第十九話 リュメヒ国
リュメヒ国が出来たのはミーナさんのおかげだ。突然消え、驚いているすきに特殊部隊が攻め込めたのだから。
「どういうことだ! 妻が居なくなったと思ったら……」
「うるさいわね! 少しは黙りなさい! 」
しかし、ディーアもしぶとかった。2年間も死なずに拷問を受けた。あの夏の日以外は──。
今、私はナメディア国の元王の目の前に立っている。彼の子孫がもういないのが大助かり。
「……きっとミーナが、来る」
「まだ信じてるの? 」
「私の妻だからな。しかもあの極悪王を処刑したから──」
「現実を見なさい」
拷問係が元王を死なない程度に締め上げる。その苦しそうな表情を見るのがたまらなく好き。
「や、やめ……く……」
「なあに? もっと拷問してほしいの? 」
「ぐっ……」
「いいわ。私がとっておきの拷問してあげるわ」
拷問係を一旦どけ、私は彼を台に寝させた。これからどれをしようかしら。
「じゃあ、爪を剥がすわね♡」
「な、やめろ──」
「拷問係、抑えなさい」
「はい」
一枚一枚丁寧に剥がす。顔が苦しそうな表情になってる。ウフフッ♡
数時間後、夢中になっている内に彼は気絶してしまった。つまらないわねえ。
「後は頼んだわよ」
「はい」
これでも二児の母。結構忙しい。まだマーク様が王だけれども、正しい教育をしなければならない。
長男のルンディは12歳、長女のサナは9歳。二人とも順調に殺人術を身につけてきている。
「サナ、ルンディ」
「お母様~」
「サナ、ほら怒られるぞ」
「今日は何するのですか~? 早速殺すのですか~? 」
「聞けよ! 」
「そうね、失敗してもいいようなとこに潜入するわ」
「それは」
「フェリス!? 潰すの? 」
「着いてからのお楽しみ」
私は二人に微笑んだ。




