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華やかな蝶の様に  作者: 神崎美柚
終章 ラストエピソード
18/21

第十七話 作戦~3月6日~

「カスティーナも追放したから後はダニエルとミハエルだな」

「そうですね」


 今日は新カーン家の公爵・ジオンとミーナと私とシルメダとツィイーで話し合いをしている。内容は王族の今後、だ。


「あの、ミハエルだけ生かすというのはなしですか? 」

「ダメに決まっているだろう? 」

「そうよ。急に臆病になっちゃダメですよ、ミーナさん」

「……では逃げられた場合を除き、殺せ、と」

「出来れば生け捕りね! こう、ぐっちゃぐっちゃにしたいわ! 」


 ツィイーの趣味は拷問。ぐちゃぐちゃにするのが好きらしい。物好きだ。


「そうそう、娘から聞いたんですが、フォルツェ家をおろしてくれるとか」

「そりゃあもちろん。伯爵の味方は容赦なくおとします」

「ありがとうございます」


 帝国崩壊後の動乱に便乗したのがクソ伯爵だった。次々と貴族を陥れ、生き残った7家を公爵に認めた。

 陥れられたのは70家。その内自殺したのは68家。リュメヒ家に賛同したのは目の前のジオンたちだけだ。


「ところで、娘は誰と結婚すればよいかな」

「考えておきましょう。ミーナ、当ては? 」

「今のところ、そうねえ、隣国の家と結婚すればいいんじゃないかしら。そうすればこの国は確実に滅ぶわ」

「ミーナは諦めたのか!? 」

「違うわよ、王国の跡取りと結婚したいって言ってるのがリルシェ=ト・モルなの。このままだとト・モル家が征服しかねないわ」

「なるほど」

「それは大変だわ! リルシェって本当にむかつく奴なのよ」

「ト・モル家か。それは大変だ」


 四大公爵の内北の公爵を殺害し、勢力を削った。だが、その後ウェイトお兄様の処刑やら何やらでト・モル家のことを忘れていた。

 そこにサラが美味しそうなお菓子を持ってきた。どうやら手作りのようだ。


「そろそろお茶の時間よ。一緒に楽しみましょう」

「ありがとうございます」

「サラさん、ありがとね」

「おお、ありがとう」

「……ありがとう」


 あのカーンが好きだという木イチゴのムースはサラ曰く、不吉な食べ物らしい。サラは王宮仕込みのド・ガーテと紅茶を用意していた。

 私の隣に座り、皆に配り終えた後笑顔で会話に加わった。


「今、私の弟がおよめさん捜しているから紹介してあげるわ。ふふっ」

「ありがとう」

「美味しいわ。さすがサラさん! 」

「そう言ってくれてうれしいわ」


 トルワードは潰す方向に作戦を練った。

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