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きっかけ  作者: カツオ
1/3

第1話 バンズ

1話 ホームレスと自分

オレらは、真夜中の暗い公園の中で、残業なのか、遅く帰ってきたサラリーマンを捕まえていた。

「ほ、本当に金は女房が持っているんだ!!」


と鞄とスーパーの袋を抱きかかえながら、サラリーマンは震えていた。

すると、オレの先輩の中田先輩は、サラリーマンにガンくれながら言った。

「フーン…。金は女房がねー」 中田先輩がそう言うと、サラリーマンは何回も首を縦に振った。

中田先輩は自前の鉄パイプで自分の肩を叩きながら、サラリーマンを見ていた。

すると、中田先輩は何かに目が入った。中田先輩は、ずっとそれをみた後、

「これは何かなー」


といって、鉄パイプでスーパーの袋の持ち手をひっかけて、中田先輩の所まで持ってきた。「結構有名なスーパーだな」


そう言いながら袋から物を出した。

白ワインとチーズだ。見るからに高そうだ。

「ほう。白ワインねー。こんなもん買えるなら金あんじゃねーか!!」


そう言って中田先輩は、白ワインの瓶でサラリーマンの頭をおもいっきり叩いた。

瓶は割れて、サラリーマンの頭が切れた。

「ぎゃあああああ!!」

サラリーマンは痛そうに倒れ込んだ。

中田先輩は、本当に暴力的だ。

中田先輩はオレの 通っている高校の先輩でさんざん怒鳴り飛ばした先生をぶん殴って退学処分になった先輩だ。

中田先輩のおかげでうるさい先生が消えたと感謝されている。

白ワインと血が混ざってとてもキモい。

「古田!臭い嗅げ!」

古田先輩は

「分かった」

と言って臭いを嗅いだ。

「イタリア製で1952年製で2万円ぐらい」


よくこんな血が混ざった白ワインでこんなに詳しく分かるんだろ。

高2の古田先輩は、休み時間に生徒に酒を売っていたため、退学処分になった。

小学生のころから酒ばっか飲んでいて、今まで飲んだことのない酒は、アルコール分が90%くらいある酒だけだ。

酒のうんちくなら何でも言えるらしい。

「ほー、2万円ねー…」


すると、中田先輩は鉄パイプでサラリーマンを叩いた。

ちょっとだけだが血を吐いている。

「おめーら!!やれ!!…あーあ、おじさん、ドンマイ。早く金を渡せばよかったのに。じゃあね。奥さんにもよろしくと言っといてくれ」


そして、サラリーマンはボコボコにされた。

その後、中田先輩は財布から10万くらい出した。

サラリーマンは虫の息だ。たまにピクピク震えている。

オレは、ケータイでメールを見ている。

すると、中田先輩に肩を叩かれた。

オレは振り向くと、中田先輩がオレに1万をくれた。

「今日は少なくて悪かったな、本当にカミさんが持っていたんだな」


オレは、1万を受け取って、

「ありがとうございます」


といった。

オレがやっているのは、そう、おやじ狩りだ。

みんな少ない小遣いじゃ生活できないため、おやじ狩りをやっている。荒川区では有名だ。

最近、ニュースでも取り上げられている。


オレらのチームは8人だけだ。名前は

「バンズ」

。中田先輩が決めた。オレがこの

「バンズ」

に入った理由は、オレと中田先輩は中学時代から友達だった。

もちろん、高校生になっても友達だった。

退学になった時も遊んでいた。ある日、中田先輩に金が無いと相談したら、この

「バンズ」

に入っていた。

「バンズ」

のメンバーは、リーダーの中田先輩。

酒に詳しい古田先輩。

ブレイクダンスが上手い大谷先輩。

ギターがめちゃくちゃ上手い佐山先輩。

パンチの威力が120もある速水先輩。

ビリヤードが上手い畑山先輩。

オレの幼稚園から親友だった高田。そして、オレ、大塚の8人だ。

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