はっは~ん!そゆことねぇ~!
木草界には、MPを回復させる道具がある。
それは、装備品だったり、消耗品だったり、食べ物だったりする。
そのほとんどが、希少なうえに滅多に出回らない品物で、物によっては伝説級の品物もある。
そんな中で、比較的に安価で、コストパフォーマンスが良いものが2つある。
それが、【木草樹様の葉】と【木草樹様の花びら】だ。
この2つは、季節の変わり目に必ず一定の枚数だけ枯れ落ちる。
葉っぱは、秋から冬にかけての時期に、花びらは、春から夏にかけての時期だ。
枯れ落ちたものは、風に運ばれて秘境【サルト】から出ていく。
それを拾い集めて、煎じたお茶を【神葉茶】と呼ぶ。
これが、一番安価で手に入れやすい物だろう。
100g、およそ3000万と言われている。
「……」
あまりの内容に口を大きく開けたまま、固まってしまっていた。
なんだ、この胡散臭い通信販売みたいな内容は……。
そこは、せめて驚きの価格でもっと安くしてくれていれば、オチが付いて笑って本を閉じられていうのに……。
中途半端に信憑性を持たせようとするから、たちが悪い。
「ふぅ~……」
さて、この本どうしようかね?
もしも、本当に睡眠以外の方法で、MPを回復できるのならば、何を差しおいてでも優先すべき内容である。
だって、魂の存在である私にとってそれは、単純に生命線になり得る。
というか、一生寝ずに行動することだって可能になるかもしれない。
ただ、問題もある。
私は、一日しか同じ生物に留まれない。
だから、仮にそのMP回復アイテムを手に入れても、ずっと所持することが出来ないのだ。
せめて、倉庫みたいに預かってもらえるところがあれば、問題なくなるかもしれないけど……。
「…………あっ!?」
あることに気が付いて、思わず図書館で大きな声をあげてしまった。
キッ!とこちらを睨みつける人たちに、頭を下げる。
「おいおい……、そういうことかよ……」
それでも、興奮醒め止まぬ私。
ついに気が付いてしまったのだ。
未来の私たちが、この【ウラヌス】に入り浸っている理由に!
あくまで想像なのだけど、未来の私はMPを回復させる物を持っているのだろう。
開発したのかもしれないし、既存の物を多く手に入れたのかもしれない。
そして、それを大量に預けてあるのだろう。
この【ウラヌス】にある【緩やかなる時の倉庫】に……。
【緩やかなる時の倉庫】。
それは、この【ウラヌス】にしか存在しない魔法の倉庫である。
術式によって時間が緩やかに進む部屋で、お客様のお荷物をお預かりしますので、何十年、何百年、何千年だろうが預かり続けて見せます!
それが、その倉庫会社のキャッチフレーズだった。
私が、もしMPを回復させる物を手に入れたら、間違いなくここに預ける!
「もしかしたら、倉庫前で張ってれば、未来の私に会えるかもしれないわね……」
私は、黒い本を借りる手続きをして、図書館を後にした。
目指すは、【ウラヌス】の北部にある【時の倉庫株式会社】!
私は、私の考えの答えを求めに【転移】にて移動をした。




