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一日一転 =日替わり転生生活=  作者: 青依 瑞雨
一日一転 =日替わり転生生活= 本編
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長い人生だったなぁ~

 思えば、物凄い人生を歩んできたと思う……。

 僕の一番古い記憶は、生まれてすぐのものだ。

 僕とお姉ちゃんは、生まれてすぐに、人語を話して、自分の力で歩くことが出来た。

 この頃は、【天才】なんて言葉もなく、双子でさえも縁起の悪いものというような風習があった。

 生まれてすぐに人語を話す双子の赤ん坊を、母も父も悪魔の子だと恐怖した。

 ……そして、冬の冷たい雨の日に、僕とお姉ちゃんは、両親にゴミ捨て場へ捨てられた。

 あれは、きつかったなぁ……。

 いくら、自分で考えて行動できると言っても、赤ん坊の体だからねぇ……。

 絶対に死んだと思ったよ。

 でも、僕たちの絶望の号泣を、赤ん坊の泣き声と勘違いした老人に、運よく拾ってもらえたんだ。

 その老人は、そのゴミ捨て場に住んでいる住人たちの長老だった。

 このゴミ捨て場は、国中のゴミが集まるところで、大きな町ほどの面積があり、様々なことに絶望した人たちや、捨てられた人間が集まって集落を形成していたのだ。

 そして、拾われた日の夜に、僕とお姉ちゃんは話し合いをした。

 今度こそ捨てられない様に、僕たちは、年相応の振る舞いをするように決めた。

 そこからは、割と過酷ながらも幸せな日々が続いた。

 貧乏で食べる物にも困った日々だったけど、お姉ちゃんがいたし、おじいちゃんも優しかったからね! そして、おじいちゃんは、僕たちにこの町で生きるためのすべを色々教えてくれた。

 そのおかげで、僕たちは飢えながらも、死ぬほどの目に遭わなず、無事にすくすく育つことが出来た。

 ゴミ捨て場には、毎日毎日当たり前のように死体が運ばれてきた。

 当時の僕は、理解できていなかったけど、僕がいた国は、軍事国家とかいうやつで、人種差別や兵士による非道な行為が当たり前のように行われていたらしい。

 独裁者をトップに、兵士が働き、国民は、兵士に奴隷のような扱いを受けていたようだ。

 ちなみに、僕はゴミだった。

 ははは、国に住んでいた人に見向きもされなかったよ……。

 だけど、それは幸せなことだったんだと、後になって思い知ることになるんだけどね……。

 僕たちは、年相応の生活を送っていたのだけど、ある時、違和感に気が付いた。

 僕たちよりも幼かった子が大人になっても、僕たちは子供の姿のままだったのだ。

 そう、僕たちはいつの間にか【不老】の特殊能力に目覚めていたんだ。

 この時間や年月とは、無縁の生活を続けていたから、気が付くのにかなりの時間がかかったんだと思う。

 まだまだ生涯現役だと肉体を自慢していたおじいちゃんが、ずっと寝たきりになっていたくらいの時がいつの間にか過ぎていたのだから……。

 老衰でおじいちゃんが亡くなって、僕たちは、代わりに長老になった。

 いつまで経っても少女のままの僕たちを、『神の使いだ』と、崇める町の人たちの推薦によるものだった。

 だけど、残念ながら町の人の中には、僕たちを『悪魔の使徒』と罵る人たちもいて、彼らによって僕たちの存在は、軍の兵士の知るところとなった。

 そして、それは独裁者の耳にも入り、僕たちは捕らえられてしまったんだ。

 体中を綺麗に洗われ、身だしなみを整えられ、上等な下着を着せられ、独裁者の前に突き出された……。

 そこから先は、思い出したくない……。

 一言でいうなら、幼児趣味の独裁者に()()()()

 永遠に年を取らない少女だったからね……。

 幼児趣味には、都合が良かったんだろうよ。

 顔も歯も髪型も体も、あの男の趣味に作り替えられた。

 笑えないかもしれないけど、こんな幼い姿で、僕は7度も出産を経験しているんだぜ?

 姉は、僕を庇ったせいで11人も子供を産んでいる。

 ……分かるだろ?

 ど れ だ け ひ ど い こ と が あ っ た の か 。

 

 そんな僕たちの前に救世主が現れてくれたのは、僕と姉の心が消耗しきって、自殺について考えていた時だった。

 まるで、妖精のような儚さと可憐さを併せ持った少女が、独裁者のいる要塞に連れてこられた。

 両手に手錠を掛けられ、独裁者の前に連れてこられた時、『ああ、この人も彼の慰み者になってしまうんだなぁ……』と悲観した。

 だけど同時に『飢える心配も無くなるし、彼との行為だけ耐えればいいだけだから……』とも考えていた僕は、相当心が衰弱していたんだと思う。

 不幸中の幸いだったのは、独裁者のペットである僕たちの扱いは、要塞内で悪くなかったことだ。

 慰み者になるのも、独裁者である彼だけが相手だったし。

 そう、彼との行為を耐えればいいだけ……。

 私がそう考えて、下唇を噛み締めた時、独裁者から悲鳴が上がった。

 独裁者が炎で包まれ、あっという間に黒焦げになって息絶えた。

 妖精のような少女は、彼の後ろに控えていた僕たちを見て、にっこりと笑うとこう言った。

「私と一緒に、この国を変えてみる気ないかしら?」


 それが、僕たちとお師匠様であるれいさんとの出会いだった。

 そして、僕とお姉ちゃんは、彼女の師事の元に修行を重ねて、帝国を滅ぼした。

 ちなみに、お師匠様に教えてもらうまで、僕とお姉ちゃんは、自分たちが【天才】だと気が付かなかった。

 生まれ持った特殊能力を自覚したのも、お師匠様の修行を受けている最中の出来事だ。

 まぁ、もしもとっくの昔に自覚していたら、独裁者を僕が始末していたんだろうけどね……。

 そしてその後、帝国があった地に3人で協力して国を造った。

 それが、始まりの国【マールド】だ。

 【マールド】建国以前の記録に残りそうなものは、全てこの世から始末した。

 その瞬間、間違いなく木草界の始まりは、【マールド】になった。

 あんな残酷でひどい国を、木草界始めての国にしては、色々と堪らないからね!

 そして、その後に、お姉ちゃんと僕も、別々の地で国を造ることになったんだ。

 お姉ちゃんは【グランディア】、僕は【ファーベル】を造って、その国たちは、木草界の三大大国と呼ばれることになった。


 淡い紫色の不思議な空間で、今までの出来事が走馬灯のように浮かんだ。

「いやぁ……、長い長い人生だったなぁ……」

「なぁに!これからもその長い人生は続いていくんだからぁ、頑張らないとぉ!」

「だれ!?」

 突然、足元から聞こえた声に、僕は視線を下げた。

 精神の世界というか、夢を見ているような感覚だったのだけど、不思議と視線を動かすことができた。

 そこには、手のひらサイズの大きさの蛙がいた。

「やぁ!」

 まるで、人間のように片腕を上げて挨拶をしてくる蛙君。

 その姿を見た瞬間、さっきまでの現実世界での出来事が、フラッシュバックのように頭によみがえった。

「あ、あなたは、まさか【超越蛙】!!!」

 慌てふためく僕の姿が滑稽だったのか、蛙君は、ゲコッっと短く鳴くとニヤリと笑みを浮かべたのだった。

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