全回復後の試練
あの後、色々な生物に転生を繰り返しながら、MPを回復した。
そして、ある程度MPを回復した矢先の転生がコレだったのだ……。
「んっ……、あぁ?」
文字通り、体中が痛かった。
痛くなったら、すぐ【自己強化再生】!
もう条件反射のように繰り返している魔法である。
失っていた下半身と右腕が生えてくる。
「なんだ?どういう状態だ?」
痛みがなくなった体を起こして立ち上がり、全身を確認した。
右腕と下半身を刃物のようなものでぶった切られていたようで、下半身は少し離れたところに落ちていた。
再生した下半身を見るに、今度の転生体は妙齢の女性のようだ。
「さすがに、下半身丸出しはまずいよなぁ……」
私は千切れていた下半身から、パンツとスカートをはぎ取ると、こっそり穿かせていただいた。
ふむ、状況を把握するためにも【歩み】を視ておきましょうかね?
・始まりの国【マールド】にて生を受ける。
・父親の影響で、【マールド】の実行部隊【聖心】を目指して体を鍛える。
・【聖心】に入隊し、能力拳法【重罪心疲】を覚える。
・武力の国【グランディア】から戦争を吹っ掛けられ、激化する戦場を駆け回る。
・【グランディア】の部隊の一つ【G-ru】に所属する【右狩り】に右腕を奪われる。
・【右狩り】に殺される。
「ぬぅ……」
よりにもよって、この戦争中に転生しちゃったのか……。
【エンシェントドラゴン】の記憶を呼び起こす。
この木草界では、部族や国同士の小さないざこざがあるくらいで、基本的に大きな争いになることは無い。
それは、国の創立者でもあり、国の守護者である【魔女】が秘密裏に解決をしているからだ。
そんな木草界だけど、大きな戦争が一度だけあったのだ。
武力の国【グランディア】の王が、全ての国を自分の支配下に置くために、片っ端から戦争を吹っ掛けて、侵略していったのが始まりだった。
【グランディア】が、化学の国【ファーベル】を制圧したことで、戦争が激化して、木草界全てを巻き込む大戦争に発展していったのだ。
残念ながら、この戦争では魔女は活躍できなかった。
暴走した【グランディア】王を始末しようと、【グランディア】の魔女が戦闘を仕掛けたが、逆に始末されてしまったからだ。
当時、最強の魔女と言われていた【グランディア】の魔女が殺されたことで、他の魔女たちは手を出せなくなった……。
(私的には、この時代の最強魔女は、【巣作庭鳥】さんだと思うけど、世間一般の評価だとそうらしいので割愛)
詳しいことは分からないけど、この時代になるまでには結構な数の魔女が死んでいて、2代目だったり、不在だったりしていて、現魔女たちの実力がなかったことも関係があるのだろう。
そして今、私がいる時代は、大戦争最終局面【グランディア】VS【マールド】の【マールド】陣営。
【マールド】の国王であり、【マールド】の現魔女でもある【倉坂封香】のいる城の中だった。
そして、私の転生先は、【マールド】の国王が指揮する実行部隊【聖心】に所属する、No.2の実力者【赤羽観梨亜】だった。




