念願のマイホーム
初めての【サルト】攻略にて、様々な情報を入手できたのは、本当に重要な経験になったと思う。
特に、ドラゴン種の肉にMP回復する効果があったというのは、ものすごく重要な情報だった。
何故なら、まだまだ【サルト】には、人間の知らないMP回復素材が、大量にある可能性が出てきたからだ。
もしかしたら、しらみつぶしに探してみるのもいいかもしれない。
案外、入ってすぐのところに生えていた植物なんかにも、MP回復効果があるのかもしれないしね。
そして、出来た親友……。
「う~ん、良い気持ち!」
私は大きく伸びをして、深呼吸をした。
竜族と呼ばれるドラゴン種は、基本的には800年が平均寿命だ。
しかし、その上位種族とも言われる龍族、龍種は、寿命がほぼ無いと言われている。
基本的に老衰で死亡することがないと言われているほど、長寿の種族なのである。
つまり、私は永遠の親友を手に入れたという事だ!
私のことを~よろしく~♪
「うふふふ……」
ヌメっちの事を考えるだけで、笑みがこぼれる。
いやぁ~、私のことを知っている人がいるってだけでも嬉しいのに、親友がいるんですよ、奥さん!
正直、周りが見ればウザイほどのテンションだと思う。
けど、私は気にしない。
それに、気にならないしね~。
……何故なら、この部屋には誰もいないから。
締め切ったカーテンの薄暗い部屋には、十数台のパソコンのモニターからの明かりで満たされていた。
私は、げっそりと痩せこけた色白の女性へ転生したようだった。
「ふむ、【歩み】を視ようか……」
結果は、デイトレーダーの孤独死だった。
「つーか、こいつこんなにお金持っているんだったら、施設に入るか、家政婦でも雇えばよかったじゃない!何、孤独に死んでるのよ……」
総資産38億。
これだけのお金があったら、もっと色々なことが出来たのにとも思う。
まぁ、【歩み】を視た後だからこそ言えるけど、この娘、一人が気楽で好きだったのよね。
他人との関わり合いが、めんどくさくて、だからこそ一人部屋にこもって生きてきたのだ。
正直、他人に飢えている私にとって、考えられない思考回路だ。
だって、孤独はつらいもん。
「まぁ、どうせだったら、わたしがこの資産を有効活用してあげようかね……」
私は、PCで今の年代を調べると、ちょうど【ウラヌス】が建国して3年後という、非常に都合のいい時代だった。
「よし、念願のマイホームを手に入れに行くぞ!」
私は、資産をかき集めると、【ウラヌス】へ【転送】で向かった。




