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一日一転 =日替わり転生生活=  作者: 青依 瑞雨
一日一転 =日替わり転生生活= 本編
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お世話になりっぱなし

 ドス子を連れて【サルト】を訪れると、そこでは、庭鳥さんがヌメっちを鍛えていた。

「ひぃぃ~!!!!きっ、きついいいいい!!!!!」

「あと、89632回でしゅ。ほら、さっさとするでしゅ!」

 腕立て伏せをするヌメっちの上で、庭鳥さんが座りながら本を読んでいる。

 庭鳥さん程度の重さで音を上げるヌメっちではないので、きっと庭鳥さんは自身に【重力魔法】でも掛けているんでしょう。

「おっじゃま~!」

「おお!卵!!よく来たなぁ!」

「ん?ああ、卵ちゃんでしゅか……。そろそろ、来ると思ったでしゅ」

 さも当たり前のように言う庭鳥さん。

 なんで、この人は、こちらが困っているときに、必ず現れてくれるんだろうか?

「……その感じは、もう色々知ってるんですか?」

「当然でしゅよ。【ファーベル】の大量殺人事件は、世界中でニュースとして放送されてましゅし、私自身も、【エンシェントドラゴン】のように、あちこちに【魂糸】を伸ばして、常に最新の情報を得る様にしてましゅしね!」

 こちらを少しも見ずに、ヌメっちの上でただ本を読み続ける庭鳥さん。

 その感じは、大人の女性って感じですごく知的なんだけど、見た目が幼女なのと、汗臭いマッチョの背中の上ってので、色々と台無しになってしまっている。

「で、その子が、例の殺人犯でしゅか?」

「ああ、そうです……」

 未だに寝息を立てているドス子ちゃんは、私の足元で横になっている。

 庭鳥さんは、ヌメっちから降りると、ドス子ちゃんの近くまで歩いてきた。

「なんや、なんや?一体、なんかあったんか?」

「ヌメっちには、関係ないでしゅよ。というか、暑苦しいから、さっさと【擬態】で蛙の姿に戻れでしゅ!」

 さっきまで修行してたから、人型に戻ってたのに……と悲しそうな顔をして、ヌメっちは蛙の姿へ戻った。

 ……後で、慰めてあげよう。

「さて、卵ちゃん。この子でしゅが、私が預かろうと思うのでしゅが、いいでしゅか?」

 庭鳥さんは、ドス子ちゃんの髪を撫でながら、いきなりものすごい提案をしてきた。

「ええ!?いや、まぁ……私としては、願ったり叶ったりですが……」

 ぶっちゃけると、ドス子の身柄を預かったのはいいけど、扱いに困っていたのは事実だ。

 なんせ、世界中に指名手配されていてもおかしくない殺人事件の犯人だ。

 幸い、この未開の地【サルト】の中までは、人間の手が入ってくることは無いと思うけど、ここには木草樹がいる……。

 私や、庭鳥さんならともかく、普通の人間がこの【サルト】にいること自体、危険なのだ。

 もし、この場に、【サルト】の生物が姿を現したら、あっという間に【木縁樹草風華きえんじゅそうふうか】を纏って、ドス子へ襲い掛かるだろう。

 とてもじゃないけど、この【サルト】にもドス子の居場所は無い。

 同じように、私たちの別荘【ダルスティン・ローズ】邸でも、もし庇ったとしたならば、色々と問題になるだろう。

 正直、色々と持て余していて、それをヌメっちに相談しに来たのだった。

 それを、先回りして……本当に庭鳥さんには頭が上がらない。

「私が住んでいる【メフィスト】は、王と、私と、あと数人の実力者しかいない島でしゅ。他の国とは違って、警察や政治なんて存在しましぇんから、この子でも安心して暮らしていけると思いましゅよ」

「なんですか、庭鳥さん!天使ですか!!」

 私の言葉に庭鳥さんは、何故かギクッとして、こちらを見た。

 あれ?私何かおかしなこと言ったかな??

「はっ、はは。面白い冗談を言」

「きゃああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

 何かを言いかけた庭鳥さんの言葉を遮る絶叫。

 それは、起きたドス子ちゃんの口から発せられたものだった。

「かっ、かっ、かえるぅううう!!!!!!!」

 ドス子ちゃんは、ヌメっちの姿を見て、怯えながら後ずさった。

 あー、そっか……【超越蛙】のせいで、蛙にトラウマができたんだ……。

「いやいや、おじょーちゃん!儂、怖あないで!」

「ひいいぃいいいいい!!!」

 その様子を見て、庭鳥さんは溜め息を吐いた。

「やれやれ、色々とややこしくなる前に、私は、彼女を連れて【メフィスト】に戻りましゅね。また、近いうちに、彼女の様子を伝えに会いに行くでしゅよ」

 庭鳥さんは、そう言うと、ドス子ちゃんを引き連れて【転送】を使ったのだった。

 後に残されたのは、私と、かなり傷ついた様子のヌメっちだけ。

「らっ、らぁ~ん。儂、怖いか?」

「んーんっ、カッコいいよ!」

 私は、ヌメっちの頭を撫でながら、彼を慰めた。

 あーあ、やっぱり私って、蛙には甘いなぁ……。


 アダモゼウスが回収に来るまで、残り77年。


 <今回の転生で得たもの>

 ・【超越蟲】の知識

 ・【天才】の知識

 ・【特異能力】の知識

 ・【ドス子】の未来

 ・友人【双葉】ちゃん

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