直ちに影響はない!
「え?どゆこと??」
私は、双葉ちゃんからの説明を受けたにも関わらず、何一つ理解できていなかった。
いや、理解はしたんだけど……頭が追い付いていないというか……。
「あの、くっ、詳しくは、彼から聞いてください……」
「彼?」
双葉ちゃんはそういうと、自分の胸元辺りをじっと見つめた。
つられて、同じように薄い胸を見ていると、半透明の蛙がそこから顔を出した。
「どぉ~も!お初にお目にかかるねぇ!私、【超越蛙】の無効と申す者。よろしく!」
「……」
あまりの展開に軽く眩暈がした。
おっと、いかん、いかん!
こんなところで、倒れているわけにはいかない!
私は、頭を振ってシャキッとする。
「んで、さっき双葉ちゃんが言ったことなんだけど……」
「ああ、お嬢ちゃんからの説明で理解できなかったのかなぁ?ギフトと言えど、万能ではないのだな!」
イラッ……。
私は、こめかみをピクピクさせながら、先ほどの双葉ちゃんの様子を思い出していた。
「双葉ちゃん、双葉ちゃん!!」
私は、ドス子を生き返らせて治療した後に、倒れて動かなかった双葉ちゃんの元へ駆け寄った。
すぐに【魂糸】で、双葉ちゃんの状態を確認しようとしたけど、その前に双葉ちゃんは目を覚まして、ゆっくりと起き上がった。
もしかしたら、双葉ちゃんも【超越者】に……。
そんな私の考えが、双葉ちゃんの距離を【転移】で開けさせ、私を臨戦態勢状態へ移行させた。
しかし、そんな私にかけられた言葉は、予想外のものだったのだ。
「直ちに影響はないそうです!」
「は?」
いや、あのね……。
【超越蟲】が宿ってすぐに精神へ影響しないって意味なのは、理解したのよ。
でも、これだけのことをやらかした原因に、いきなり気軽に挨拶してこられても、脳の処理が追い付かないわけよ。
私は、周りを見回すと、大きなため息を吐いた。
豪雨によって血は洗い流されてはいるものの、生臭いにおいと肉があちこちに散らばっている。
「また、随分派手にやらかしましたねぇ~。私の前の宿主は!お見事と言えるでしょう!」
「お見事じゃないわよ!こんなにも人を殺しておいて、何にも思わないの!!」
「ん?おかしなことを言いますなぁ~!所詮世界は、弱肉強食!!強い者が弱い者に淘汰されていく世界ですよぉ!弱い者が死ぬ!当たり前のことです!」
「あんたねぇ!」
「……それに、やったのは私ではなく、宿主でしょう?私は、力を与えただけ。行使したのは、あの女のはずです。違いますかな?」
プツーン!
この蛙の一方的な言い分に、普段あまり怒らない私だったけど、些か頭にきた!!
この蛙、命を軽視し過ぎである!!!
「あんたねぇ!命の一つ一つには、それぞれの生き方ってのがあるのよ!それを、むやみに摘み取るような行為は、許されるようなものではないわ!!食べるためとか、生きるため以外には、勝手に生物を殺してはダメよ!!」
蛙は、黙って聞いていたが、私が話し終えてから、馬鹿にしたように鼻で笑った。
「それは、人も同じだろう?」
「!?」
「人も、むやみやたらに自然を破壊する。間接的にだが、生物の命を一番多く無駄に消耗しているのは、間違いなく人だと思うけどねぇ~。大体、おこがましいんだよ……。この世界で、後から進化して二足歩行になった生物風情が、まるでこの世界の王のように振る舞いやがる……。この世界の頂点は、木草樹だ!その木草樹が過ごしにくい世界を作ろうとしてるってんだから、そりゃ、天罰が下ってもおかしくないだろうが!」
ぐぐぐ……、私も転生を繰り返しているから、人間がどれだけの自然破壊行動を繰り返してきたのか知っている。
特に小動物に転生しては、嫌ってほど住処を奪われたのを何度も経験している。
だけど、ここは引かない!
幸いにも、【超越蟲】と話し合いが出来る環境なのだ。
こんな重要な機会、次にあるかどうかわからないしね!
存分に活用させてもらおう……。
私は、どかっと座り込み、胡坐をかく。
「おっ、どうしたんだぁ、小娘!」
「お互いに納得いくまで、話し合いをしましょう!時間はあるわよね!」
「望むところよぉ!人間の愚かな部分を思う存分、吐き出させてもらうよぉ!」
さて、異種混合お話会の始まり、始まり~♪
今回、短い分、明日頑張って長く書きます。
うぐぐ、おのれ仕事めぇ……。




