表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元魔族長と元聖女の子育て世直し奮闘記  作者: デビル悪魔
1章 安住の地を
9/21

1.8 目覚め

 窓から陽の光が差し込み、小鳥のさえずる声が聞こえる。陽の光が閉じている瞼に差し込み、グレイは目が覚める。


 グレイは広い寝室にあった、大きなベッドで仰向けの状態であった。


 しばらく思考が停止し、天井を眺めていたが、それではいけないと思い、グレイは鉛のように重い身体を何とか起こし、そして自分の両手のひらを見た。


「……結局、体は戻らずか…」


 グレイの身体は少年サイズのままであった。130㎝はあるか、無いか位の己の身体に、グレイは溜息をこぼす。


「これでは面目が立たぬな……魔力の方も…元の半分といったところか…?」


 魔力の容量も大分減っていることに気付き、頭を掻く。グレイは腕を回し、首を鳴らし、軽くストレッチを行う。一通りのストレッチを終え、一息ついていると、隣から声を掛けられる。


「体が重いですよね。力も半分程しか感じられませんし…」


 グレイに優しく語りかける声。驚いたグレイは隣をすぐさまに見る。すると、そこには糸目の美しい顔立ちの女性、ソフィアがこちらを見ながら横になっていた。


「おはようございます、グレイさん」


 ソフィアが微笑えんでいた。グレイはソフィアの美しさにドキリと心臓が高鳴るが、平然をなんとか装い、返事をする。


「うむ!おはよう、ソフィア!いい朝だな!」

 

 そう言い、二人は見つめ合いながら「ハハハ」「フフフ」と、笑い合う。しかし、笑いながらグレイは徐々に冷静になっていく。なぜ、自分とソフィアが寝床を一緒にしているのか、と。


 その事に気が付いたグレイはすぐさまベットから飛び出し、顔を真っ赤にして尋ねる。


「…そ、そうではなくて!!なぜ、我とソフィアが同じ寝床にいるのだ!?」


 グレイの質問に「あぁ…」といった様子で、大した事では無いようにソフィアが答える。


「わかりません。私も朝起きた時、すでにグレイさんが隣で寝ていたんです……起こそうと思っていたのですが、あなたの寝顔がとても可愛くて、つい見入ってしまいました、すみません」

「…フェンリルの仕業だな!?」


 テヘッといった感じでソフィアが可愛く謝る。しかし、グレイはソフィアに寝顔を見られた事の羞恥心で身を悶えていた。「ぐおおぉぉ…」と呻き声を発しながら頭を抱え、「フェンリルの奴めぇ」と、呟きながらアホ毛をピョコピョコと動かすグレイ。その様子をベットの上で身を起こし「フフッ」と笑い、楽しそうに見つめていたソフィア。


