怯える私
「っ!?」
バッとものすごい勢いで、体を起こす未来の私。
そして、私と目が合う。
「ども、未来の私!2回目だね!」
軽い感じで挨拶してみるが、返事がない。
もちろん、今はただの屍でもない。
というか、彼女の様子がどうにもおかしい。
まるで、何かに怯えているかのように震えて、キョロキョロと辺りを見渡している。
「……何かあったの?」
心配になって声をかける。
私の目から見て、彼女の状態は異常だった。
なんで、前回会った私より遙かに強そうな私がこんなに怯えているのか気になった。
「……ここは、サンターヌの丘?ってことは、あの時間帯ってことなのね……。まずいなぁ……」
なんか、私を無視してブツブツ呟く未来の私。
非常に気分がよろしくない。
「人の質問には、しっかり答えないと駄目だよ!そんな子に育った覚えはないよ!」
ガツンと叱ってみた。
こういうのは、人生の先輩とか後輩とか関係ない。
悪いところを注意するのは、当然のことなのだ。
「悪いけど、そんなに余裕がないの。……えっと、若い時の私よね?」
彼女の言い方に頬を膨らまして抗議したまま、首を縦に振る。
ああ、嘆かわしい!
なんで、こんな素直じゃなくなってしまったんだ、わたしぃ!
「そ……。じゃあ、先輩からのアドバイス。強くなりなさい!誰よりも!」
「?」
いきなり何を言い出すんだろう、このお人は?
私が感じる雰囲気からして、相当に鍛えているのが分かる。
それこそ、魔女【月詠】なんかより圧倒的に強いだろう。
これより、強くなれとおっしゃるのかしら?
ご冗談をw
「みぃぃいいつけたぁああ♪」
突然、私の背後から声が聞こえた。
急いで後ろを振り返り、体が凍り付いた。
声の主の姿を見ているだけで、自然と体中から汗が吹き出す。
体がガタガタ震え、喉がカラカラになる。
いつ現れたのかも、なんでそこにいるのかも分からなかった。
「お久しぶりねぇ~♪卵ちゃん♪1分振りかしら?」
そう言った彼女は、今の私ではなく、未来の私のほうを見ていた。
絶対的強者、最強神、世界一、どんな言葉でも足りない木草界で一位の存在。
神【アダモゼウス】がそこにいた。




