転生 しちゃいました
初挑戦 見切り発車
深夜のテンション!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
現実世界はゲームではない。レベルアップもしないし残機もリセットボタンもない
頑張っても成り上がれない。元々の才能というものを知らず生かしきれず俺は益体のない人生を送っていた。
名前は 小室 シン。普通の大学生。成績はそこそこで良く言えば安定、悪く言えば平凡
そんな中ある事件が起きた。大学に突如として大きな光と爆発音。そして気が付けば
「どこだ…?ここ」
雲の上に立っておりギリシャの彫刻で出来た神殿らしき場所があってそこに女性が座っていた
事情を知っていると思い即座に女性の許へ走っていきたどり着いた時女性は言う
「ようこそ、神の世界へ」
「・・・・・?」
いや、今の現状を見れば神の世界と言われても納得しか行かないがあまりに現実離れしている為理解が少し遅れた
だが知らない人と話す前に失礼のないように自己紹介をし現状を教えてもらうことにした
「僕は小室シンです。あの、貴女は一体…?」
「ああ、私も申し遅れた。私はカナメア。地球担当の女神だ。よろしくシン」
女神。ときいて目をぱちくりさせてしまうがすでに現状は常識外。女神というのは本当だろう
「あの、カナメアさん…僕は一体どうなったのでしょうか…?」
それを聞くと気難しそうな表情と清明を指でつまみながら渋々答えた
「実はな…君のいた大学に隕石が落ちた。しかもただの隕石ではない。魔王によって放たれ君の知る世界への宣戦布告として攻撃したんだ。虚を突かれ我々も対処できなかった。すまない」
「いえ、貴女が謝る事では…」
「この復讐は魔王に向けるとよい。謳歌した人生を踏みにじられたのだ。それに大学には学友もいただろう。彼らの分の敵を討つ為にそなたに力を授けよう…」
・・・困った。すごく心配してくれて親切にしてくださっているけど正直前世に未練は一滴も存在しない。そして非情にも僕には学友がおらず大学で親しい人はいない。なので復讐する気は一切ないのだ
その旨を女神さまに伝えて
「そうか…ならば魔王討伐には赴かぬというのだな」
「そうですね。なので力は貰えないことになります」
「いや、たとえ魔王を討つ気がなくとも復讐に燃えずともそなたには力を授けよう。先ほども言ったようにあの隕石は我々の不手際によってもたらされたものだ。それに力がなければ異世界で生きていけぬ」
「え?異世界ですか?」
「さよう。魔王を討つという話の時点で察していなかったか…それに理不尽な死を迎えたものにチャンスを与えるのは当然の義務だ。なのでそなたは新たに異世界で生を受けその際に神のスキルを授けよう」
・・・突然そんなこと言われても当惑するだけだ。異世界というのも良く知らないしスキルというのも良くわからない。なので質問
「あの…スキルというのは?」
「なんだ、知らぬのか?地球の若者は『チートスキル』と呼んでいた代物だ。・・・と言ってもすでにそなたにはチートスキルが備わっているようだがな」
「え?」
何それ身に覚えがない。そんな大層なものがあるならもっといい人生を過ごせていたはずなんだけど…
その疑問に女神さまは分かりやすく説明してくれた
「無理はないおぬしのチートスキルは『転生』だ。つまり一度死んでからでないと発動しないスキルで今まさにそのスキルが呼び起こされている」
「だから生きている間に発動しなかったんですね…」
というかゲームでもないのにそんなものがあったのか俺の体…すごいな
「なら僕はすでにスキルを持っていることになるので女神さまのお力を借りることはないという事ですね」
「いや、実は転生のスキルはランダムでな。どういったスキルに変異するか見当もつかない。恐ろしく強いスキルか役に立たないスキルかどう転ぶかがわからぬのだ。ゆえに保険として神のスキル。チートスキルを授けよう。では好きなスキルを選ぶとよい」
そう言ってウィンドウのような画面が立体的に浮き出てきて女神さまが手を添えると僕に向けて透明な板が目の前に表示される
そして色々見た後気になったのが
「あの、魔法って転生した後使えるんですか?」
僕のもといた世界に魔法というものは絵空事の類だ。転生というと元の体ではなく新しい体として生まれてくるのだろう。その際異世界の住人なら魔法が使えるだろうが全員ではない気がする。
「それはまちまちだな。運任せというしかない。素養のある人間とない人間がいるゆえな。運が良ければ魔法が使える体が手に入るだろうが…魔法を使いたいのなら魔法が使える体に転生させるが?」
それはありがたいけど…ちょっと質問があって
「ちなみに大魔導士レベルなんですかその体?」
「大きく出たな。謙虚そうに見えて強欲だ。いや、さしもの神とて人間のキャパをオーバーさせて転生させることはできない。魔力量が膨大だと母体が魔力に蝕まれ出産に支障が出るからな」
「ではチートスキルの場合は?」
「可能だ。スキルはあくまで能力。魔力と違いオンオフが出来るから産まれる時は普通の赤子として生まれることができる。その後にチートスキルとして発現すれば問題ない」
魔力の場合抑えるのが難しい。しかも赤子ならコントロールができず垂れ流し状態。だから生まれることが困難となる。そう言う意味らしい。それが大魔導士レベルならば胎に核爆弾を抱えているようなものだ。それをチートスキルならばオフ状態にし普通の赤子として誕生できる
なので
「僕は魔法が使いたいので魔法のチートスキルを下さい!後転生のスキルを生まれるまで抑える加護的なのも欲しいです」
「ほうほう、頭が回るな。もちろんだ。そなたが力を制御できるまで転生スキルを封じ込めておこう。
これは生まれた瞬間自動的に発動するものだからな。スキルを把握できた時転生のスキルの箱を開けるがよい」
これなら安心して異世界で生きていける。剣とか武器のチートスキルがあったが武器など使ったことが無いしなにより魔法は今まで生きていて触れることが無かった力だ。そっちの方ががぜん使いたい
他にも滅茶苦茶強いスキルとかあったけどコントロールできる気がしないし間違って使ったら大惨事になりそうなのでやめておいた
スキルの設定が終わり周囲に光が僕を囲うように円状に立ち昇る
どうやら異世界へ向かい時が来たようだ。そこへ向かう前に
「女神様。色々ありがとうございました!」
「礼などいらん。当然のことだからな。そなたに幸あらんことを」
その寿ぎを最後に光が収束し・・・・・・・・・・・・・・・・
6年後…シン・クルワールとして転生し6歳になった時、前世の僕の記憶がよみがえった
シン・クルワール君の体の乗っ取りというわけではない。僕はシン・クルワール君として生まれある程度知恵を身に着けた時に以前の記憶が入る程度に成長したため新たに僕の記憶が追加されたのだ
記憶がよみがえったところで僕はさっそく本棚で魔法についての知識を勉強した。
シン・クルワール君が幸いにも勉強熱心な子だったため不審がられることはない。多分だけど転生前の僕とさして変わらないのかもしれない