表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
華やかな蝶の様に  作者: 神崎美柚
第二章 孤独な想い~リハイデ視点~
7/21

第六話 悲劇~12月11日~

 今日はヴェルナも楽しみにしていた盛大なパーティーが王宮で開催される。


「わあ、どれも美味しそう! 」

「そうだな」


 王宮にはお父様公認のコックがいるため、料理は美味しい。

 近くでウェルズ伯爵が大声で笑っていた。彼も長々とした挨拶は聞く気がないらしい。


「さて、食べるか」

「お兄様、私も……」


 ひとつまみ、たったひとつまみのパンを食べた。その後、とてつもない吐き気に襲われた。


「これは劇薬? 」

「まさか、そんな」

「ウェルズ伯爵! 」

「お兄様! 」


 薄れゆく意識の中、ヴェルナたちは必死に叫んでいた。


 目が覚めると、側にはヴェルナがいた。涙で顔がくしゃくしゃになっている。


「よかったわ……」

「何だ、あれは……」

「先ほど、説明に来られた方曰く、フィなんとかと」


 フィリニア。とても手に入りやすい劇薬だ。量によるが、睡眠薬にもなる。一度に大量に摂取すれば死に至ることもあるが、致死性は50パーセント程。

 とお父様は昔言っていた。確か、ええと。


「それって伯母さんが殺された時に使用された劇薬じゃないか」

「え? 」

「リハイデ伯母さんはリュメヒ家の色んなもつれにより殺されたらしい」

「そう、なの」


 お父様がやってきた。あの日以来疎遠になっていたが……。


「ヴェルナが死ななくて良かった。リュメヒ家に怒られるところだった……」

「お父様」

「ウェルズ伯爵が殺された。これから何が起こるか分からないから、リハイデはヴェルナを守るように」

「分かりました」


 ヴェルナは凄い心配そうな顔をした。ぽんぽんと頭をなでてあげた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