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人探しの戦闘機工  作者: 月読雨月
六章 火の機械世界
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15話 vsゴト

 vsゴト




「そうはさせない。返してもらおうかな」


 放り投げた腕は海に落ちることなく、何処からともなく現れたゴトによって、阻止された。と言うか取られてしまった。


「ゴト! そいつ何したのか、分かってて助けるの!」


「うん、そうだよ、私はこいつを助けるために君たちの前に現れたんだから」


「アミ、あなたは、先に進んで」


「いや、先に進む場所が分からないよ?」


「私は……ゴトを倒す!」


「……OK。作戦的には本丸攻略方がいいって、文にショートメッセージ送ったらそう帰ってきたよ。なら私は、このまま敵の本丸に攻め込むよ!」


 任せたわ。そういう前にアミは巨大化して、進んでいく。私は、目の前に降りて来た、ゴトに向かって、太郎太刀を振り下ろす!


「ふーん、武工を手に入れたんだ。なら、どれだけ使いこなしているか見せて!」


 ゴトの周りに武器が飛び始める。その数50はあるわね。なら!


「機工装着!」


 装着して、砲撃をしかける。これで、少しは吹き飛ぶ……


「うそ!」


 なんで、無傷なのよぉ。武器も、ゴトも!


『式。状況確認できたよ! 一旦逃げて!』


 この声は、雛ね! と言う事は、逃げようかしら! 機工装着、アクセル全開!


 数秒後、元居た場所に、爆撃が始まった。これなら、ゴトも無傷では済まないはず! そう思っていた時期が私にもありました。一片魔集機を使う。何とかこれで、まだ戦える!


「む、無傷!」


 あの爆撃で、周りの建物、地面でえぐれているのに、私だって、機工装着して全速力で離れて、何とか生きている状態なのに、ゴトは傷一つ受けていない。なんで? そう考えていつつ、砲撃を開始しているけど、なんで、こんなに攻撃が通らないのよ。よく見ると、何か盾を展開しているのも見えるけど、あんな盾一つで何が出来るのよ。


 「ふう、やっと追いついた。あれは、恐らくイージスの盾だよ。多分だけど、すべての武工のコピーを持っている! ……と思うよ」


「成程ね。じゃあ、攻撃を続けるしかなさそうね」


「なんで?」


「あいつに動かれると困るのよ。あいつ、私がせっかく封印した、賢者の砂を復活させようとしているのよ」


「ああ~、成程。じゃあ魔力ゼロの物理攻撃でやるしかないかもね」


「ん? どうしてかしら?」


「えっと、イージスの盾は邪悪と災厄を祓う魔除けが施されているんだけど、まずそれのせいで、魔除けつまり魔術攻撃は通じない。そして、邪悪と災厄の魔除けのせいで、恐らくだけど、戦車、戦闘機の攻撃は通じないんだ」


「成程、邪悪災厄判定なわけね」


「そういう事」


 そう言いつつ砲撃は続けている。けどどうしたものかしら?


「それだと、刀も駄目ね」


「あ、それは大丈夫みたいだよ。どうやら刀は神聖な物扱いでもあるからね」


「ええ……。でも接近戦を仕掛ければいいのね」


「そういう事になるいかな。雛も聞こえているかい?」


「分かったよ」


 でもどうする? 魔力で能力を得ているから、その魔力を吸収してしまえばいいかな? 魔化で切り落としてもらうのもあり? とりあえず接近しないと!


「接近させると思うか?」


 剣や槍、刀などが、此方に向かって大量に飛んでくるわ!


「盾を展開するよ!」


 皐月がいくつもの盾を展開。何とか防ぎきる。けど、


「まだまだ、ストックはあるぞ!」


 大量の武工から武器が飛び出て、それを防御しつつ当たりそうなものは切り落とす。それでもゴトに近づくのは難しいわね。なら!


「機工展開!」


 戦車に乗って接近よ! 飛ばしてくる刃ならこの方が防御しやすいわね、


「エンジン部分のみ、防衛するよ! これで接近できるはずだよ」


「ありがとう!」


 砲撃への防御もしているし、このまま接近よ!


