5話 久しぶりの再会
久しぶりの再会
ある部屋に入ると、そこには3名の紀光がいた。そのうちの一人はホログラムだけど、凄く知った顔だった。
『やあ、式』
「睦?」
「ふう、やっとボディ再生が完了したよ。っと、お久だね。皐月」
「え、うそだ。希和!」
「「「え、何がどうなっているの?」」」
思わず、私たちの声が重なる。だって、会えるとは思わなかったんだもん、しょうがない。
「な、なんで2人ともいるのかしら、と言っても、睦はホログラムだけど」
するとここまで案内してくれた、怪しすぎる紀光、令華は、
「有事に備えて、私は、ゴトに敵対していて、かつ神奈のいう事を素直に聞かない人物を探していたんだ。そして、此処にいる4人を集めた。だが、すでにゴトに狙われていた睦、希和の2名は個体データをコピーさせてもらい、それを再生させてもらった」
「な、成程、なら2人はコピーってわけだね」
『そゆこと、だけど、ボクたち自身が、神奈のコピーだから、コピーのコピーと言ったところかな?』
笑いながら、睦が言う。コピーの概念があまり気にならないみたいね。そして、奥の方で、機械を操作していた紀光がやっと此方を向いて、
「あ、自己紹介してないね。私は弥生。って君たちか。おひさ―。弥生だよ」
「ああ、機械世界の! あれ、文と一緒にいたんじゃ?」
「文は、神奈に従う予定だったみたいで、少しそりが合わなかったから、こっちに来たんだー。っと君が話したいのはあたしじゃないよねー、じゃ、あたしはこれで」
そう言うと、弥生はまた機械を操作しだした。
「じゃあ、積もる話もあるだろう。とりあえず、この子を尋問したのち、一人一人で会話っする時間を設けようじゃないか」
皆で、ギロッと藤堂を見る。
「い、いや、分かった。話す、話すから、にじり寄るのをやめてー!」
「ほう、じゃあ話してみてよ」
皐月が先陣を切って聞いてくれた。すると、藤堂は、
「いや、あたしじゃ使い物にならないだろうからー、次の世代を生み出すことにしたんだよー」
「いや、あなたが使い物にならいなんてある筈無いわよ。この戦闘狂と良い戦いしてたんだから」
「それも、裏技使ってただけだよー」
「裏技使おうが、使うまいが、強いのは強いわよ。でもなんでそれが死につながるのかしら?」
「そこについては、私、令華が調べておこう。さあ、4名は話があるだろう? そっちに部屋があるからそこでしてくるがいいさ」
たしかに、奥に5部屋ある。だから、そのうち2部屋を使って話をできるわね。
「じゃあ、少し時間を貰うわ。ってホログラム状態の睦はどう話せばいいのかしら?」
『ああ、それなら、部屋にあるモニターに映し出すから、電源をつけてくれればいいよ』
「了解」
睦
「まず、どこまでの記憶があるのかしら?」
陸に尋ねると、意外にも、
『それが、君を寝かしたところまでしか覚えていないんだ』
「意外と直近じゃない」
『そうか。では、君の話を聞きたいんだが、いいか?』
「ええ、長い話になるわよ」
『いい。ちゃんと聞くからな』
「じゃあ、まず私は睦が連絡してくれていた、里親の一家にお礼を言って旅に出たわ。それから……」
私の話を静かに、それでいて、いいタイミングで相槌を打ってくれる。やっぱり、睦は優しいわね。そして話終わり、睦は、
『頑張ったんだね。それに、良い出会いもあったみたいだ』
「ええ、頑張ったわ。でもこの旅もこれで終わりかしら。太陽神に集まってもらえば、なんとかこの世界も運営できるのでしょう?」
『まあ、そうなんだけど、後二人、ラーと、不明な一人がいるはずだ』
睦は急に口調を引き締めた。私もそれにつられて、姿勢を良くする。
「ええ、けど、ラーと、もう一人に関しては、文と皐文が何とかするらしいから大丈夫よ」
『成程、やっぱりそうなるか。ではすこし、話をしよう。まず、皐文たちがしようとしていることは知っているか?』
「えーっと、たしか、上の世界と交信して、データリカバリーを行うみたいな話だったと思うけど」
『そうだ。上の世界は知ってはいるとは思うがこの世界を作った世界の事だ。そしてこの世界は上の世界のPC内にある。つまり、データリカバリーとはどこかの世界が、昔の世界に上書きされることをさすと思われる』
「な、成程。じゃあ、その世界がラーの居る世界、と言う事かしら」
『だろうな。ラーが居たのは、絡繰世界。あそこが恐らく上書きされるだろう。まあそこまではいいとして、その後だな。恐らくだが、皐文たちはその世界を残そうとするだろう。ほかの世界を元から見捨ててな。ボクは、その精神が許せない。すべてを救うために考えを巡らせるぐらいはしてほしいんだ。それに、これは不確定だが、神奈はボクたちの意思を統合するつもりらしいんだ。それは嫌だ。だから』
「まあ、そうよね。けど、ゴトに与するとかは言わないでね。あいつらのやり方は好かないから」
『それは大丈夫。ボクたちもあいつらは好かない。だから、次のゴトvs神奈の戦いが起きる時には、ボクたちは第三勢力として戦いに向かう予定だ。まあその戦いが勃発するかはわからないがな。でも次に起きる戦いは、世界と神奈たちが戦うことになるだろうな。』
「成程」




