第十四話 彼女たちの過去
あたしと公爵の出会いは凄い意外だった。
行き倒れていたあたしを彼は救ってくれたんだから。
「大丈夫かい? 」
「あ……はい」
最初は身なりからそこそこ裕福なお方なんだ、と思った。公爵がうろつくはずないから。
「君、こんなところで何をしていたんだ? 」
「父の為に、花を売っていたんです。家に帰ろうとしたんですけれど父がいなくて……」
「その花、全部買うよ。いや、君と付き合いたい」
「え、そ、そんな……」
まさか一目惚れなんて。私は困り果てたけれども、とりあえずお食事だけはおごってくれることになった。
あたしをきちんと席までリードして、イスもひいてくれた。
「……美味しい」
「そうかな。隣の国の食事の方がもっと美味しいよ」
「お料理、好きなんですか」
「もちろんだよ。厳格な父は女々しいと怒るけどね」
「へえ」
あたしは食べ終わるとそそくさと立ち上がった。これ以上迷惑はかけたくないし、高貴な人とお付き合いだなんて、無理。
彼はあたしを引き止めた。あたしとしては振り払おうとした。
「本気だよ、お願いだ」
「……」
あたしはその日から彼と過ごすようになった。段々、あたしは彼を愛し始めた。それに、結婚もした。リハイデも生んだ。
不幸は突然起きたの。彼は離婚させられるたび再婚してくれたけど、もう出来なくなった、と。きちんとした人と結婚させられたらしいの。まあ当然よね。
彼はいまでも会ってくれる。でも、もう再婚できない。




