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第二話 気持ち~10月27日~
翌朝。ハーソンさんに思い切って伝えることにした。部屋に向かう。
「私、あなたとは気が合わないので話はなしにしてくれませんか? 」
「無理だ。君はもう私の物だ」
「……」
「もうそんなことを言わないでくれ」
私は悲しくてたまらなかった。ああ、こんな時におにーさまがいたら。
「さ、朝食だ」
「もう食べました」
「一緒にとるべきだろう! なぜ先に…! 」
さっきのでイライラさせてしまったらしい。私は逃げ出した。
敷地の外に出ると、女性と男性がいた。でも、離れており、私には気づいていない。とりあえず隠れなくては。
「カスピア、今日は泊まるの? 」
「当たり前だろう、ミーナ」
「ふふっ、うれしいわ」
口をくっつけている二人から思い切り目を逸らす。わわ、どこの貴族だろう。
「ヴェルナ」
「っ! 」
捕まってしまった。ハーソンさん、怖い。
「さ、戻ろう」
私にとって地獄の日々。明日はどうなるの?




