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人探しの戦闘機工  作者: 月読雨月
六章 火の機械世界
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5話 奇襲開始

 3日後、転移ポータルの前でみんな待機中




「それにしても、一緒にいた2人がいないっていうのはなんか寂しいわ」


私、式はため息をつきつつ、でも作戦だからしょうがないなと思って、転移ポータルの陣の前で待機している。


「私はこの戦力差を埋めれるかが心配だよ」


アミの気持ちも分かるわ。でもどうにかしないと、どこの世界も機工使いに支配されていしまう。その未来は私の望むところではないわね。


「まあ、そうね。けど、目的としては、エルピスと、太陽神の誘拐だから、混乱させるっていうのが大切ね。そして、私たちが要なんだから」


「そうだね、誘拐も私たちの役目だもんね」


「まあ、僕らができるだけ、敵を倒しておけば、後は楽できるから、頑張ろう」


 アミと皐文の言うとおりね。そのための、魔集機かしら。これを使ってできるだけ戦い抜けって事ね。


「そういえば、アミは、奈波から何か貰っていたよね。何貰ったのかしら?」


「それなら、これだよ。お守りなんだって」


 お守りと書いている、袋を見せてくれた。


「なんか知らないけど、これで、洗脳攻撃は受けないって」


「なんで?」


「さあ」


『5人とも、転移の準備が完了したよ。転移陣の上に乗って』


一人一人が緊張しながらも、転移陣の上に乗っていく。そして、


「準備できたよ。お願い」


 アミの言葉に皆が頷く。そして私たちは機械世界に飛んだ。




奇襲開始




 って、本当に敵地のど真ん中に放り込まれたわね。まあ、いいけど。いや良くないけど!


「おい、あんたら何処から出てきた! 所属と番号を言え!」


「所属も、番号もないわ。機工出庫」


「はぁ?」


 全機工を出庫。前もって皐文が偵察して場所を把握していた、監視カメラ、監視塔を攻撃。


「な、何をするんだ! あ、貴様ら敵か!」


 あ、皆平和ボケしているみたい、なら好都合! このまま魔吸で! って、皐文がやっつけちゃった。


「じゃ、この基地を壊滅させる勢いで行くよ!」


「了解!」


 アミが巨大化、ムーンが分身して散会、皐文が闇に消えて、飯野はいつの間にか姿がなかった。


 とりあえず、私は、西に向かって敵を掃討していくべきね。


「撃てー撃てー撃てー!」

 

 ん? どうやら敵も少しだけ、戦闘できる者も残っているみたいね。敵の機工から、戦車も現れたわ。でも、小隊も組んでない敵に後れを取らないわ。


「こ、こっちに来るな!」


 ふん! 知ったこっちゃない! このまま砲撃して、押しつぶす!


 数分押し込んでいると、


「あれ、敵がいない?」


 思わず声が出るほど、敵がいないわね。っと、皐文から念話だわ。


「あ、式かい? 敵が反攻体制を整えたみたいだよ。ここからは敵の攻撃に備えて!」


「了解。周りに注意しながら進むわ」


 サイレンが鳴り響く。てか五月蠅い。戦闘機も出てきたし、


「機工格納」


 機工を戻して、物陰に隠れる。やっぱり、敵機は……、アミの方に行ったわね。なら、


「機工装着」


 装着してコッソリ、建物の陰を進む。そして、敵を遠くに見つけると、砲撃っと。よし、これで、少しずつ減らして……。ん? 建物の中で何か声が聞こえるわね。


「本当に、……を出していいのか? 確かに……、指揮も……くれるだろうけど、まだ回復して……だろう?」


「だ、だ……だ。何より死ぬよりましだろ!」


 うん、なんかヤバそう。なら、砲撃で! ん? サーチライトに見つかった!? さっと現在いる場所から飛びのくと、


「矢?」


 矢が射られた。よく見ると地面が溶けている? 角度を計算してそちらを見ると、暗くて見えない。じゃあ、暗視装置で! うん、それなりに近い場所にいるね。ここから、砲撃してもいいけど、


 『皆、狙撃に気を付けて! 毒矢に狙われているわ』


「了解!」


「OK」


 等々の返答が返ってきた。っと、敵の方にマーキングも付けてっと。お、アミがさっそく向かっているわね。じゃあ私はこのまま、ここの壁を……。


「まて! その蛮行、俺、松平 正元が許さない!」


 今度は何よ! また弓持ち? しかも近いし。こんな接近していたら、弓持ちだったら致命的なんじゃ? なんか雲行きが怪しくなってきた? ゴロゴロ言い出したし。とりあえず、壁を!


 轟音とともに光が走る。


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