 寝室が和気藹々とした空気で満たされていく中、コンコンと扉から音が鳴る。


「グレイ様、フェンリルです。入っても宜しいでしょうか?」


 恐らくこの状況を作った張本人、フェンリルの声が扉から聞こえる。グレイは急いで身を整え、不機嫌そうに返事する。


「…入ってよいぞ」

「失礼します…」


 そう言いフェンリルがドアを開けた瞬間、黒長髪の巫女装束のユキがソフィアの元に脱兎のごとく走る。


「ソフィア様~!!」


 ユキは勢いよくベットで半身を起こしていたソフィアに抱きつき、涙を流す。


「ソフィア様~!ご無事でよかったです〜!!」

「ユキ…ごめんなさい、心配を掛けましたね」


 ソフィアが抱きついてきたユキの頭を撫でた。


「いいえ、謝らないで下さい!それより、本当に生きているんですよね?実は死んでいるとか、アンデットになりました、とかはないですよね!?」


 ユキがソフィアの体のあちこちをペタペタと触る、それにソフィアは困ったように糸目と眉をハの字にさせた。そんな微笑ましい二人を横にフェンリルがグレイにお辞儀をする。


「ご無事で何よりです。我が主よ」

「うむ、この度の働き、誠に大儀であったぞ、フェンリル」


 グレイが嬉しそうにアホ毛を揺らしながら、フェンリルを労った。 


「身に余る光栄です。主よ」

「……しかし、なぜ我をソフィアと同じ寝床で眠らせたのだ…」


 恨めしそうにグレイが呟く。フェンリルはキョトンとなり、首を傾げる。


「夫婦とは同じ寝床を共にするものではないのですか?」


 そう言われ、グレイが慌てて訂正する。


「ち、違うぞ!?いや、確かに我とソフィアは夫婦の契りを交わしたが、それは成り行きであって……」


 ブツブツと反論するグレイにフェンリルは口に手をあてて笑う。


「フフ…冗談ですよ、グレイ様。あの後、グレイ様とソフィア様の状態を見ていたのですが。二人の力と生命力が循環しあっていたので、無理に離すと危険だと思い、同じ部屋にて休んでもらいました」

「そうか……魔国からの手の者は来なかったのか?それと、聖界の方もだ」


 グレイはすぐに気持ちを切り替え、自分と同じようにソフィアにも追っ手が仕掛けられていただろうと心配し、フェンリルが尋ねた。


「はい、昨夜は警戒しましたが、魔国の手先は誰一人もこの亡国には来ませんでした。聖界の方もソフィア様の従者であるユキから聞きましたが、あちらの追っ手も完全に彼女達の位置を見失った、とのことでした」

「む、そうか……手を煩わして、すまぬな。出来れば今すぐにでも休んでもらいたいのだが、お前しか頼れるものがおらぬからな…」


 グレイは一晩、警護に当たってくれたフェンリルに申し訳なくなった。


「心配ご無用ですよ……それと後ほど、お伝えしたい事があります。宜しいでしょうか?」


 フェンリルが真剣な表情でグレイに頼み込んだ。グレイもそれに応えるように頷く。


「……わかった、後で話を聞こう」


 そこでグレイが視線をフェンリルから寝床へ変える。


「その前に、こちらを何とかせねばな」


 視線の先にはユキの丁寧なボディチェックに困っていたソフィアがいた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 奇跡の生還を果たしたグレイとソフィア、二人はボロボロだった服や体を綺麗にし、フェンリルの案内でこの城の最上階の部屋へと向かう。


 グレイは黒をベースにしたタキシードにヒラヒラしたジャボを胸につけ、外側が漆黒、内側が深紅の長いマントを付けていた。


 しかし、身長が低いのでマントの裾を地面に引きずりながら歩いていた。その様子を後ろからニコニコと観察しているソフィア、彼女も残っている右翼と長い金髪に付着していた血を全て落とし、金髪が映えるサークレットを付け、服もソフィアの細いスタイルを際立たせる純白のスレンダードレスを着ていた。


「むぅ……歩きにくいなぁ…この身体は…」

「とても可愛らしくて、私は素敵だと思いますよ?」

「可愛さなどいらぬぞ…」


 グレイは頬を膨らます。拗ねている子供のようなグレイの様子を、ソフィアがまたニコニコと見つめている。そんな二人の様子にユキとフェンリル苦笑する。


 長い階段を上り、最上階の部屋のドアの前に着いた一行、フェンリルがドアを開けようとした所、ソフィアが待ったをかける。


「ちょっと待って下さい、フェンリルさん。その部屋に入ると、先程話していた”伝えたい事“についての本題になるんでしょうか?」

「はい、ソフィア様」


 フェンリルの返事にソフィアは「うーん」と首を傾げる。


「フェンリルさん、別に"様"付けで呼ばなくてもいいのですよ?」


 フェンリルが綺麗な姿勢でソフィアに振り向き、首を振る。


「いいえ、貴女はとても高潔な方です。昨晩の出来事でそれを痛感しました…俺はそのような方を我が主、グレイ様と同様に尊敬しています。なので、敬意をもって呼ばせてもらいたいのです」

