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一日一転 =日替わり転生生活=  作者: 青依 瑞雨
一日一転 =日替わり転生生活= 本編
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お久しぶりの魔女の体

「さすがにそれは無理だっての!!!」

 私は、大声をあげて飛び起きた。

 目の前には、見知った顔が一人。

 私がいきなり上げた大声にびっくりしたようで、目をパチクリさせている。

「おっ、お久しぶりです……ギフトさん……」

「あっ……、ああ、紅那ちゃん……久しぶりぃ……」

 辺りを見回すと、真っ黒の砂の砂漠。

 どうやら、もうすでに転生先のようだった。

 ……それにしても、前回のプランクトンへの転生はひどかったなぁ~。

 いくら魔法が使えても、クジラに捕食されたら無理だって話ですよ、ホント……。

 そんなことを考えながら、自分の体にこびり付いた汚れを払いながら立ち上がる。

 よくよく見てみれば、服も装飾もボロボロだった。

「……ふむ、【人世終界じんせしゅうかい】の奥義だね?あまり多用するのは、感心しないけどねぇ~」

「あっ、申し訳ありません」

 これで、この奥義を見るのは何回目だろうか?

 全てが終わってしまった風景を見るのは、心が痛くなってあまり好きではない。

 青い空と、黒い砂漠だけの世界。

 美しくも儚い、なんとも物悲しい風景だ。

 ……とは言え、過ぎてしまったことは仕方がない。

 終わった世界を元に戻すことなんて、私にも紅那ちゃんに不可能な奇跡だしね!

 いや、まぁ……ある能力拳法を使えば、戻せなくもないんだけど……残念ながら、私はその能力拳法の奥義を習得してない。

 習得していたところで、そもそもこの国に愛着が無いので、元に戻そうとは思わないのだけどね。

「まっ!とりあえず服を用意しないとね……。さすがにすっぽんぽんは、恥ずかしいし」

「あ、でしたら、これを使ってください。どうぞ……」

 そう言って、紅那ちゃんは、袖の長い上着を私にくれた。

「ああ、助かるわ~。ありがとう!」

 私は、長すぎる袖部分を引きちぎり、股間を隠すために使った。

 後は、上着を着れば、とりあえず大事な部分は隠せた感じになる。

 若干、ワイルドな感じになったけど、どうやら転生した先は獣人らしいので、むしろ似合っているのではないかしら?

 せっかく渡した上着を引きちぎられた紅那ちゃんが、微妙な顔でこちらを見ているが、それは敢えて無視させてもらった。

「ふむ……。黒い砂漠となった場所に心当たりは、2つしかない。ここは、元【ガラッパ】だね?」

「ええ、そうです。さすがは、ギフトさん。博識ですね」 

「まぁ、伊達に長生きしてないからねぇ~……。そっか、また一つ国が消えたのか……」

「ええ……。申し訳ありません……」

 私のつぶやきに、眉をひそめて頭を下げる紅那ちゃん。

 そんなつもりで出た言葉じゃなかったんだけどねぇ……。

「それにしても、まさかとは思ったけど……」

 ちらりと、自分の姿を【千里眼】でよく観察してみる。

 その容姿には、見覚えがあった。

 ZEROと月詠の【歩み】を確認して、確信する。

 今回の転生先。

 それは、魔女【猫又四檻ねこまたしおり】だった。

「まさかの3度目の魔女に転生か……。まぁ、ラッキーだったかな?せっかく、死の大地になったんだし、この場所も有効利用させてもらおう……」

「あの……、私はそろそろ失礼させていただこうと思うのですけど……」

 おっと!すっかり紅那ちゃんの事を忘れて、色々と考え込んでしまったようだ。

 紅那ちゃんの前で独り言をブツブツ呟いていた私、とっても恥ずかしい!!!

「あははは、ごめんねぇ~!せっかくだし、芭蕉家まで送ってくよ?」

「はえ?いやいや、そこまで甘えるわけには……」

「いいわよ~、大丈夫!あんな死闘をお互いに越えた仲じゃない!水臭いわね~!」

「???」

 頭にいっぱい?マークを浮かべて考え込む紅那ちゃん。

 おや?これは、もしかして……。

「紅那ちゃん、もしかして私と会うの何回目?」

「あ、えっと2回目だと思いますが……」

 あ、やっちまった……。

 実は、私、紅那ちゃんに会うの3回目だったりするのだ……。

 それは、私が【巣作蜘蛛】への転生を求めていた頃の出来事である。

 つまり、私にとっては3回目の出会いだけど、彼女にとっては2回目の出会いなのだ。

 んで、前回の出会いは、私のとって2回目だったけど、彼女は3回目と……。

 本当に、時空跳躍の転生は、色々とややこしいなぁ……。

 過去や未来と、あちこち行ってるから、感覚が狂うんだよねぇ~。

 たま~に昔のヌメっちに会っても、ちょっとよそよそしさ感じて寂しくなるしね。

「あの……」

 あ、また考え込んじゃってた。

 いけないいけない、ちょっと反省。

「あはは、私の勘違いだったわ~。まぁ、送るわよ。どうせ、奥義の影響で動くのも辛いでしょうしね」

「…………ギフトさん。貴方は、どこまで知っているんですか?」

 私のなんでも知っているような物言いに、少し警戒してしまったらしい。

 紅那ちゃんの目が細く、私を睨むような目つきに変わった。

 ……なので、私はおちゃらけた感じで爆弾をぶっこむことに決めた!

「私は、ほとんど知っている。紅那ちゃんが、勝悟くんのことを好きなことも知っている!」

 私の言葉に初めポカーンとした表情をした紅那ちゃんだったけど、意味を理解し始めた途端、一気に顔が真っ赤になった。

「なっ、なっ、なななな!!!何を言ってるんですか!!!わわわ私は、別に勝悟くんのことは……って、なんで勝悟くんのことも!!??」

「フッフッフ、さぁ~、帰るよ。お疲れさま!」

 慌ててしどろもどろになる紅那ちゃんをお姫様抱っこで抱きかかえると、【転送】で【マールド】まで行き、そこから芭蕉家まで紅那ちゃんを運んだのだった。


 そして、8時間後……。

「ふぅ~、抹茶って美味しいのね~。つい、いっぱいおかわりしちゃった~」

 私は、紅那ちゃんを送り届けたお礼にと、お茶とご飯を御馳走になった。

 長居してしまったけど、その分、紅那ちゃんと仲良くなれたのは良かった。

「まぁ、私はもう会えないと思うんだけどねぇ……」

 少し寂しいが仕方がない。

 私は、元【ガラッパ】へと再び戻ってきていた。

 紅那ちゃんから、泊っていくよう勧められたが、それは断った。

 まだまだ、やらなくてはいけないことがあるのだ。

 私は、気持ちを切り替えると、目を閉じて【猫又四檻】の【歩み】を視た。

「えっ!?」

 !!!!!!!!!!!!!!

 ??????????????

 唐突に繋がっていく真理が止まらない。

 唯一、分からなかった所が分かった瞬間に、次々と問題が解決していく感覚に似ている。

「…………ああ、理解した」

 全てのパズルのピースがカチリとハマる感覚。

 私は、これまで整理できていなかった『青卵から巣作蜘蛛までの【歩み】』も整理していく。

 そして、ものすごい勢いで、理解を深めていった。

 足りない最後のピース、それはこの魔女の【歩み】で補完出来た。

 私は、ようやく辿り着いたのだった。

 初めて会った私と同じ領域に!

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