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華やかな蝶の様に  作者: 神崎美柚
第五章 華が、チル~ヴェルナ視点~
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第十四話 彼女たちの過去

 あたしと公爵の出会いは凄い意外だった。

 行き倒れていたあたしを彼は救ってくれたんだから。


「大丈夫かい? 」

「あ……はい」


 最初は身なりからそこそこ裕福なお方なんだ、と思った。公爵がうろつくはずないから。


「君、こんなところで何をしていたんだ? 」

「父の為に、花を売っていたんです。家に帰ろうとしたんですけれど父がいなくて……」

「その花、全部買うよ。いや、君と付き合いたい」

「え、そ、そんな……」


 まさか一目惚れなんて。私は困り果てたけれども、とりあえずお食事だけはおごってくれることになった。

 あたしをきちんと席までリードして、イスもひいてくれた。


「……美味しい」

「そうかな。隣の国の食事の方がもっと美味しいよ」

「お料理、好きなんですか」

「もちろんだよ。厳格な父は女々しいと怒るけどね」

「へえ」


 あたしは食べ終わるとそそくさと立ち上がった。これ以上迷惑はかけたくないし、高貴な人とお付き合いだなんて、無理。

 彼はあたしを引き止めた。あたしとしては振り払おうとした。


「本気だよ、お願いだ」

「……」


 あたしはその日から彼と過ごすようになった。段々、あたしは彼を愛し始めた。それに、結婚もした。リハイデも生んだ。

 不幸は突然起きたの。彼は離婚させられるたび再婚してくれたけど、もう出来なくなった、と。きちんとした人と結婚させられたらしいの。まあ当然よね。

 彼はいまでも会ってくれる。でも、もう再婚できない。

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