「接近されたか。なら」


 接近成功! これで、ギリギリ苦無が投げて届く範囲ね。機工入庫。で、アレは、槍? それとも銛? とりあえず、当たらないようにしないと、何があるか分からないからね。


「あれは、もしかすると、銛っぽいものだから、投げて使うのかも知れないよ。このまま僕の盾で防ぐよ!」


「ええ、分かったわ」


「うん」


 ゴトはそれを上に投げた。


「なんで上に? ってまずいかも、二人とも僕の近くで、防御姿勢をとって!」


「どうしたの」


 二人とも何とかその言葉通り、皐月の近くに集まり、防衛姿勢をとる。皐月が魔集機を一片使う。次の瞬間、矢のようなものが空から降り注ぎ、それから守るように甲板と盾が現れた。殆どの矢は甲板と盾で防いだけど、一部の攻撃が甲板と盾をすり抜けて、此方に飛んできた。


「武工装備!」


 太郎太刀を装備、叩き落とす。雛の方も何とか撃退したみたい。


「多分、あれはゲイボルグだね。銛のような槍、分裂したかのような大量に降り注ぐ矢みたいな攻撃、そしてホーミング性能、その上、防御をすり抜けてくる攻撃ってなるとそれぐらいしか思いつかないよ」


「で、あの武器の弱点は!」


「無い!」


「ないかぁ!」


「でも、本気でイージスの盾で防いだら、魔除けの加護で何とかなると思う」


「分ったわ。じゃあ、皐月に防衛を任せるわ。私と、雛で賢者の砂をゴトに落とさせる!」


「うん!」


「了解!」


「それにあの性質の武器なら、一回きりの使い切り攻撃のはずだから、貯蔵はそこまでないはずよ」

「そうだね」


 皐月が盾を前に構えつつ進軍を開始する。その後ろから、私と雛が機銃と苦無で牽制しつつ、距離を詰めていった。

 それにしても、ゲイボルグを使ってこないわね。そこまで貯蔵がないと見たわ。なら!


「うぉおおおおおおおお!」


 太郎太刀を盾にして接近して、魔吸を射出! よし盾を構えたわね。これで!イージスの盾は使えなくなるはず!

 盾に魔吸が突き刺さる。そして、盾は消え去った。


「今よ!」


「うん! 行くよ!」


 雛が前に出て、雷切を振るう。しかし、


「成程、それで、このマンマルちゃんを落とすつもりだったんだろうが」


 しっかりと、槍で妨げられている。しかも、返す攻撃で、槍先が雷切に当たる。すると、


「え?」


 雷切が真っ二つになった。

 どういう事? それなりに固いはずなのに、あんな簡単に折れるはずない!


「くそっ、あの槍何! 雷切が真っ二つに斬られた!」


槍先に触れて斬られたって事? なら、もしかすると、


「その槍はもしかすると、蜻蛉切かも! 槍先に触れないようにして!」


 皐月の言う通りなら、接近がかなり難しいわね。どうしたものかしら? 防ごうにもその防御したものが破壊される。けど、破壊された武器を武工で回収するのもありかしら?その金属を吸収させて、再生成するのもありだけど、そんな隙無いわよね。なら、遠距離攻撃だわ!


「機工装着!」


 砲撃、砲撃、砲撃! 何発か当たった筈!


「くそっ! でもこれで、逃げられる!」


 え? 爆風を利用して、飛んで逃げた?! これじゃあ、マンマルちゃんから、賢者の砂が解放されてしまう!


「あたしに任せて! 機工装着! 武工装備!」


 ジェット機を装着して、雛が飛ぶ。一片魔集機を使って、そして、


「いけ雷切!」


 折れた雷切を一振り、マンマルちゃんを切り落とした。そのうえで、海に落ちた。


「くそ! ここは撤退だな」


「逃がすものか!」


 私は魔集機を二片使って、


「雛の言う通りだわ、皐月、刹式行くわよ!」


「うん、分かったよ、刹式準備ヨシ! 物理、魔術複合砲撃発射!」


 くそ! かなり力を入れた攻撃の筈なのに! よけられた。


「もう一度!」


「待って、二人とも、撤退命令が届いたよ。アミと皐文がこの世界にとどまれる限界らしいんだ」


「なら、こいつだけ仕留めて!」


 そんな会話をしている、間に転移されてしまった。


「転移した……。ってあれ? 転移した? どうして最初からしなかったのかしら?」


「容量オーバーだったのかな?」


 皐月が頭をひねりつつ、けど確信がありそうに言う。


「そんなことあるのかしら?」


「うん、人数が増えるたびに、魔法陣が複雑になるんだ。それに、賢者の砂は中に人が吸収されているから、人数制限に引っかかったのかもね」


「な、成程」


 そんな感じだったのね。知らなかった。という事は、


「逃げられるのは必須だったって事ね」


 思わずため息が出る。でも、しょうがないわね。これなら諦めもつくわ。


「分かったわ。ありがとう。そしてごめんね、疑って」


「いいよ。それより、早く戻らないと、皆が出港できないよ」


「ええ」


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