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一日一転 =日替わり転生生活=  作者: 青依 瑞雨
一日一転 =日替わり転生生活= 本編
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お母さん

 アダモゼウスがその鈴ちゃんに似た女性の下腹部や金色に光る球体を持っていくと、金色の球体はスッと女性の体内へ消えていった。

 一体、私は何を見ているのだろう?

 私が彼女を鈴ちゃんに似た女性と判断したのは、その女性は鈴ちゃんよりも年齢が上だったからだ。

 【不老】の特殊能力を持つ、鈴ちゃんは永遠に年をとらない。

 その女性は、まるで鈴ちゃんが年齢を重ねて妙齢になったような身長と体形をしていた。

「ふふふ、その考察は中々鋭いわよ。……卵?……アダモ?……まぁ、卵ちゃんだから、卵ちゃんでいいか。この肉体は、ZEROの研究所から盗んできた彼女のコピー品、クローンよ!まぁ、この肉体自体には【不老】の能力は無いから老化は現在進行形でしているんだけどね……」

 アダモゼウスはそう言って、ガラス筒をコンコンと軽く叩いた。

「この肉体は、神様を産む母体に選ばれたわ。本当は本物オリジナルが良かったんだけど、彼女は壊れちゃったからねぇ~……、本当に残念♪」

 私に歯があったら、思いっきり噛みしめているだろう。

 それぐらい腹が立っていた。

 何もかも捨てて、吸収したアダモゼウスの魂を使い、こいつを始末してやりたいほどに……。

 しかし、私が吸収したはずのアダモゼウスの魂は、何も私に力を貸してはくれない。

 彼女の意思が邪魔をすることを許さないのだろうか……。

「ふっふっふ、物騒な事を考えてるわねぇ~卵ちゃん。でも、残念ながら旧アダモゼウスの魂は、絶対に16歳までは目覚めないわ。その時に、記憶の共有がされるから色々と分かるようになると思うわよぉ~♪まぁ、もっとも、その時には貴方、消えちゃうんだけどね!」

 ころころと鈴を鳴らすように笑う、その姿に腹が立つ。

 真実やこいつらの狙いは、私には残念ながら分からない。

 加えてこいつらは、それを教えようとしない。

 唯一分かる瞬間が、私とアダモゼウスの人格が交代して、記憶が共有され、私が消える瞬間だと言う。

 ……私は、ある決心を固めた。

 それを深く考える事と言葉に出すようなことはしない。

 こいつにそれを悟られるわけにはいかないのだ。

「ん?そうしたの、卵ちゃん。おっかない顔…っていうか、……雰囲気して?」

 別に……。

「そう、じゃあ話を続けるわね。この母体を優秀な雄の元へ送り込むの。そして、交尾をしてもらうわ……。アダモゼウスが生まれるにあたり、優秀な遺伝子でなければ意味が無いのぉ~。最強の素質を持つ男を、私は長い歴史の中でようやく仕込んだ。そいつの元へ、彼女を送り込む!」

 最強の男?

「くっくっく、貴方、自分で言っていたじゃない。長い木草界の歴史の中で、【最凶の犯罪者】だって……。あの木草樹の100年の成果を簡単にぶち壊すほどの天武の才を持つ者よ……。貴方・・転生・・!」

 っ!?まさか!!

 私の動揺に、アダモゼウスがニヤリと笑った。

「そう、男の名前は【巣作すづくり 蜘蛛くも】!そして、この母体の名前は、【ヒバリ・メルサック】!この2人を無理やり夫婦としてくっつけて、アダモゼウスを産んでもらう!いや、もう産むことは、決定事項だ!お前の【歩み】の中にもあっただろう?蜘蛛は、ヒバリと子を生していると!」

 ぐぐぐ……。

 私は、アダモゼウスの言葉に何も言えなくなってしまった。

 確かに、【歩み】では、【巣作 蜘蛛】は【ヒバリ・メルサック】と結婚し、子供を儲けていた。

 しかも、2人もだ。

「ちなみに、私の家族にバレた場合の疑惑を避けるため、第一子は、まったく関係の無い子が産まれる様に母体へ設定してあるわ。アダモゼウスが生まれるのは、第二子としてよ……。ふふふ、よかったわねぇ~、お兄ちゃんかお姉ちゃんが出来るわよぉ~♪まぁ、姉妹なんて碌なもんじゃないけどねぇ~……」

 何故か、アダモゼウスは自分の家族を必要以上に警戒していた。

 さっきから、ずーっとそれを感じている。

 しかも、家族に対して良い感情を抱いていないのもなんとなく感じ取れた。

「さぁ~て、お話はおしまいよ。先ほどの金色の玉は、第二子として生まれるアダモゼウスの肉体の材料になる。そして、その中に入るのが貴方よ、卵ちゃん!せいぜい、無事に16歳まで生き永らえなさい~♪もっとも、私も色々と監視しているけどね!」

