第七話 歯車~12月21日~
私はお兄様が言っていたことを今更ながら思い出していた。
──それって伯母さんが殺された時に使用された劇薬じゃないか
「……伯母さんなんているの? 」
純粋にぼやいた。すると、近くで花瓶からお花を出していたメイドがその花瓶を落とした。メイドは花瓶より私をひどく心配した顔で近寄ってきた。
「ヴェルナ様、そ、そのことは成人されるまでお話できません。どなたからそのようなことを」
「お兄様が言っていたの」
「……全く、リハイデ様ったら」
やれやれ、とため息をつきメイドはようやく花瓶を片付け始めた。
「いけないことだったのね」
ユイたちが社交界に足を踏み入れる中、私は縛られたまま。縛らなかったせいでユナさんがああなっているから私をユイみたいにお淑やかで凛とした華やかな人になってほしい、と。
「ヴェルナ」
「お兄様、お帰りなさい」
メイドはもういなかったので、思い切り抱きつく。暖かい。
「ツェンをなだめるのに時間がかかってね」
「遅いわよ、お兄様」
「さて、後はハーソンか」
ハーソンはよく色んなパーティーにいる。会う度にすごい目で見てくる。
「ヴェルナ様、ハーソン様です」
「え」
私は玄関に向かう。そこにはハーソンがいた。
「ヴェルナ、僕らは歯車のようにいつも一緒だろう? 」
「っ! 」
突然抱きしめられたので突き放す。何かおかしくなっている!?
「嫌! 」
私が逃げ出した瞬間、見覚えのある顔が現れた。
「ハーソン、押しかけるな」
「ツィイー、お前には関係ないだろう」
「はあ? あのね、ハーソン。踏み込みすぎるのもよくないわよ」
ツィイーが連れて行ってくれた。本当に助かった……。




