暇を持て余した神様
「う~ん、やっぱりいないなぁ……」
木草界をしらみつぶしに探したが、残念ながら卵ちゃんを探し当てることはできなかった。
「病院の裏山にいたカマキリから、病院のばーさんに転生したところまでは、確認してたのになぁ」
楽しみに行方を追っていたら、いつの間にかばーさんが死んで、卵ちゃんが消えていた。
ばーさんの死体を確認したが、どこにも異常はなかった。
「誰かがちょっかいかけているのは、間違いないと思うんだけどな……」
今の木草界で、私に介入できる生物は、一匹もいない。
ということは……。
「未来からかな?……時間跳躍なんて、私にもできないのにやってくれる」
相手は誰だかわからないが、私の楽しみの邪魔をするなんて舐めた真似をしてくれる。
卵ちゃんを消滅間際まで転生させてから、回収して私の糧にする。
そうしたら、また分裂させての無限ループを計画していたのになぁ……。
「熟成するのだったら問題ないけど、万が一、消滅でもしちゃったら、全部の計画がオジャンになるわねぇ……。それだけは、避けないと……」
それにしても、問題は回収方法だ。
私には、まだ時間を操る力が無い。
故に、もし卵ちゃんが時間跳躍しているのだったら、捕まえようがない……。
「んっ?」
ふと、足元に手紙が落ちているのに気が付いた。
拾い上げて、中身を確認すると、私宛の手紙だった。
『アダモぜウス様へ
どうも、元気しってる~?
私は、とても元気で気分がいいです。
きっと、あなたのことだから、卵ちゃんのことで心配しているでしょ?
心配しないで、修行でもしてなさい。
卵ちゃんは、私に任せておいてちょーだいな!
あなたが、時空跳躍と新たな分裂を覚えたときに、卵ちゃんを迎えに行ってあげてね。
そうすれば、きっと最高の結果が待っているでしょう』
「ふ~ん、じゃあ私は、修行でもしようかな?」
私は、笑みをこらえて、手紙をポケットにしまった。
「新しい分裂ねぇ~。……そういえば、体の分裂はまだだったなぁ」
面白いくらい頭の中にアイデアが浮かんでくる。
これからの楽しい楽しい成長計画。
私が高みへ往く為の計画。
「あ~、今から卵ちゃんを迎えに行くのが、楽しみになっちゃったじゃない♪」
ポケットの中の手紙には、差出人の名前があった。
「早く、迎えに行きたいなぁ☆」
その差出人の名前は、【アダモゼウス】だった。
未来の自分からの手紙に、期待が膨らむ。
早くそこにたどり着きかなくてはと、アダモゼウスは、修行を開始した。
一方、その頃の卵はというと……。
「芋虫うめー!!」
老衰で死んだオウムに転生していた。
<今回の転生先で得たもの>
・巣の作り方
・鳴き声の知識
・翼での飛び方
・素嚢の使い方
<アダモゼウスのイメージ図>