「…フェンリルさんがそう呼びたいならいいんですけど……ユキにも言っているのですが、私はそんなに大した人物ではないですよ?」


 ソフィアが困ったようにそう言った。それに対しフェンリルは微笑む。


「おそらく、そういう謙虚な姿勢が貴女の高潔な証なのですよ……どうしてもというのでしたら、我が主グレイ様と夫婦になりましたので、()()とお呼びしても宜しいですか?」


 フェンリルの提案にグレイは吹き出した。


「な、何を言っているのだフェンリル!?」


 しかし、ソフィアの方は手を叩き喜ぶ。


「まぁ♪それはいいですね!私、夢だったんですよ。誰かに奥様と呼ばれる事が…是非、そう呼んでください」

「畏まりました、奥様」


 両頬を手で包み喜ぶソフィアに、フェンリルは優雅なお辞儀をした。その光景をワナワナと震えてみていたグレイ、そんなグレイの前にユキが歩み出て立った。それに気づいたグレイがユキと視線を合わせるために、上を見上げた。

「…どうしたのだ?たしか、ユキだったな。我に何か用か?」

 そう言ったグレイに対し、ユキは丁寧に頭を下げた。

「グレイ様、昨晩はソフィア様の命を助けていただき、ありがとうございました」

「……我は当然の事をしただけだ、礼を言われる程ではない」


 グレイは気にするな、と言う。しかし、ユキは静かに首を振った。


「あの時、グレイ様は命を懸ける必要はありませんでした。しかし、ソフィア様の為に己の危険を顧みず、ソフィア様の命を救っていただきました。そのような勇気を持った行動は、当然で済まされるものではありません」


 感謝の念を込めた目でグレイを見つめ、「本当にありがとうございました」と、再度頭を下げるユキ。


「それを言うならば、ソフィアを守り、追っ手を振り切ったお前に、我は感謝しなくてはならない。お前が懸命に動いた結果、我も命が救われたのだ。だから、我らはお互いに感謝し合う、対等な関係だ」


 グレイにそう言われユキは「ありがとうございます」と一言告げ、頭を上げる。しばらくして、ユキがグレイを覗き込むように見つめた。グレイはその反応に?マークを浮かべる。


「?どうしたのだ、まだ何かあるのか?」

「いえ…そのぉ……私も旦那様とお呼びした方がいいのかなぁ?と思いまして」


 ユキがチラとソフィアとフェンリルを見る。グレイは顔を真っ赤にして何か言おうとしたが、額に手を当てて、溜息をつく。


「ハァ……もうよい、お前の好きに呼ぶがいい…」

「はい、分かりました!」


 ユキが満面の笑みでそう言った。互いの主と従者が軽く話し合った後、ソフィアが他の三人に提案した。


「ここに来るまでに色々あったので、中々落ち着けませんでしたよね。改めて、お互いに自己紹介をしませんか?」

「む、確かにそうであったな。では、我からだ」

 そう言いグレイはマントをひるがえし、少年サイズなりに、威厳を出そうとする。

「我は魔族長……いや、元魔族長グレイ・ウラド・サリヴァンだ。種族は吸血鬼で、真祖の家系だ。そして、こやつは我の世話をしてくれている自慢の執事だ」

 グレイの紹介にフェンリルは前に出てお辞儀する。

「ご紹介に預かった、人狼のフェンリルです。家事全般、身の回りのお世話を得意としています、宜しくお願いします」 

「今は国を追われ、共に困り果てている状況だ、よろしく頼む」


 グレイが牙をみせ、クハハと笑う。


「はい、よろしくお願いします。私は元聖女のソフィアです。種族は翼人族で、戦乙女の部隊に入っていました。そして、こちらはその時から共にいてくれる、優秀な部下であり、友人です」


