第十二話 デート
父が失敗し、兄まで失敗してしまった。ツィイーの為にも私は成功しなければならない。リュメヒ家の将来にもかかわる。兄が結婚していればこんなことにならなかっただろうに。
「ねえ、聞いてるの? 」
「ん、ああ」
「リュメヒ家って大変そうだけれども、私は好きよ」
「そうか、良かった」
隣国のティスリア家。万が一のことを考え、そちらとも交流を深めることにした。手始めに再婚相手を選んだ。
彼女の名前はサラ。冷酷で、人殺しに躊躇しないまさしくリュメヒ家にふさわしい女性。
「ツィイーやシルメダに明日でも会ってもらおう」
「それだけになったの? 」
「兄や父のせいだ」
「そう……」
父が帝国崩壊後国を建国しようとした時、父の兄や姉たちは散り散りになってしまった。父はその後、彼らを殺してしまったらしい。おかげでその息子たち──シルメダ除く──は絶縁した。
「ねえ、前の奥さんって殺しちゃったんだっけ」
「まあな。あいつはダメだった。カーンから二度と嫁をもらいたくないと思ったが、土下座してきたからハーソンにヴェルナをやった。そしたら無礼な娘だったわけさ」
「ふうん。カーン家はやっぱりダメねえ」
「そういえばこの国と仲良しだと聞いたが知っているのか」
「……味にうるさすぎて私は嫌いよ。本当にムカつくわ」
サラは珍しく怒っている。カーン家と喧嘩でもしたのだろう。
「シルンデア家に息子がいたら結婚させたんじゃないかしら」
「あの変わり者がいるシルンデア家か……」
フォルツェ家にガーデニングというのを教えたのもシルンデア家当主である。料理はカーン家に教えたのか。
「本当にあの国は居心地悪いわ。何とかしてほしいものよ」
「そうだな」
リュメヒ家があの国を治めるのも悪くないかもしれない。ミーナに手紙を書こう。




