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人探しの戦闘機工  作者: 月読雨月
六章 火の機械世界
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9話 作戦武蔵

 作戦武蔵

 

 

 

「すまない、私の作戦ミスだな。どうにかして見せたいけど、頭が追い付かない。というか手詰まりかな」

 

 文がでこに手を添えながら皆に告げる。僕たちはそれを聞きつつ、何故と考える。普通に考えると、未来演算機があるこっちが、そんな失敗するはずないよね。僕、皐月は訝しんだ。


「なら、一番ましな案は無いかな?」

 

「……あるにはある。けど、こんな死ぬ可能性がある作戦提示できない。それに今はアミが向こうの世界に戻ってるし、今すぐ実行はできないよ」

 

 アミはたしかに、人形になってしまった。現在地は、アメリカ沖からハワイに向けて移動している船の中。

 

「じゃあ、また夜だね。なら僕は寝たいんだけどいいかな? 皆も眠いよね。作戦立案できるまで、実働部隊は寝てていい?」

 

 奈波は少し怒りながら、そう提案する。まあしょうがないよね、すぐにでも珠樹って人たちに会いたいんだから。

 

「まあまあ、落ち着いて、とりあえず、まだ頭が働く人は話し合い、もう無理なら寝ていいかもね」

 

「ありがとう、じゃあ僕たちは一度寝るよ」

 

 文の言葉に、奈波と光は寝床へと向かった。

 

「それはそうと、追手は来ているのか?」

 

「今のところは来ていないよ」

 

 飯野の発言に文の放った言葉で皆安堵する。

 

「あ、そうか! 敵が追ってこないなら、というか、普通追ってこないね。なら、あの作戦が効くよ。でも、これは作戦としては不確定要素が多すぎるから、作戦とは呼びたくないけど……」

 

 文が何か思いついたようで、早口に話しだした。

 

「何か思いついたようだけど、聞いていいかしら?」

 

「ん? ああ、すまない。少し考え事に集中してしまったよ。逃げて戦う方法があったよ」

 

「ああ、なるほどね。宮本武蔵の作戦かしら。私はいいと思うわ」

 

「マーキュリーさんが言う、宮本武蔵の作戦ってどんなのかな?」

 

 僕は気になった事を聞いてみた。宮本武蔵ってたしか、戦国時代から江戸時代の剣士だよね。その人の戦略ってことは、そこまで、有効な作戦とは思えないけど、

 

「ああ、簡単な作戦よ。逃げて、追われて、最初に追いついてきたものを潰す。それだけよ」

 

「え、それじゃあ、敵が追ってきてない状況の今、使える作戦ではないよね。そして、基地には攻撃できないよね」

 

「武蔵の作戦だけではね。だから、追ってこなくなったら、こっちから基地を攻撃する。一撃入れたら離脱。って感じでね。これで、相手は防衛して、逃げたら休息をとろうとするだろうけど、そこを攻撃するわけ、そして敵は、いつ襲われるかという心労、体力も削られる。でも波状攻撃にするから、少しこっちも大変だけど、この作戦が一番いいと思うわ」

 

 ヴィーナスの作戦は大変そうだけど、でも、確かに理にかなっている気がする。

 

「よしそれで行こう。だけど、少し休憩だ。今は追ってきていないから、反転して、また接近するまで皆休んでいてくれ」

 

 皆頷いて、各自の部屋に戻っていった。


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