プロローグ
やあ、こんにちは。
そういう僕は誰かって?
今はまだ言わないでおこうか。
ああ、君たちも言う必要はないよ。
いくら僕がありとあらゆるものを忘れないスキル『無限記憶<インフィニティ・メモリーズ>』を持ってるからって、いらないことを覚えたいと思うほど暇じゃない。
暇じゃないってのは嘘なんだけど、覚える気がないってのは本当だぜ。
ああ、君たちは僕が、1京のスキルを持つこの僕が創作物だと思っているんだろう?
責めやしないさ。
常識的に考えて――そう、君たちの常識で考えて僕という存在が現実であるはずがないんだ。
でもさ、考えてみてもごらんよ。
君たちは太陽系の外を知っているかい?
ほとんど知らないだろう?
だから、宇宙の外にはこんな世界があっても不思議じゃない。
そうは思えないかな?
ほら、君たちが言うところの平行世界理論さ。
ん?
これでも疑問が残るって?
ああ、僕が他人を操るスキル『人乗り夢<パペット・ドリーム>』を使うなら有名な作家。いや、有名でなくとも作家と呼ばれるような仕事人を使うだろうって?
こいつみたいな暇に飽かせたような暇人じゃなくて。
いやいや、そんなことはないんだよ。
別に僕は真面目に文芸作品を作り上げたいわけじゃないんだ。
適当に、暇つぶしに面白おかしいだけの作品を作ってみようと、ただそれだけさ。
納得してもらえたかい?
納得してもらう必要もねぇんだがな。
でも安心しなよ。
僕は縛りプレイってやつが好きなんだ。
この世界の物語を根本からぶち壊すことはしない。
全知全能のスキル『完全生命<パーフェクト・パーフェクション>』も運命を支配するスキル『機械神<デウス・マキナ>』も使うことはない。
だから君たちも、どうせ僕が勝つんだろうなんて思わずに負けるかもとハラハラしてくれたまえ。
どう転ぼうが、最低でも世界が滅ぶようなことがない限り僕は死なないけどね。
ま、そんなわけで1京のスキルを持つ僕の物語が始まるよ。
ん?
1京のスキルと聞くと、ある漫画が浮かぶ?
はは、僕が彼女と同一人物な分けないじゃないか。
もしそうだったら盗作になってしまうよ。
それ以前に僕の持つスキルは1京ちょっとで彼女には及ばないさ。
ま、使い切れないというのは一緒かもね。
さて、ここら辺でおいとまさせてもらおう。
さよならする前に名前を聞かせろって?
はは、いやあ、ごめんね。
実は僕には名前はまだないんだ。
今までさんざん引っ張っておいてすまないね。
名前がまだないって言っても、僕は猫じゃないぜ。
そう言えば、あの作品面白いのかな?
僕の好みはラノベだぜ。
趣味合うかな?
そうそう、僕の名前がない理由だけど。
はは、そんなに期待しないでくれよ。
凝った理由とかじゃないんだから。
僕の名前がない理由、それは――僕がまだ生まれてないからさ!
はは、驚きかい?
胎児の僕が思考できているのは考えるスキル『考える故に我あり<コギト・プロポジション>』を使っているから。
はっきり言って、素で自我が出来てからは完全に不要になるね。
まあ、それを言ったら本のページを折らないようにするスキル『紙片固め<ページ・ブロック>』辺りなんてどう使えって話になるんだけど。
スキル使うくらいなら、最初から本は丁寧に扱えってことになっちまう。
ま、1京もあるんだ。
いらないスキルなんて山ほどあるさ。
ま、下位互換も上位互換も絶対も相対も普遍も特殊も、全部合わせて十全だ。
ま、今日の雑談はこれで終わりにしよう。
じゃあ、皆。さよなら。また会おうぜ。
いちごちゃんの3分教室 第0回『3分教室』
やあ、始めまして? それとも、こんにちは?
まあ、本編を読んでおいて僕のことを知らないってのはないだろうけど。
今日はいちごちゃんの3分教室について説明するよ。
これは本編に出てきた単語を少しばかり説明しようと言う企画だ。
希望があれば、感想欄にでも書いてくれたまえ。
ちなみに、3分ってのはノリだ。
数学的根拠は全くないけど、そこは勘弁して欲しい。
ちなみに”なろう”の計算方式だと500文字/分だから、読むのに1分かからないね。
それじゃ、このコーナーも本編と合わせてよろしくお願いするよ。