連作短歌『3200K』
出会いとは値千金切って紡いでパッケージこのシネマスコープ
眩しくて眩むからまだ後方で見つめていたい私の星よ
次の世があるとするなら今度こそ希代のワルになるわ愛して
もう誰もいない劇場5分後に世界が変わる色づく街並み
ポップコーン弾けるたびに輝いて踊る指先静寂と共に
暗闇に光一筋この場では救いではないやめろ今すぐ
行ったことない映画館明日9時のスクリーン2で会いましょうね
一番は決められないや銘々のトロイメライどれも見事
私だけのムービースターにしたかったけれどもそれは無理な話で