 ユキはペコリと頭を下げる。


「どうも、ユキです。私は父が翼人族、母が真人族のハーフです。剣術と札を使った聖術を得意としています。どうかよろしくお願いします」

「私たちも今は帰るところがないので、迷惑を掛けると思いますが、ご同行させて下さい」


 四人の自己紹介が終わり、グレイとソフィアが握手をした。


「うむ、こちらも厄介になるぞ!……では、本題と行こうか?フェンリル」


 グレイがフェンリルの方を向き、ソフィアとユキもそちらを向いた。


「はい、お二人が眠っている間に私とユキは、城の探索をしていたのです」


 グレイとソフィアはユキを見つめる、それにユキは静かに頷いた。


「探索をしている最中、気になったのですが。この城、数百年前に滅んだ国の物にしては、とても綺麗な状態で保たれているのです」

 そう言われグレイとソフィアは今いる所の周りを見る。


「…言われてみれば、確かに綺麗ですね」


 ソフィアが壁に人差し指を擦りつけ、指を確認しても埃が付いてないことを確認する。


「そうなのです、誰かが在住している可能性を考え、城の隅々まで探しました。ですが、人の気配は一つもありませんでした」


 そこでフェンリルは扉の方を見る。


「しかし、この扉の先の部屋に答えはありました。最初に見つけた時は驚きましたが…」


 他の三人も扉の方を見た。


「ふむ……では我らも確認するとするか。その答えとやらを」


 そう言いグレイが扉に手をかける。グレイとソフィアは互いに顔を合わせ、頷く。


 グレイが力強く扉を開けその先の光景を見せた。先の部屋の中心部には透明な水晶が台柱に乗っていた。


 水晶の台柱には背後の景色を映すほどに、透き通ったガラスのような球体が置かれていた。


 そのガラスの球体を見たグレイとソフィアが驚愕する。


「ま、まさか!これは国のコアか!?」


 フェンリルが頷いた。


 グレイの言った”国のコア“というのはその名の通り、国を創るときに核となるコアなのである。このコアには国を発展させる力があり、国の規模が大きくなるほど、このコアは巨大になり、そして厳重に保管される。


 コアは国を発展する力のエネルギーを、国に住んでいる者たちから微量の魔力、聖力を吸収し、そして蓄える。なので、国の住人が多くなるにつれて、吸収できる力の量が増え、発展する力は大きくなる。


 国の発展する力は主に、建築物を建てるために使ったり、国を守る守護者を召喚したり、住みやすい環境を創るために用いられる。


「ですが、第7次聖魔戦争で、この国は戦場となりました。その時に、なぜコアは壊されなかったのでしょうか?」


 ソフィアが疑問を投げかけた。


 国のコアで出来た国は発展こそ、コアのない国よりは容易く出来る。しかし、その代わり、コアを破壊すると、いとも簡単に国は崩壊してしまう。


 よって、コアが存在する国を攻める時は、コアを破壊する事が1番楽に、国を攻め落とせる手法で合った。


「恐らくですが、この国は聖界と魔界の境界線にあります。当時の聖魔戦争にて、偶然にも魔族と聖族が同時にこの国に侵略し、互いに攻めるに攻めれない、均衡状態になったのでは?」


 そうフェンリルの推理にグレイが同調する。


「うむ、その可能性は高い。この国は聖族にも魔族にも属さない完全に中立な国であったと聞く。国名は聖魔国であったな」


 グレイがそう言いユキが成程と手を叩く。


「成る程、完全に中立の国だったので、戦争にも加担せず、疎ましく思った聖族と魔族の両方が聖魔戦争の始まりと共に、お互いにこの国を侵略し、戦争に有利な陣地にと、考えたのですね」


