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代筆部へようこそ  作者: AKIRA


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3/11

第一話 その果たし状、エモにつき。2

 チラシの裏に書かれた『明日、放課後、裏、こい』のたった四つのワードの果たし状。


「……剛田。これ誰に渡すんだ?」

「ああ、隣町のキタ高校の『鮫島 ヒカル』にな」


今のご時世、男か女かわかりゃしない名前ばかりだ。


「頼む。あいつをビビらせるインテリで最強の言葉を考えてくれ。俺がただの『脳筋』ではないことを分からせてやりてぇんだ」

「いいじゃん!剛田くんのその『熱意』、私が最高にバズる感じにデコってあげるわ!」

「待て、陽葵!剛田、お前もだ」


俺は、万年筆を握った。


「お前を俺と同じ『陽葵の犠牲者』にするわけにはいかない。剛田、よく見ておけ。『正しい言葉の力』を見せてやる」


俺は、剛田を「知的な強者」の仕立て上げるべく、魂をこめて果たし状を書き始めた。


__拝啓、鮫島ヒカル殿


突然お手紙を差し上げる失礼をお許しください。以前より鮫島様のご高名は、かねがね友より伺っております。

この度、○月○日放課後、我が高の校舎裏にて、鮫島様と拳を交えたく思い、ご連絡をさせていただきました。貴殿は喧嘩の専門家として大変ご活躍でいらっしゃると専らの評判でございます。


ご多忙の中、お手数をおかけいたしますが、お目通しいただきぜひともご快諾頂けるようお願い申し上げます。

まずは、書中にて、お願い申し上げます。 勤白


剛田 健


(ようし、これなら失礼のない、完璧な果たし状だ)


俺は満足し、後は手紙を封筒に入れるだけにして、トイレに向かった。

陽葵を一人残しておいたのが、そもそもの間違いであることに後で気づいたのだが……。


「もぉ~、善ってば全然分かってないなぁ」


と彼女はピンクのペンを取り出した。


「『拳を交える』なんて言葉、今どき流行んないよ。ここはね……『鼓動を合わせて』うん。リズム感があっていい感じ!あとはねえ、この『快諾』って漢字、おじさん臭いからカットね。……さて、打ち直して、最後にキラキラのハートシールを貼って……」


トイレから戻ると、俺の書き上げた原稿が無い。


「あ、善くん、私が責任もって可愛い封筒に入れて渡してあげるからね」


……嫌な予感がする。


「おい、陽葵!」


話を聞かずに陽葵はそそくさと出ていってしまった。

後で陽葵の魔改造の原稿を読まされた俺は、固まってしまった。一応内容を書いておく。


 ねぇ、鮫島 ヒカルくん


突然こんなメッセージを送って、驚かせちゃったかな?

ずっと前から、君の噂は……友達から聞いていたんだよ。

今度、○月○日放課後、私の高校の校舎裏で、二人だけの『鼓動(ビート)』を合わせたくてこの思いを伝えたかったんだ。

君はいつも激しく戦っていて、とってもキラキラしているね。

この私の想い、受け止めてくれるよね?


#運命の予感#答え合わせ#剛田 健より


ピンクの封筒にキラキラのハートシールで渡されたのだ。


もう、俺は知らんっ!

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