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一日一転 =日替わり転生生活=  作者: 青依 瑞雨
一日一転 =日替わり転生生活= 本編
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戦争

「!?」

 目が覚めるとそこは、地獄だった。

 鼻をつく焼ける生き物の臭い。

 耳をつんざく断末魔の叫び声。

 私の周りで、無数の殺し合いがされていた。

「ガルギュディア!マナルルコヲヲ!!」(訳:おい!こいつ、生き返ったぞ!!)

 一人の男が、大地に横たわる私を指差し、仲間に呼びかける。

 残念ながら、まだ私の知らない言葉のようで、何を言っているのかわからない。

 しかし、何をしようとしているのかは、動きで理解できた。

 男の声に反応した者たちが、私に向かって槍を振り上げ、襲い掛かってこようとする。

 こいつら、私を殺す気だ!

 慌てて体を起こそうと力を入れた途端、全身に激痛が走った。

 あちこちから、血が噴き出し、体温まで流れ出ていくような感覚。

 これは、全身を刺し貫かれているな……。

 痛みで傷の具合を理解するのとほぼ同じタイミングで、槍を持った男たちに囲まれた。

 激痛で体が起こせなかったため、とても逃げられそうもない。

「ちょっと、ま……!?」

 私が言うより早く、男たちは槍を振り下ろし、私を再度串刺しにする。

「づぅ!!いっったいなぁ!!」

 咄嗟に両腕で、頭を庇う。

 幸いにも、頭部は深刻なダメージを受けなかった。

 しかし、体を貫いた槍が、私の命を奪おうと引き抜かれ、再度振り上げられる。

「……調子に乗んなよ」

 私は、【自己強化再生】の魔法を使うと同時に、男の一人に体当たりをして思いっきり吹き飛ばす。

 男は、十数メートル吹っ飛び、囲いに隙間が出来た。

 私は、急いでその隙間から飛び出し、男たちに囲まれている状況から逃げ出すことに成功する。

 地面を転がるように逃げ回り、その勢いのまま立ち上がって構えた。

「話し合いで解決はできなそうだねぇ……。言葉が分かんないし」

 月詠の知識とプラナリアの知識によって完成した魔法【自己強化再生】。

 MPを使用している間、自身の肉体の性能が5倍になり、破損部位が高速再生がする。

 欠損部分は、復元される超便利魔法である。

 欠点は、使用している間MPがゴリゴリ削れていくことだが、前々回のクラゲ、前回のオウムと立て続けに精神を休めることに成功しており、MPはほぼ回復していた。

「悪いけど、次に人型になったら、試してみたいことがあったんだよ。実験に協力してもらうね!」

 私が試してみたいこと。

 それは、月詠以外の肉体での強さだった。

 現時点で、私が身を守るための技術は、【自己強化再生】と【暴傷外与】の2つしかない。

 自己強化で強化された一般人が、暴傷外与を使用した場合の破壊力を確認しておかないといけない。

 それによって、今後の生存競争に打ち勝つ確率も大幅に上がるだろうからね。

 槍を手に襲い掛かってきた男たちを前に、私は拳を振るった。


 えー、結果から言うと槍を持った男たちに勝った。

 …………槍を持ち、武装した500人ほどに。

 この2つの技術半端ないわー。

 さすがは、国の頂点である魔女の技術。

 特に苦戦らしい戦いもせずに、全員を沈黙させた。

 ああ、ただ動けなくなるまで痛めつけただけで、殺しちゃいないよ。

 手当しなくちゃ死んじゃうだろうけど、それは私の知ったことではない。

 それにしても、いまいち実感が分からなかったが、自己強化の5倍の強さになる効果がヤバイなー。

 RPGで攻撃力が2倍になる魔法やスキルを想像してほしい。

 あれの5倍バージョンだ。

 弱くないわけがない。

 ただ、今回は元々のポテンシャルが高い肉体だったってのもある。

 実際、赤ん坊やカエルなんかに転生して、5倍強化したところで、槍で武装した大人の男性にはまず勝てないだろうしね。

 そういう意味では、この戦士の体に転生できてよかった。

 ようやく静かになった戦場で、腰を下ろし歩みを覗き視る。

 重傷を負ったお仲間たちのうめき声が聞こえるが、それは無視して集中させてもらおう。

 この戦士の歩み次第では、助けてもいいけどね。


 ・多数の異種族が暮らす国【テントナル】にて、生れ落ちる。

 ・昆虫人で蜻蛉の血統を持っていた。

 ・国を守るため、軍に所属していた。

 ・蜻蛉の利点を生かし、素早い機動力と強靭なあごの力、更に広い視野を活かした戦士となった。

 ・彼が軍に所属して7年目に【テントナル】を征服しようと、ある国の軍隊が攻撃を仕掛けてくる。

 ・その国とは、武力の国【グランディア】。

 ・初めての防衛戦で、相手の武力と数の多さに負けて、本軍は撤退。

 ・本軍を逃すために、わざと戦場に残り、敵を引き付けていた。

 ・だが、捕まって槍で串刺しになり死亡した。


 ふむ、この人……。

 本軍を逃がせたことで、満足して死んでるなぁ。

「じゃあ、いいかな。特に【テントナル】側を助けなくても……」

 結構、MP使っちゃったし、どっか安全な場所で寝よう。

 こうして、私は戦場を後にしたのだった。


 後に、彼は一人で敵を全滅させた男として英雄となる。

 卵は気が付いていなかった。

 この戦闘にて、攻め込んできた敵のほとんどを倒してしまったことに……。


 <今回の転生先で得たもの>

 ・【テントナル】の知識。

 ・蜻蛉の昆虫人の特性。

 ・基本的な武器の使用方法。

毎日更新頑張るぞぃ!

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