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女王陛下の拳と婚約破棄?

作者: 雷ライ

勢いだけで、王太子の婚約者目線で進みます。



初めまして、私はコルネ侯爵令嬢

リラレーン・コルネと申します。

今日は私の身に起こった婚約破棄?に

ついてお話ししたいと思います。



まずは婚約者はデューティス・タハナ・コーノルメ王太子です。コーノルメ王国の第一王子です。三人兄弟で弟と姉がいます。

この方はまあ、モテるんですね。

こちらが引くほどに、金髪碧眼に精悍な顔だちほどよくしまった体に頭の回転が速く学問・剣術・魔法において完璧を誇ります。

しかし、欠点がありまして女性の声があまりお好きでないので、女性との会話は殆どなく性欲すらないのでは?と言われるほどです。襲われそうになっている身としては、否定します。

それから、信頼していない人間から愛称である「デュー」と呼ばれることを嫌がります。私はありがたいことに呼ばせいただいております。


そしてもう1人紹介しなくてはいけない人がいます、それはこの騒動の発端となったダンテル男爵令嬢サーシャ・ダンテル様です。

この方は、まあよくある元庶民とか孤児とかではなく生粋の貴族令嬢です。

しかし、何を学んできたのかというレベルで何も知らなかったのです。

そして、なぜか王太子殿下をはじめ、騎士団長や宰相、辺境伯に魔術団長のご子息たちは自分を愛していると言い出したのです。そして、私が考えていた以上に男性を虜にするのがお上手でした。


少し長くなってしまいましたが、ここからは回想といきたいと思います。

正直、いろいろなことがありすぎて思い出せないこともありますが…



8ヶ月前・王城での舞踏会にて


国王陛下が急に立ち上がり宣言したところから始まります。

「皆の者、聞いてくれ余はここで宣言する、現時刻をもって王太子デューティス・タハナ・コーノルメとコルネ侯爵令嬢リラレーン・コルネの婚約を破棄する‼︎そして、デューティスの婚約者は、ダンテル男爵令嬢サーシャ・ダンテルとする‼︎」


広間は静寂に包まれました。

自慢ではないのですが、正直私たちの年代は公爵家などの上位貴族は女の子が少なく、殆どが婚約者がいます。そして、その分甘やかされて育ったものが大半で、王妃教育を最後までこなせたのが私しかいなかったのです。

本と王太子殿下が好きであった私は、2つが揃う王城に通うことが楽しくて仕方なかったのです。

そして、いつも楽しげに勉学に励む姿を殿下が見初めてくださり、今に至ります。王太子殿下の結婚といっても無理のない範囲でしたら、決定権は王太子殿下にありますので、順調に恋愛もしています。

なので、デューティス様はすぐに復活して王に進言しました。

「国王陛下、発言の許可を願います。」

「よかろう。」

「私はリラレーン以外とは結婚するつもりはございませんので、婚約破棄はいりません。」

無表情で言い放つデューティス様

それを見て言い返す、国王陛下

「何を言う、デューティスよ。その女は、侯爵令嬢という身分をふりかざす悪女だぞ!それに対してサーシャは、中身も外見も素晴らしい娘だぞ、何が気に入らない」

と必死にデューティス様を説得しようとしていました。

「国王陛下にそのように言っていただけるなんて、私、嬉しいです‼︎」

と、サーシャ様は言っておりました。

しかし、皆様にはまだ話していませんでしたが、我が国は二君制で、国王陛下と女王陛下の両陛下がおります。

そして、国王陛下は婿養子ですので、王家の直系は女王陛下です。

必死にデューティスを説得しようとする国王陛下の横では女王陛下が氷の微笑を浮かべております。

そして、ゆっくり国王陛下の方を見て尋ねました。

「国王陛下、私はそのような話聞いてないのですが、どういうことでなのでしょうかね?」

恐怖です。笑っているのは口元だけですデューティス様もすぐに口を閉じて、女王陛下に視線を合わせました。この方ほど敵に回してはいけない方はいません。

国王陛下が不思議そうな顔をして言い放ちます。

「なぜそなたに相談せねばならないのだ?余は国王だぞ?」

と、その瞬間また広間は静寂に包まれました。


今度静寂を破ったのは、デューティス様ではありません。むしろ言葉でもありません。ゴンッ‼︎という国王陛下の顎に、女王陛下のアッパーが決まった音でした。怒り心頭に発する女王陛下はもう止まりません。制御装置を外したのは、国王陛下です。

「なぜ相談せねばならないのかですって、ヘェ〜、そういうこと言うのですか。国王陛下はご自分の置かれている状況をご理解されていないのね。私はあなたの妻である前に、この国の直系の王族にして、女王です。これ以上意味のわからないことを言わないでください。

なぜ、愛する我が子の婚約者に、あなたの愛人をあてがわなくてはいけないのです‼︎‼︎‼︎」

とてつもなく大きな声で叫ばれました。


こうなっては、デューティス様と私の出番はありません。

その後は怒涛の展開でした。

婚約破棄宣言は無かったことに、 女王陛下に対する不敬罪と言うことで議会で裁判が開かれ、国王陛下はご病気とのことで幽閉され、ダンテル男爵令嬢サーシャは、国家反逆罪で一生修道院生活です。女性の罪人しかいない専用のは修道院です。男性に愛されることを幸せとしているサーシャ様には耐えられない状況でしょう。もちろん、ダンテル男爵家は身分剥奪されました。


以上が8ヶ月前の出来事です。

私は現在無事にデューティス様の妻となり、2ヶ月前から王城で暮らしています。

女王陛下は早く引退したいそうで、私たちに孫を見せろと言ってきます。

この国は王太子が第一子を生まない限り王位を継承することは出来ないからです。

何事もなく過ぎていく日々を考えるとあの日の出来事が少しおかしく思えて仕方ありません。



二君制と言っていますが話でも書いた通り、女王陛下と国王陛下の2人で統治しており、女王陛下も強い権力を持っています、というだけです。深い意味はないです。

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