 ソフィアが悲しみに満ちた表情になる。


「嘆かわしい事です…当時、たくさんの罪の無い人々が亡くなったことでしょう」


 四人は沈黙する、空気を変えるようにグレイが話を切り替える。


「……とにかく、そのコアが残っていたから城の状態が綺麗だったのだな」

「はい、私はそう考えます」

「ふむ……」


 グレイは透明のコアに近付き凝視する。


「このコア、見た所、更の状態だな。長い年月で中のエネルギーを全て失ったか?」


 ソフィアも背後から近づき、コアを覗き込む。


「本当ですね…透明な状態は初めて見ます、聖国のコアは神々しく光っていたのですが…」

「ほう、聖国のコアは光っているのか、魔国のコアは深淵のような暗闇に満ちていたぞ」

「そうなのですか、聖族と魔族ではやはりコアに宿る力が異なるのですね」


 聖族が力を宿した場合、コアは基本、白く光り出す。魔族の場合は、コアが暗い黒色に染まる。

 更の状態のコアをグレイはしばらく眺め続ける。そのグレイをソフィアが見つめ、語り掛けた。


「……どうしました?」


 グレイは下を俯き考えに耽る。しばらくしてからソフィアの方を向いた。


「ソフィアよ……我と一緒に新しい国を創らぬか?」


 フェンリルとユキはその一言に驚く、しかしソフィアは黙ってグレイを見続けた。 


「魔国を追われていた時に、我は思っていた。この魔界に巣くう、根強い聖族への嫌悪、それを完全に払う事は出来なかった…魔族長になった時、正直我は絶望したぞ。各地で起こる聖族への差別や問題、中には非道な虐殺もあった。必死に止めようとしたのだが、結局、幾分治っただけで、雪崩を一人で止めている気分であった。だから我は思ったのだ。この風潮を止める事は完全に無理なのだと」

「………」


 ソフィアも同じことを思っていたのか、難しい顔でグレイを見ていた。フェンリルとユキは二人の様子を黙ってみる事しかできなかった。


「そこでどうすれば良いか、瀕死の中で答えを探していたのだが見つからなかった。だが今、ここでお前といるこの瞬間に、答えを見つけた」

「……それが、新しい国を創るという事ですか?」

「あぁ…お前と我で聖魔共存の国を創り、聖魔戦争に苦しむ、人々に伝えていきたいのだ。聖魔は共に歩むことは出来るのだ、と」


 そう言い、グレイはソフィアに背を向けた。


「だが、お前がこのまま余生を静かに過ごしたいというなら、我もそうする。正直、もう一人では進んでいく自信が無いからな」


 ソフィアはグレイの背中に寂しさを感じた、恐らく魔国の事を思っていたのであろう。しばらくその小さな背中を見続けるソフィア。やがて、微笑みながらグレイに近付き、背中から抱きついた。


「な、何を!?」


 グレイはビックリする。


「フフ……そのように、聞かなくても良い事を聞かないでください。私の心は、貴方と繋がっているのでしょう?」


 そう言われ、グレイにソフィアの感情が流れ込む。流れてきたソフィアの気持ちを読み取ったグレイは、パッと笑顔になる。


「……よいのか!?ソフィア!?」


 


「…はい、私も薄々と同じことを考えていました。二人なら、また立ち上がれる、と」


 グレイは喜び、ソフィアに後ろから抱かれている状態から、お互いに向き合い、抱き合う状態へと変えた。


「感謝するぞ、ソフィア!」


 ソフィアは急に抱き返され、驚く。だが、その目は嬉しそうにしており、グレイを再度、優しく抱き返した。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 二人の様子を見ていたフェンリルとユキ。ユキは少し目を潤しながら嬉しそうに笑う。


「フフ……あの二人、まるで親子みたいだな」


 フェンリルが下を向き、目を閉じて微笑む。


「あぁ……そうだな」


 二人の主の夢が途絶えることなく、再発した様子にユキとフェンリルは嬉しく思った。

やっと住処がきまりましたね~(規模が国ですが)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