妖艶な女の姿を借りた魔剣、ダンススレイブ
名前:ダンススレイブ(ダンサー)
年齢:およそ800歳
身長/体重/スリーサイズ/容姿:168cm、55kg、88/56/86、肩と腰の中間くらいの黒髪・黒い瞳。服装は踊り子か娼婦に近いようなかなり際どい恰好をしている。ちなみにもともと「はいてない」が、ラインに言われてからは気をつけている。
職業:魔剣
好きなモノ:人と話すこと、子ども、酒、踊り
嫌いなモノ:無責任な人間、意志の弱い者
一人称:我
プロフィール:
かつて魔剣として恐れられた存在。その危険性を恐れた魔術士に転移魔法で強制転移させられた先が、たまたまオシリアと同じ空間だった。たまたまと表現するにはあまりの確率だが、当時のダンススレイブは非常に悪意や殺気の塊であり、オシリアと波長が合ったため引き寄せられたのではないかと考えられている。
元はさる刀鍛冶によってつくられた剣に意志が宿ったもの。なぜ人化できるようになったのかは本人もわかっていないが、刀鍛冶が代々非常に大切に扱ったため、九十九神のように意志が宿ったのではないかと考えられている。
彼女が目覚めた時、周囲は非常に驚いたが、時の刀鍛冶は子どもに恵まれていなかったため彼女を実の娘のように育てた。そして優しい家族に恵まれたダンススレイブは、心穏やかな日々を送っていた。
だが刀鍛冶の工房が魔物に襲われた時に、彼女は魔剣としての力を覚醒させる。その力をもって刀鍛冶は魔物を撃退したものの、彼女の有用性に気がついた刀鍛冶は自らが剣を取り、魔物を倒すために立ち上がることを決意する。
ダンススレイブは正直反対だったが、自分を育ててくれた手前、刀鍛冶に強く言えなかった。またその刀鍛冶が武器を鍛える理由は、少しでも多くの人間に生き延びるすべを伝えたいからであり、自分に力があるのならば、自らが魔物を倒して回りたいというのが刀鍛冶の願いであった。そして諸国を回ることで彼とその妻は勇者としての英名を馳せたが、彼女の想像通り元が一般人である彼らでは限界があった。ほどなくして彼らは魔物との戦いの最中死んでしまい、一人になったダンススレイブは街中で人に紛れて暮らすこととなる。
だがミランダと同じく、彼女もまた容姿が変わることはなく、食事すら必要としない彼女は、人間の中での居場所を徐々に失っていく。そして彼女は森の中で誰にも見つからないように隠れ棲むようになった。
そして年月が経ち、2番目の所有者である女性と出会う。女性は流浪の女剣士であり、かなりの腕前だった。女性はダンススレイブと無二の親友となるが、女性は自分の復讐のためダンススイブを振い、最終的に目的を果たすものの、ダンススレイブを使いすぎた反動で廃人となり、若くしてその命を散らせる。そしてダンススレイブはまた1人になってしまった。
さらに年月が経ち、今度の所有者は男であった。この男は格別腕の立つ男だったが、同時に非常に残忍であり、ダンススレイブに剣であると同時に女であることも要求した。マスターの命令には絶対服従であるのが魔剣としての運命であるため、彼女は心底嫌がりながらも男の命令に従わざるを得なかった。
その男は功績を立て勇者として名をはせたが、同時に戦いの最中は人が変わったように残虐であることを非難されていた。だが彼はそのことをダンススレイブのせいにし、彼女を魔剣と呼ぶことで全ての責任を押し付けた。
だがその男の態度は徐々に隠しきれぬほどに横柄になっていき、やがて人々に恨まれ、ダンススレイブを奪った人間の手によって殺されることとなる。
そこからの出来事はダンススレイブもよく覚えていない。何人もの人間が彼女を振い、敵を倒し、振るった人間も死に、その度彼女の悪名は高まっていった。「魔剣」、「呪われた剣」、「持ち主に破滅をもたらす剣」。どの名も一つとして彼女に責任は無かったのだが、周囲はそう理解しなかった。
そんな中で彼女は思考を止めてしまった。人間と語らうことが、どうでもいいと思えてしまえたのだ。ましてダンススレイブは何かを切る時、その肉の感触を全身で感じていることになる。剣でありながらも根が心優しくなるよう育てられた彼女には、戦いは苦痛以外の何物でもなかった。
そして封印されて数百年――思考を止めて過ごすにはあまりにも長い年月。やることもない漫然と流れる時間は再び彼女に思考の機会を与えた。そんな時、目の前に現れたのはラインだった。また人間は自分を魔剣として振うのかと絶望しかけた彼女だったが、「お前なんかいらない」といったラインに興味を覚え、彼について行くことにする。
彼との冒険がどこに向かうのかは誰も知らない。
次回投稿は、10/28(月)20:00です。