 アダモゼウスの手が伸びてきて、私は彼女に掴まれた。

 そして、私は【ヒバリ・メルサック】の体内へ押し込まれた。


「さぁ~て、動作確認も出来たし、後はコレを過去に送るだけだなぁ……」

 アダモゼウスは、【ヒバリ・メルサック】の入ったガラス筒を見て、そう呟いた。

 旧アダモゼウスより、計画に必要なため【過去に物を送り込む】時空能力だけを継承されていた。

 【巣作 蜘蛛】は、今よりも過去に存在していた人物だ。

 必然的に【ヒバリ・メルサック】も過去へ飛ばさなくてはいけないのだ。

「じゃ、オート設定にしてっと……。2人産むまでは壊れてくれるなよ~!」

 【ヒバリ・メルサック】の中には、魂が入っていなかった。

 アダモゼウスが手に持ったスマートフォンで、自由に操作が出来る人口生命体であり、自分の意思を持たない生物なのだ。

 魂を入れるという事は、自由な意思を持つという事だ。

 自分で考えて自分で行動する生物を操作することの難しさは、連合帝国【アダモグランディス】を造った時に知っていた。

 何故ならば、アダモゼウスには【木草の里】を滅ぼす気なんて無かったのだ。

 むしろ、当時の木草家は、アダモゼウスにとって必要な存在だった。

 それを勝手に暴走解釈した参謀長の一人が滅ぼそうとしていたというのを、後で知った。

 あれは遊びだったからまだ良いが、今回は遊びでは無い。

 神の座を捨ててまで挑む、最大級の計画なのだ。

 失敗は許されない。

 だから、【ヒバリ・メルサック】には魂を入れなかった。

「さて、じゃあ……頼んだわよ……」

 ガラス筒から出して、服を着せた【ヒバリ・メルサック】を立たせる。

 そして、アダモゼウスの全能力を注ぎ込んで、少しの狂いも無く、過去へ彼女を送り込んだ。

 【巣作 蜘蛛】は、【ヒバリ・メルサック】と運命の出会いを果たすのだった。



 【ヒバリ・メルサック】のお腹の中に入った途端、意識が急激にぼやけていった。

 微睡むような感覚。

 まるで、母親のお腹の中で眠る赤ん坊のような感覚に変化していく。

 もう周りで聞き耳を立てている者はいなかった。

 私は、ここでようやく意思を固めることが出来た。

 私が赤ちゃんへ戻る前に、決心したことを反復する。

 私は、 絶 対 に 諦 め な い !

 鈴ちゃんは無理だとしても、ヌメっちは絶対に助ける!

 私が去る直前、ヌメっちの体が僅かに動いたのを見ていた。

 光の粒子になりながらも、ヌメっちは生きていたのだ!

 もう一度、【木草界】に生まれることが出来るのなら、私は絶対に諦めない。

 生きることを諦めない!

 救うことを諦めない!

 私がもう一度、木草界へ生まれる意味は、きっとそれなのだ!

 残してきた後悔を払拭する!

 アダモゼウスの思い通りになんかさせるものか!

 私は、私だ!

 アダモゼウスなんかじゃない!!

 そこまで強く思ったところで、感覚が鈍り意識が暗転していった。

 次に目が覚めた時、私はどうなっているか少しだけ不安に思った。

 でも、大丈夫だ!

 もう1日だけの転生を繰り返す毎日は、終わったのだから……。

 毎日は必ずやってきて、少しずつでも前に必ず進めるのだから……。


 一日一転 =日替わり転生生活= お・し・ま・い♪

「これで、終わり!?舐めとんのか!!」

 私だったら、間違いなくこの言葉が出てきますね……。

 大丈夫、ご安心ください。

 これで第1部が完となるだけです。

 また、準備が出来ましたら、毎日18時投稿を第2部で続けさせていただきたいと思います。

 まぁ、第2部は、思ったよりも日常パートだらけになってしまうと思いますが……。

 それまでは、登場人物紹介や、木草樹の歴史、卵ちゃんの軌道などを、随時更新していくことになると思います。

 必ず、毎日投稿するようにしますので、よろしくお願いいたします。

 では、第1部は、これにて終了です。

 最後までお付き合いくださった方々、本当にありがとうございました!


 追記:7月15日

 作品の続きを書き始めました。

 【転生少女アダモちゃん ~神様の計画ぶっ壊します!~】

 http://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n7534ec/

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