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一日一転 =日替わり転生生活=  作者: 青依 瑞雨
一日一転 =日替わり転生生活= 本編
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ネタバレのエンディングを見たわけだが……

「あーちゃん!あーちゃん、目を開けて!」

 私のすぐ近くで、大声を上げている人がいた。

 その声に誘われるように目を開けて、自分自身を確認する。

 体中が傷だらけで痛い。

 特にお腹から下が無性に痛かった。

 それもそのはず、下のほうに目を向けると、私の下半身は10mほど先に千切れて落ちていた。

「自己強化再生」

 問答無用で行われる自己強化再生。

 もう、手慣れたものだ。

 うにょうにょっと千切れた部分と下半身が生えてくる。

 その姿を、茫然とした表情で見ている女性。

「ふむ……」

 周りを見渡して事態を把握した。

 どうやら、今回の転生先は、交通事故で轢かれた女の子のようだ。

 大型のトラックが、信号の先で止まっていて、警察官もいた。

 歩みを視るのは、ここを去ってからのほうがいいかなぁ?

 私は、目を見開いて驚いている人を無視して、その場を後にした。


「ん~……。これは、母親が悪いかな?」

 事故現場から遠く離れた山の中。

 自己強化を施した肉体を使って、一気に走ってたどり着いた。

 大きな岩に腰かけて、この娘の歩みを視たのだが……。

 この子、赤信号で横断歩道を渡ってやがる。

 しかも、母親は買い物に夢中で娘がいなくなったことにも気が付いていなかった。

 私が、トラックの運ちゃんだったとしても、絶対に避けられないタイミングでバッチリ飛び出している。

「こりゃ、運ちゃんの不運だわ」

 運ちゃんに同情しつつ、歩みを視るのをやめた。

 母親には悪いが、これならわざわざお別れの言葉をかける必要もないね。

 私は、考えを切り替えて、大きく深呼吸をした。

「さて、これからだ……」

 ようやく、落ち着ける状態に転生できた。

 したがって、考えるべきことは、あの時のこと……。

 木草界の神【アダモゼウス】。

 やっぱりというべきか、私の育成が十分になったら回収されるのが分かった。

 悲しいかな。

 私は、アダモゼウスにとって家畜みたいなものなのだ。

 私自身の自己なんてお構いなし。

 そりゃ、アダモゼウスから生れ出たものだから、あいつに所有権があるかもしれないけどさー。

 …………いや、そんなこと無いはずだ!

 そもそも、それがまかり通ったら、子供は親の所有物だってことになる。

 そんな馬鹿げた話あってたまるか!

 私は、アダモゼウスでは無い!!

 私は、卵だ!!!!

「……あぁ」

 ふと、心につっかえていたものが落ちたような気がした。

 そうか、私は卵だ。

 なんで、こんな簡単なことに気が付かなかったんだろう。

 ずっと、心に引っかかっていたもの。

 それは、アダモゼウスの魂の半分が私だということだった。

 半分なのだから、いつかは戻らなければいけないと勝手に感じていた。

 でも、それは素直すぎだよね。

 私が私という自我を持って、アダモゼウス自身に反抗心を燃やし始めたんだ。

 元は同じ物体かもしれないけど、もはやこれは他人と言っていいと思う。

 そうだよ、これが私で卵なんだよ。

 今まで心のどこかで感じていた、戻らなくてはいけない気持ちが完全に消え失せた。

「さてと……次だな」

 誰よりも強くなる!

 あいつに捕まらないためにも!

 私の目的を果たすためにも!

「……そのための魔法よね」

 幸いにも、ここは宗教の国【イブール】。

 魔法の国【ウラヌス】に近い国だった。

 行けるかどうか分からないけど、初めての【ウラヌス】を目指すのにぴったりの気分だった。

「よし、ちょっと無理しようか」

 私は、肉体に自己強化を掛けると、【ウラヌス】を目指して走り出したのだった。

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