表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
華やかな蝶の様に  作者: 神崎美柚
第一章 華やかなレディに~ヴェルナ視点~
4/21

第三話 お茶会~11月1日~

「魔女伝説、か……」


 帰宅したけれども、お兄様がいなかった。だから本を読みあさることにした。いい本は写生しよう。


『帝国は黒魔女を異端とみなし、次々と処刑していった。しかし、彼らは知らなかったのだ。本当の恐ろしさを』

「これ、写生しようかな」


 お兄様が戻ってくるまでの暇つぶし。とにかく写生した。幸いにも、紙は私がいない間に補充されていた。


「悪魔? 」


 途中、変な紙切れが挟まっていた。何かな。


「あー、やっと出れたわ」

「誰!? 」

「あたしね、ええと、……忘れちゃったわ。今思い出すから」


 見るからに悪魔なその人はうんうん唸りだした。怪しそうには見えないけど……。


「そう、ヴェルだわ! よろしくね」

「え、あ、はい」

「ヴェルナ様~! どこにいるのですか~」

「そろそろお茶の時間だわ」

「え、そう。じゃああたしも」


 しかし、今日はリルシェが来ていた。

 リルシェはト・モル公爵の娘。私みたいに縛られた生活ではなく、自由奔放な生活。そして、私をいじめるのが趣味。


「相変わらずねえ、ハーソン様と会ったというのに」

「リルシェはハーソンが好きなわけ? 」

「んー、顔は好きだけれども、結婚するならやっぱり王族よ」

「まさか跡継ぎと結婚する気? 」

「当たり前じゃない。ヴェルナは本当に欲がないのね」


 リルシェはほほえんだ。公爵家の娘はリュメヒ家か王家に嫁ぐのが夢らしい。私は別にそんな地位はいらない。


「でも、リュメヒ家もいいなあ、って思うわ。いくら私の家が王家の近くにいれてもサポートだけだし」

「そういえばそうだね」

「ではそろそろ」


 リルシェは内心焦っているのかもしれない。王家が跡継ぎを未だに一人もつくっていないことに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