けだろ! まあ、大人でも楽しめるようなやつもあるけどさ 」
ボケ「 ポップコーンとドリンク買ってきたよ 」
ツッコミ「 お前、平然と続けるのな。別にいいけどよ。⋯⋯ 『 あ、ありがとう。気が効くね 』 」
ボケ「 あと、座席の上に置くクッションも持ってきたよ 」
ツッコミ「 だから小学生かよ! 身長足りてるし、高さ調整必要ないからっ!! 」
ボケ「 映画、面白かったな 」
ツッコミ「 あ、ああ、もう観たのな。お前、本当に平然と進めるな⋯⋯『 そうだねー。敵役で出演してた若手俳優さんがかっこ良かったー 』 」
ボケ「 ⋯⋯ふんっ、若手俳優ねー。でもあいつ、絶対俺より脚遅いぜ 」
ツッコミ「 いや、だから小学生かよ! 脚の速さで張り合うなよ!! 実際に勝てるかも分からないのに、少し馬鹿にした感じが腹立つわ⋯⋯ 」
ボケ「 そろそろランチの時間だな。店、予約してあるんだ。行こうぜ 」
ツッコミ「 お、なかなかやるなー。『 えっ、嬉しい、楽しみー 』 」
ボケ「 近くの大型ショッピングモールにあるフードコート 」
ツッコミ「 フードコートかよ! フードコートを予約って意味わかんねーよ!! 普通はもっとおしゃれな店とかだろ。小さい頃はフードコートで食事するのわくわくしたけどよ 」
ボケ「 どの店にする? 」
ツッコミ「 はあ、もう着いたのか、フードコート⋯⋯。『 そうだなぁ、私ハンバーガー屋さんにしようかな 』 」
ボケ「 オッケー、俺もそうする。おまけのおもちゃが欲しいしな! 」
ツッコミ「 またかよ! どんだけおまけのおもちゃ欲しいんだよ! やっぱりお前小学生だろ 」
ボケ「 あ、店員さん俺ピクルス抜きで 」
ツッコミ「 ⋯⋯まあ、それは別にいいよ 」
ボケ「 美味かったー。また二人で来られたらいいな 」
ツッコミ「 まあ、フードコートなんていつでも来れそうだけど。⋯⋯『 そうだね。また二人で来たいね 』 」
ボケ「 お腹も膨れたし、近くの森林公園でゆっくり散歩でもしない? 」
ツッコミ「 いいねー。そういうの待ってた 」
ボケ「 あそこの公園たまにクワガタ採れるんだよね 」
ツッコミ「 『 ふーん、そうなんだー、ふーん 』 」
ボケ「 あ、心配しなくてもカエルもいるから 」
ツッコミ「 そんな心配してねーよ! どっちも採る気ないから! わんぱく小僧相手にデートしてんのか、お前は!? 一回流したけど、我慢できなかったわ!! 」
ボケ「 見て、犬の散歩をしてる人がいる 」
ツッコミ 「 はぁ⋯⋯はぁ⋯⋯。『 か、可愛いね、あのわんちゃん 』 」
ボケ「 あの犬種はフレンチブルドッグだな 」
ツッコミ「 『 へぇー、物知りなんだね 』 」
ボケ「 あっ、まあ、俺塾通ってるから 」
ツッコミ「 塾通ってる自慢する小学生かよ! しかも犬種を教える塾ってなんだよ! 聞いたことねーよ! いい加減にしろ! お前は真面目にデートの練習する気あんのか!? 」
ボケ「 ⋯⋯ 」
ツッコミ「 黙んなよ。そこは反論するか、ボケを被せるかしろよ。そうじゃないとツッコミの俺が困るだろうが 」
ボケ「 ⋯⋯ 」
ツッコミ「 え、マジで。まだ、黙るの? 」
ボケ「 ⋯⋯ 」
ツッコミ「 ⋯⋯ 」
ボケ「 はい、君達が静かになるまで10秒以上かかりましたー 」
ツッコミ「 それ、校長先生!! 」
ボケ&ツッコミ「 どうも、ありがとうございましたー!! 」
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