不幸は続くよ~♪どこまでも~♬
参った……。
流石に【自己強化再生】をしていても、生まれたての子蜘蛛が鳥についばまれたら、そりゃ即死となる。
自然界においては、生まれついたら即獲物。
圧倒的な回復力を誇る魔法【自己強化再生】でも、即死級のダメージは受け流せない。
HP50の生物が、50ダメージ喰らってから、薬草を食べても効果が無いのと同じである。
ふむ、【自己強化再生】の欠点が徐々に明確になりつつあるようだ。
これからは、一撃死にも注意して行動せにゃならんのぅ。
あと……。
ゴオオオオオオオオオオオ!!!!
生まれたばかりの状態に転生した場合は、注意が必要だね。
目も開かない。
歩くのもままならない。
聞こえるのは、何かの機械が作動している音のみ。
そして、恐ろしいまでの冷気が体に降りかかっていた。
今回の転生体には、毛すらないので、モロに冷気の影響を受けてしまっていた。
赤ん坊の転生体がなんでこんなところにいるのだろう?
【自己強化再生】は、あくまで自分の身体機能を向上させる魔法なので、寒さや熱さを防ぐような万能さはない。
使用すれば、少し凍死するまでの時間を延ばすことくらいなら出来るだろうが、延ばしたところで何も出来ることは無い。
無駄なMPを消費するほど、今の状態に余裕はないのよね。
一応、歩みだけ視ておいて、どんな状況なのか確認をしておこう。
・生まれる
・凍死
……なんだ、こいつの歩み。
こいつ、本当に生まれてすぐに凍って死んでるぞ?
え?どういうこと??
私の転生先が、鼠ってのは分かったんだけど、凍死する意味が分からない。
そんなに過酷な環境に生まれたのか?
あぁー、ダメだ……。
鼓動が止まる……。
意識が……。
まだ、卵には理解ができなかった。
鼠という存在が、どれほどまでに実験体として優れているのかを。
鼠という存在が、どれほどまでに餌としての栄養価があるのかを。
生まれてすぐの鼠は、ピンクマウスと呼ばれる。
そして、ペットとして飼われている爬虫類や鳥類などの重要な餌にもなるのだ。
その際には、保存用に凍らされる。
生まれてすぐに、餌として凍らされる。
命とは、食べ物である。
そして、生きるとは、命をいただく行為なのだ。
食べられるほうは堪ったものではないが、これも生物が生きるためには必要な行為。
決して、残酷な行為ではない。
とはいえ、餌のために生まれてきた命を可哀そうと思ってしまうのも悪い事ではない。
命をいただくことも、いただく生物を憐れむことも、悪い事ではない。
それが、人間なのだ。
まだまだ、魂の存在である卵には、到底及びつかないところである。
<今回の転生で学んだこと>
・鼠の知識




