2話 キャベツ畑で追いかけて
キャベツ畑で追いかけて
南極には、人間の生まれるキャベツ畑があった。そしてそのキャベツ畑から、コウノトリが世界に人間を運ぶ。それが、人間の生まれる仕組みらしいそんな記述が掲示板からショートカットした先、キャベツ畑の近くにある立て札に書いてあった、しかし、出た場所は滑走路の真ん中であり、此処は危ないと判断した私たちは、近くの人の背の長け程ある巨大キャベツ畑へと向かった。
「で、此処がキャベツ畑なのね。まあ南極にあるから室内だとは思っていたけど。そんなに寒くないのね。と言っても日本の冬の外並みには寒いけど」
「そうだね。で、何処に太陽神さんはいるのかな?」
3人であたりを見渡すも、まず、大人が見当たらない。人すらなく、ロボットだらけだ。
「じ、じゃあ、施設を見て、回ろっか」
「そうね」
「うん」
施設内を見て回るも、何処にも人影はなく、ロボットしかいない。しかしそんな中、何か隠れるように、逃げるように、しかしこちらを見るために、コソコソ動いている人影が有るような気がする。
「そろそろ、姿を見ようかしら?」
「そ、そうだね」
「え、どういう事だい?」
やっぱり、雛は気づいている。でも、皐月は追跡に気づいてないみたい。
「私たち追跡されているから、そいつをあぶり出そうという事よ」
「そうなのかい?」
「う、うん、つけられているね」
「で、どうしようかしら? キャベツの間を3人とも違う方向に入っていくっていうのが一番良さそうだけど」
「そうだね、まっすぐ歩く人と、キャベツの周りをまわって、まっすぐ行った人の後ろを確認する人がいると良いかも? これなら、キャベツの周りをまわる人がそのキャベツの周りも確認できるしね」
「じゃあ、1・2・3で走って行くわよ。1・2・3!」
私はまっすぐ歩き、皐月と雛が走って左右に曲がる。そして少し歩いて後ろを見ると、普通に追跡者は捕まっていた。
「あちゃー、捕まっちゃったかー! で、あんたたちはあの、ルーの仲間か? それなら精一杯抵抗して、やられるまでなんだけど」
「あ、やっぱり太陽神ルーは居るのね。私たちはルーの知り合いじゃないわ。まあ探してはいるけど」
「そっか、なら助けてよ。あたしはあいつから逃げているんだ。早くあの爺をここから連れ出して」
「いや、連れだすとは言ってないんだけど」
「けど、世界の存続のために必要なんでしょ」
「ああ、そっか、皆その話は聞いているんだもんね。そうだよ。僕たちはルーを連れて行かないといけないんだ、で、君はここで何しているんだい?」
皐月は拘束をやめて、青髪の和服少女に聞く。それに続いて、雛も拘束を解いた。
「あたしは、藤堂。ここで生まれてくる子どもを見守っているんだー」
「へーそんな人もいるのね。分かったわ。なら、ルーは私たちが連れていくわね」
「さてどこに居るのかしら? そのルーは」
「こっちー」
少女(私より身長が高い)はずしずしと走り、私たちはそれを追う。数分後、そこには爺さんがいた。
「あそこ。ほらあのPCをいじっている人」
こっそりと後ろから見ているけど、何をしているんだろう? あの人。何やら、この施設の設定を変えているのかな?
「さあ行ってきてー」
「うん」
爺さんの後ろに出た瞬間にこちらを見ずに、
「お主が儂を迎えに来たの者かのう?」
まるで後ろに目があるかのように、出て来たのが私一人だと言い当てた。それにしても、かなりの威圧感。間違ったことを言ったら狩られる。そんな気がする。
「ええ、そうよ。だから、今すぐ来てくれないかしら」
「そうはいかん。儂はのぅ、そやつを止めねばならんからのう」
「え?」
爺さんがいつの間にか目の前から消えている。何処に行った? もしかして! 速攻でさっき隠れていたPCの裏を確認すると、皐月と雛が、爺さんと戦いつつ、藤堂が逃げている図だった。
「この爺さん! 強いよ」
「すべてが、あたしたちより一枚上手。楽しいね!」
「雛、楽しくなっている場合じゃ……ぐぎゃ!」
私が戦闘に入る前に、皐月がやられた! 死んではいなさそうだね。あの子は逃げたみたいだし、ここは、
「武工装備!」
皐月を安全な位置に連れていこう! 接近をして、太郎太刀で一薙ぎ。それを爺さんが、回避する。その隙に、皐月を! 倒れている皐月に手を伸ばすが、そこで、思いっきり頭に鈍痛。気をしっかりも……た……。




